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月曜の背取り旅で、ブクオフで2冊、メトロ神戸の古本屋の1冊105円、3冊なら210円棚で続く3冊を見かけたんでゲット、5冊で420円。もはやひゃくごえん読者ですらなくなっちゃった。
ということで久々に「グイン」の追っかけ、まずは2冊。追っ手の追跡を逃れて深い森に逃げ込んだグイン一行。折悪しく荒れ始めた天候の中、先を急ぐグインたちの眼前には見慣れぬ古城の不気味な姿が…、ってのが108巻「パロへの長い道」。
不気味な古城を舞台の一夜ってことで、久々にがっつりダーク・ファンタジー風味の一本になるのかと期待したんだけどそこは温帯、話はそっちには行かず、グインの出自に関する話題に軽く触れつつ、なんかヌルいSF風味が顔を出すようなお話になっちゃってた。ノリとしてはむしろ外伝向きな一冊か、とも思ったがよく考えたら外伝にするには話の重みが足りてない感じもする。本編の中で語られるインターミッション、っていうこの位置づけが正しいんだろうな。
いきなり「カプセル」とか出てくるあたりは、いかにも温帯クオリティ、とも言えるけど、まあ「パスワード」に「ふぁんくしょんきー」の洗礼を受けてるこっちはへっちゃらさ。
続く109巻「豹頭王の挑戦」は、いよいよ人口の多い地域に歩を進めたグイン一行、あまりにも目立つグインの風体をケイロニアの豹頭王と知られずに市街地を通過するための妙案、それはグインを「ケイロニアの豹頭王のそっくりさん」に仕立て、一行を旅芸人の一座に偽装する、という作戦だった…、という少々無茶振り方面に突っ走っちゃったエピソード。
という訳でどっちかつったら無理ありまくりな展開なのだが、久しぶりにマリウスがバカっぷり全開で明るい方向性に向けてぶっ飛ばしてくれるので、そういう部分は楽しめる。芸人根性全開ではっちゃけつつも、パロの王族という自分の身分と、そんな自分が一番自然に身を置くことのできる、市井の人々と共にある世界との別れの時が否応なしに近づいていることを予感する終盤の描写はそれなりに泣かせる。まあうそ泣きだけど。
いきなりの「ナンバーワン」発言とかリギアの軽量化傾向など、相変わらずアラもあるけどそこそこ楽しませていただいた、ような気がしないでもない(かなりいろんな物を奥歯に挟んだ発言)。
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