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カート・ヴォネガット 著/浅倉久志・伊藤典夫 訳
カバー 和田誠
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011635-4 \980(税別)
1950年代、テレビ時代の到来以前のアメリカの家庭で大人気だったスリック雑誌を中心に発表された短編を集めた、ヴォネガットの初期短編集。表題作他全23編収録。
青背のSF文庫で出てはいるけど、SFらしい作品は23編のうち2編のみ。あとはなんというか、O・ヘンリーですかこの本の著者は、みたいな(いや、そういうのともちょっと違うか)、流線型にクロームメッキ、GEの電化製品(そう言えばヴォネガットはGEの社員だった頃もあったのでしたな)ばりばりなアメリカの家庭にあって、家族がぱらぱらと読んでいくのにふさわしい内容の短編が並んでいるわけで、しばしばブラックな笑いも混じりはするし、全体的には少々シニカル方面にシフトした内容の作品が多いとはいえ、それでもトータルな読後感としては誰に読ませても安心、な作品が揃っている。佳きアメリカ人とはどういうものであるのか、佳きアメリカ人たろうとする人がちょっとしたボタンの掛け違いで行く道をちょっと踏み外してしまう悲哀とはどういうものになるのか、あたりをぴりりとスパイスのきいた文体で表現した短編集と言えるだろうか。
なのでSF的なワンダー、と言うところはまあ、少々物足りないと感じるところもあるのだけれど、グッド・オールド・デイズなアメリカのご家庭で読まれていた小説とはどんなものだったんじゃろうか、的な興味を少しばかりかき立ててくれる短編集。SFを読む、と言うより、古き良きアメリカの世相に思いを馳せると言う部分で、妙に興味深い本になっている。仕事に頑張るお父さん、佳き主婦、よい子である婦人、と少年少女達、と言う図式を微妙にずらすことで得られるお話としての面白さを追求した短編集、といえるかな。
個人的には'70年代の若造たちの登場を予想させる「駆け落ち」、一種のシリーズ物になっている、ハイスクールの吹奏楽部の顧問、ヘルムホルツ先生を主人公に据えたシリーズ、あと、SFがどうしたこうしたという話を別にしてもしみじみした読後感を残す、「自慢の息子」がかなりお気に入り。SFじゃなくNVで刊行しても良いんじゃないかと思うけど、ま、日本でヴォネガットだし、やっぱりSF文庫での刊行って事になってしまうのかな。SFが苦手な人でも楽しめる短編集になってると思うので、いろんな人に読んでみて欲しい本であると思うです。SF読んだー、って快感が乏しいのが、ハヤカワSFを読んだあと、って条件だとちょっと恨みが残るけれどもね。
愛しのシカゴがそれまでのスタイルを大きく変え、"グッド・オールド・デイズ"なアメリカへのノスタルジーを前面に出してきた8枚目のアルバム。LP版ではジャケットイラストと同じデザインの、Tシャツ用のアイロンプリントのシートがオマケについていた(はず)。5枚目までのシカゴが大好きだった私は、6枚目以降のシカゴにはかなり戸惑ったものです。今はそこらのシカゴもかなり好きですけど。
★★★
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