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「鉄のラインバレル」、「鉄腕バーディーDECODE 02」、「テイルズikry」、「地獄少女三鼎」、「とある魔術の禁書目録」、「夜桜四重奏」、「侍戦隊シンケンジャー」、「仮面ライダーディケイド」、「フレッシュプリキュア!」、「機動戦士ガンダムOO」。いきなり登場人物がたくさんできてビックリした「禁書目録」。残り話数も少ないのにまた新しいキャラが出るんですね。原作がそうだからしかたがないんだろうけど、もちっととーま君と一方通行君の絡みとか、見たかったような気はする。
日曜朝。殿様はそれなりに殿様としてすごいんだ、ってお話だった「シンケンジャー」、レッドがオレ様キャラ、ってのは「ボウケンジャー」以来? まだ殿の演技に殿様が内に秘めてるすごさ、みたいなものが見えてこないあたりにちょっとだけ物足りなさを感じる(鷹揚さというより、ぞんざいさが前に立ってしまってるんだよね)んだけれども、このあたりは今後の展開に期待、かな。
ごく近い将来、リアルワールドでも国民が遭遇することになるであろう裁判員制度に鋭く切り込んできたのが「ディケイド」…などと誰が思うか。まあ好きにしてくれ。この世界では「オレジャーナル」じゃなく「アタシジャーナル」なんだな。あと、この世界でもカニの人は不遇なんだな(^^;)。
終盤が近づいてきていろいろ動いてる「ガンダム」。脚本家と監督の名前を見れば、多くのキャラクターが真っ当な老後は送れないんだろうな、って予想はできようってものだが、それにしてもがんがん行っちゃうものですな。これも面白いとは言えるけどね。
有川浩 著
装丁・デザイン 鎌部善彦
メディアワークス
ISBN978-4-8402-3092-6 \1600(税別)
春の桜祭りで賑わう横須賀の街。勤務中の悪ふざけが元で潜水艦「きりしお」で謹慎状態の夏木と冬原にとって、その喧噪は指をくわえて遠くに聞く賑わいでしかない。だが、そんな空気は一瞬にしてかき消される。三分の一の乗員しか残っていない「きりしお」に突如届いた出港命令。タグボート無しでの出港が無理ならば直ちに艦を捨てよ、という異常とも取れる命令が意味するものは、やがて陸上から明らかになる。桟橋を疾走する赤い群。それはあり得ないくらい巨大なザリガニのような甲殻類だった。「それ」は逃げ惑う人々を次々と巨大なハサミで屠り、むさぼり食らう。市民を救助すべく上陸した夏木たちだったが、逃げ遅れた子供たちと共にふたたび「きりしま」に閉じ込められてしまう羽目に。乗員が全て退避した潜水艦に閉じ込められた2人の見習士官と15人の少年少女。街に氾濫したザリガニたちへの対応に手一杯な当局にとって、彼らは半ば忘れられた避難者たちとなりつつあった…。
買取物件からピックアップシリーズ、その5。「空の中」に続く有川自衛隊シリーズ第三弾、だそうな、といいつつ今回はあんまり自衛隊の見せ場はないけど。全体なノリは(星野之宣の)「海の牙」プラス(著者本人が言うてるとおり)「十五少年漂流記」。群体怪獣パニックものと、この人らしいええ按配のジュヴナイル風味が合わさって大変面白い。全体なノリは「空の中」と同様で、オトナがちゃんと責任を取る、ってところの描写が大変心地よいジュヴナイルで、かつ今回は少しばかり湾岸暑が頑張るような話が加味されていると言えるかな。
タイトルが「海の底」でメインになる舞台のひとつが潜水艦と来たら、読む方はてっきり「浮上せず」的深海パニックを予想してしまうのだが、作者は何を思ったのか潜水艦をあんまりばりばり活躍させる気を、お話のかなり最初の部分で捨てちゃっている。なのでこのお話では、桟橋に係留されたハイテク潜水艦(通常動力とはいえ日本では最新鋭、って事は多分世界でトップクラスの性能を持ってるはずだからね)が、否応なしに密室になってしまったという、考えようによってはかなりマヌケなシチュエーションのもとでお話が進んでいく。ある意味斬新ではあるな。
とはいえそこらで「もうちょっと潜水艦活躍させてくれよー」なんて気持ちが首をもたげないままどんどこお話を読み進めていけるのは、やはり作者の力量と言うことなんだろう。本書では潜水艦に閉じ込められた子供たちの物語と、ザリガニ軍団に対峙することになる警察組織の苦闘が並行して語られ、この、もう一方のお話の挟まり具合が上手なので、マヌケなシチューションについてあまり深く考える必要が生まれないですむんだね。全体的に「アニメだな」と思わせる部分も多いんだけど、そこはそれ、パワーバランス。わたしゃ基本的に「サ」の側の人間なので、あまりにストレートかつナイーブに警察や自衛隊の人々の行動理念や立ち居振る舞いを肯定されると、それだけで鼻白んでしまう傾向があるんだが、それでも全体としての読後感はなかなかさっぱりした爽快感をもたらしてくれる、楽しい読書の時間を提供してくれた本として高く評価させて頂きたい。
この作者の趣味なんだろうけれど、恋愛パートにおける乙女モード全開っぷりには賛否が分かれるところもあろうかとは思うが、んまあこれも、ニュアンス的に「図書館戦争」に続く、ってことだよと思えばまあ、ふふんと笑って本を閉じられるか。楽しめました。ヒール&スパイシー担当の中三トリオがなかなかいい味出しとるね。
★★★☆
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