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神戸方面に出かけたついでに吾妻ひでお「うつうつひでお日記」。「コミック新現実」に載ってた分は前にもちょっと見てたけど。
「失踪日記」が売れる前の、とても貧乏な頃の吾妻さんの生活が見えてくる本。鬱に苦しみ、マンガに苦しみ、薬とタバコをがぶ飲みし、図書館に行っては本を借りて読みまくる日々。こんな状態でもちゃんとSF読んでるあじまさんはエラい。
正直言って、今の吾妻さんの作品にそれ程魅力は感じないのだけど、でもまたおかしくなっちゃったりしたらそれはそれで悲しいから、せめて薬代の足しにでも、ってことで吾妻さんの本が出たらしっかり買うのだ、うん。
それにしても「日本ふるさと沈没」が見あたらんのう。あれは三宮まで足伸ばさんとダメか?
旬も何もあったもんじゃありませんが、湊川のパルシネマしんこうえんで「男たちの大和 / YAMATO」鑑賞。2005年角川、監督・脚本佐藤純彌、出演反町隆史、中村獅童、山田純大、鈴木京香、仲代達也。
一言で片付けちゃうと、"ダルい映画"ってことになるんではなかろうか。脚本や構成のダルさもあるし、絵もあちこちダルいし、そもそものテーマのとらえ方とその展開のさせ方も、どうしようもなくダルい。そのうえ監修瀬島龍三に主題歌長渕剛ときたもんだ。おえええ。
戦争の善悪とかの前に、このままでは死んでしまうかも知れない大事な人を守らなくては、と言う純粋な思いで戦いに臨む若人たちの話、と言うあたりをテーマに持ってきているのだろう(それはそれでどうなのよ、と思わなくもないけど、まあ今回は措いておく)が、それならそれで若人たちの生活のディティールをもっと掘り下げた方がよかったんではないか。着任してすぐの、子供たちがいろんな場所に配備され、そこで猛訓練に明け暮れるってあたりの描写は結構良いので、ここをちゃんと伸ばしてやって、その中で少年たちがそれなりに生と死や、国とかなんとかに分からないなりにでも思いをいたして、最終的に「なんだか分からんけど国にはカノジョがいるからオレは頑張る」みたいな決意で最終決戦、なんて展開であれば、オジサンのジュヴナイル属性も刺激されてまことに結構だったのだけれど、残念ながらこの映画、そこらがどうにもブツ切りで、かつ浅い描写しかされていない。とってつけたような戦局の説明(しかもナレーションがテレ朝の渡辺アナ。重みもクソもねえ)なんぞ入れるから、だらだらした展開になるんだよ。
絵はまあ、頑張ってるとは思うけど、それって「ローレライ」が頑張ったなあって言うレベルからもそんなに先に進んでいないような気がするし。実物大セットは時々良い効果を上げているけど、やっぱりデカくて金のかかるモノを作ったうれしさが前に出過ぎちゃって、似たようなアングルのカットが頻発する。というかこれは監督に"絵"が見えてないからなのかな? 構造物のカットに限らず、なぜかおんなじようなアングル、おんなじような動きの絵が繰り返されるのでちょい興ざめ。同じような角度(しかもありえねースケール感)で艦橋付近をかすめるTBF、ほとんど同じシークエンスで血しぶきミンチにされる対空銃座、などなど。どうしようもなく安い絵はなかったと思うけど、さりとてこっちが「おお」と思うような絵があるわけでもなく。そしてラストシーンは少々噴飯モノ(観てない人もいるでしょうからこの辺はあまりつっこみません。ただ、『大和』の映画のラストを、ちっぽけな漁船でしめて嬉しいんかあんたは、とは監督さんに言いたい。少なくとも仲代達也の目には大和が見えてなかったら嘘でしょうが)。
戦争に負けた国が戦争映画を造るってのは難しいね。最初っから大義名分を否定された状態でお話を作らなくちゃいかんわけで。最後には(正義が|愛が)勝つ、のが映画の王道なんだもの、そこに枷がかかっててはね。
とはいえ監督は「北京原人」の佐藤純彌、何かやらかしてくれんかなあと思ったんだけど、さすがにそういうわけにもいかなかったか。艦隊の高官の一人の役で本田博太郎も出てるんだし、彼に草鹿竜之介(演・林隆三)に向かって「ウパー」ぐらい叫ばせてくれたら、オレとしては元取った感満点だったんだけど(^^;)
ちょい追加。それはそれとして少年兵たちを演じた若い役者さんたちはみななかなか好演であった。ここは褒めておきます。中の一人はどうやら無事生き延びて、クルーガイズに入れたんですね(^^;)。
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西宮北口にはありましたぜ。ジュンクですが。f(^^;
くっそう(^^;)