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てことで。岸和田→堺と回ってきましたよ。今日は全体に暖かかったのか、やっぱり南大阪はダテじゃないのか、寒さが厳しくないのがせめてもの救い。
家に帰ったら明日の朝イチに欲しい、とか言う仕事が舞い込んでてかなり途方に暮れた、つーか無理。
せめて午前中いっぱいで、とお願いしてはおいたけど、うーむ、それでも間に合わないような気がするな。
なんせそんなせっぱ詰った状態でも、夜になったら酒飲んじゃうんだもんな。
シオドア・スタージョン、アヴラム・デイヴィッドソン 他著/中村融 編
カバーイラスト 後藤啓介
カバーデザイン 東京創元社装幀室
創元SF文庫
ISBN978-4-488-55503-0 \920(税別)
アンソロジーの名手、中村融氏による怪物ホラー傑作選。本邦初訳5編を含む全10編を収録。
編者が中村融さん、トリを飾るのがキース・ロバーツと来ちゃ読まなアカンやろ、と言うわけで収録作品は以下の通り。
中村氏は本書を、「活字で読む『ウルトラQ 』」を目指す、と言うコンセプトで編んだと書いておられるが、私はどちらかというと、バート・I・ゴードンやロジャー・コーマンなんかの、ヘナヘナ風味のB級モンスター映画で知られる、AIP作品のテイストを色濃く感じてしまった。なぜそう思ったのかと言えば、ある程度その答えになっているんじゃないかと思える部分として、中村氏がデイヴィッドソン「アパートの怪人」の前説部分で書いている、こんな説明が当てはまるかも知れない。
西欧において怪物は、もともと予兆や警告を意味していた。つまり、怪物自体に意味はなく、その誕生が凶事の前兆と解釈されたのだ。
たぶん怪物なり怪獣という存在に、その誕生や動機といった(場合によってはそこにデザインも加わると思うんだが)意味づけがふんだんになされる日本の怪獣たちを見慣れてしまった故なのか、ここに集められた作品群からは、編者が込めた思いほどには「ウルトラQ」を感じることはなかった。ビジュアルな部分のウエイトが大きいテレビ番組故に、見ている側が勝手に登場する怪物たちに意味づけしてしまった、と言う部分もあるのかも知れないけれど、「ウルトラQ」には怖さと同じくらい、少し形を変えてはいるけれども、「愛らしさ」みたいな感覚もあったと思うわけで、さすがにそう言う微妙な部分は、このアンソロジーからは読み取れなくて、その代わりに感じられるのが、前にも書いたような、微妙なAIP風味。別にバカップルのクルマのヘッドライトで昇天するエイリアンや、もそもそ動く金星ガニなんかが出てくるわけじゃないけど、怖さとともに、どこか憎めない安っぽさが伴う作品が、特に本書の前半、アメリカ作家の作品には漂っているような気がする。
そこに行くとさすがに英国作家ってのは、どこか底意地の悪い部分がある、と言えるのかも知れない。派手な見せ場はやや少なめなウィンダムやロバーツの作品には、ツカミは少々弱いんだけど、よく考えたらそれって怖くね? みたいな、じわじわ効いてくる怖さ、みたいなものがしっかり備わっている、とは感じた。それが作家の技巧なのか、国民性の微妙な違いなのかはわからないのだけれど。
私はどっちも好きなので、これはなかなか楽しめるアンソロジー。日本製怪獣映画を彷彿とさせつつ、どこかアメリカンに抜け作な「アウター砂州に打ちあげられたもの」、これは「ウルトラQ」に入ってても違和感ないかも、と思わせる「アパートの怪人」、それからロバーツの、地味に技巧を重ねてくる「スカーレット・レイディ」あたりはかなり好み。楽しませていただきました。
★★★★
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