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撮ったビデオはちゃんと見ようシリーズ第一弾。CS 日本映画専門チャンネルで「伊賀忍法超」。1982年角川。監督斉藤光正、出演真田広之、渡辺典子、中尾彬、千葉真一、福本さん(きゃあっ、ちゃんと『虚空坊』って役名付きだわ)。薬師丸ひろ子、原田知世に続く角川ヒロイン三人目の渡辺典子のデビュウ作なんだが、前のふたりに比べると扱いがかなりシビアでかわいそう。始まって15分ぐらいでいきなりストロング小林にレイープされちゃうんだもんな(や、その前に中尾彬の愛人と首を交換されちゃってて、実際にレイープされるのは美保純なんだけど)。
映画の方は角川らしく、金をかけるところにはちゃんと金をかけてて(もうちょっと金かけたれや、と思うところもあるにはあるけど)終盤まではそれなりに楽しめるんだけど、ラストが意味不明なあたりで減点。「愛の力でお前に勝つー!」なんてのは山田風太郎はやらんと思うぞ。総じて中途半端な青春映画臭さと千葉真一の高笑いだけが後に残る映画だったといえるかな。中尾彬も平成ゴジラシリーズで見せる、あの憎々しさの境地にはまだ達してなかったし。個人的には果心居士配下の不死身の五人衆の一人、というそれなりに大きな役をもらった福本さんがやたら格好良かったのでそこは楽しめた。福本さんだから最初に死んじゃうんだけど。あと、私の知ってる数少ないポルノ女優であるところの風祭ゆきを久々に見たのでそこも眼福。
撮ったビデオはちゃんと見ようシリーズ第二弾。CS 日本映画専門チャンネルで「幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形」。1970年東宝。監督山本迪夫、出演松尾嘉代、中尾彬、小林夕岐子、中村敦夫。おお、中尾彬がどんどん若返っている(w 。
久々に恋人の元を訪ねた青年(中村)。だが彼女は半月前に事故で亡くなっていた。信じられぬ思いで彼女の住んでいた古びた洋館に泊まる青年だったが夜半、ただならぬ気配に目を覚ますと、死んだと聞かされた彼女の姿が…。
特撮ファンなら先刻ご存じ、無表情美少女ナンバーワンの小林夕岐子(「怪獣総進撃」、「ウルトラセブン 『アンドロイド0指令』」)の魅力が炸裂するホラー映画の佳品。この「血を吸う」シリーズ、続く第2作、第3作では岸田森の怪演が炸裂しまくってるってのもファンなら先刻ご承知かと。で、そういうパワフルに怪しい役者がいない分、こちらはぐっと正統派。残念ながら随所に貧乏くさい雰囲気が漂ってしまっていてそこは惜しいのだけど、忌み嫌われる異形の者にも異形となってしまった事への哀しみ、怒りがあるのだ、という哀しいラストには胸を打たれますな。タクシーの運転手が沢村いき雄じゃなく堺左千夫な時点で「違うやろそれはー」と突っ込み入れてしまう自分も悲しい。
撮ったビデオはちゃんと見ようシリーズ第三弾。CS 日本映画専門チャンネルで「乱」。1985年日仏合作。監督黒澤明、出演仲代達也、寺尾聰、根津甚八、隆大介。シェイクスピアの「リア王」に題を取った戦国絵巻。めったやたらにロングショットを多用した絵作りは、15インチの安物テレビデオでの鑑賞ではディティルの確認も人物の判別もままならぬ。宮崎美子? どこ? てなもんで。
ただもうこの映画の色彩設計は圧倒的にすばらしい。戦国武将一文字秀虎(仲代)の三人の息子、ルビーの指輪の長男はちょっと要警戒な黄色、状況劇場の次男は内に熱狂を秘めた赤、スペースシャトルから笛を捨てた三男は清廉な青、黄色の長男、赤の次男から次々と裏切られた秀虎は自らも疑いを秘めて黄色の衣装を身につける。やがて自らの信頼がことごとく裏切られ、自らが最初に疑いを持った青の三号(あれっ?)こそが信じるに足る存在だった事を知った時、気がふれた仲代は白の衣装で荒野をさまよう。兄弟はやがて骨肉の争いを演じ次々と滅んで行く。そこにつけ込む近隣の豪族は黒一色、と言う案配で。いやー、チャン・イーモウがこれ見てHEROを思いついたんだとしてもおりゃ驚かんね。そういえば衣装デザインはどっちもワダエミだし。
ただ、なんだろなあ、映像はすばらしく美しく、お芝居もきっちりしたものになっているにもかかわらず、どうも間延びした感じがあるんだな。実際長い映画ではあるんだけど、それをいうならモノクロ時代の「天国と地獄」や「悪い奴ほどよく眠る」だって長い映画だったわけで、で、モノクロ時代のそれらの映画には、なにかこうビリビリするような張りつめたものがあって、長さを感じさせなかったんだけど、この映画はそういう感覚までは行かない感じ。なぜだろう。ミフネがいないからか? そうは言っても仲代達也だって黒澤映画じゃあ常連だし、その鬼気迫るお芝居は流石なんだよな。でも全体に、ビリビリした緊張感みたいなものがもひとつ伝わってこない感じがする。テレビ画面だから? いやでもモノクロの方はテレビで見てもビリビリ感じるわけだし………。
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