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2004-02-21 [長年日記]

[Books] 出走 競馬シリーズ(37)

本書カバー ディック・フランシス 著/菊池光 訳
カバーフォーマット 辰巳四郎
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
カバー写真 ©Mitchell layton/NewSport/Corbis/amana images
ハヤカワ文庫HM
ISBN4-15-070738-3 \840(税別)

元チャンピオン・ジョッキィにして冒険小説の巨匠、ディック・フランシスの短編集。本書のための書き下ろし5編を含む13編を収録。

長編型の作家と思っていたフランシスだけど、いやー、短編もうまいもんですなあ。クールあり、ペーソスあり、ユーモアあり、いずれ劣らぬ珠玉の短編13作。楽しませていただきました。なんつーかあれだね、「きれいな」冒険小説を楽しませていただいた気分。

死がないとは約束できない。それでも、死体は私の専門とするところではない

てのがつまり、フランシスの小説の根底にあるポリシーなんだろうな、と思う。昨今勧善懲悪の名を借りて、安易に人を殺しまくる小説のなんと多いことか。そんな中で頑なに必要以上の血みどろを避け、古くさいとさえ思える英国のジェントルマンの矜持を保ち続けるフランシスの小説。しばしば鼻につくこともあるのだけれど、それでもやっぱりこういう作家は貴重だよな、と思いますわ。

 ということでどこから読んでも楽しい13編ですが、ここはやはり絶妙の配慮の末に並べられた、この順番に敬意を払って、最初からゆっくりと読んでまいりましょう。わたくしのお気に入りは「モナに捧げる歌」。あたりまえだがモナーとは全然関係ないよ。これもそうだし、他の作品もそうなのだけれど、ラストワンフレーズに込められた喜び、悲しみ、皮肉、がそこはかとなく読む者の胸を打ちまする。「競馬シリーズ」未読の方の入門編としても好著といえるかも。

(★★★☆)


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