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残念なお知らせで世の中は満ちておった。柴野拓美さん(LOCUSにもニュースが載っている)が亡くなられたと言うことをついさっき知ってちょっとしみじみ。我らが生まれたとき、すでに日本にSFと呼ばれるSFが存在していたのは、柴野さんや福島さんたち、SFを書き、語り、翻訳してくださる人がいてくれたから。そのおかげでそろそろじいさま側に足を踏み込もうとしているこの青二才は、今でもSFが大好きです。尽きせぬ感謝を。ごゆっくりお休みください。
それにしても最近、訃報が続くことであるな。もとより外野の人間にはわかりようもない話だが郷里大輔さん、いったい何があったのだろう。
ダン・シモンズ 著/酒井昭伸・嶋田洋一 訳
カバーイラスト 加藤直之
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011738-2 \900(税別)
すべてを高性能AIにゆだねて人工冬眠につき、いつたどり着くかもわからない理想の植民惑星を探し求める旅に出たアモイエテ・スペクトル・ヘリックスの数十万の民を乗せて宇宙を進む宇宙船<ヘリックス>。その数百年の眠りを覚ますのは、理想の場所ではなく不可解な場所だった。本来彼らが移住目標としていた恒星系とは全く異なる恒星系からの救難信号をキャッチしたのだ…。「ハイペリオン」、「イリアム」シリーズに連なる作品を含む、5編を収録した中短編集。
「遥かなる地平 2」に収録されていた表題作以外は初めて読む作品だったので個人的にはかなりのお買い得感。「ヘリックスの孤児」も先の本で読んだ時点では「ハイペリオン」のシリーズをまだ読んでいなかったのでイマイチ腑に落ちないまま読み進んでしまった様な記憶がある。シモンズがニーヴン的ハードSFを書くとこうなるのかな、とかは思ったかな。
今回は「ハイペリオン」は読んでるが「イリアム」は読んでないので、一作(「アヴの月、九日」)もしかしたら肝心なところがわからないまま読む羽目になった作品があったけど、それをいったん措いてもシモンズの短編には作家からの挑戦的な色合いがエンターティンメント的色合いを上回ってしまうので、読み終わって「はて?」と思ってしまうことが結構多いような気はする。表現者として読者を甘やかさない、と言う姿勢であるのか、「みんなオレの書くものはもう判っているよな? 」で筋立てのディティールに意識的に穴を開けているのか、ヘタレな本読みである自分には判断できないが、技巧に直面して硬直するよりは、シンプルなストーリーでニヤリとさせてもらった方が、こちらとしては嬉しいかも。
そんな、今となってはエッジを全力疾走できなくなっちゃったロートル本読み的におすすめなのは「カナカレデスとK2に登る」ってことになるだろうか。サスペンスものなども書くシモンズの、ストーリーテリングの巧さがさえている一作だと思う。
私がたぶんシモンズを苦手としているのだろうと思うんだけど、そんなわけでがっつりのめり込んで読み込んでしまうようなタイプの本では残念ながらなかったんだけど、SF的にトンガリ具合をそこそこ丸めてきた作品の方に、自分的には好感を持ったことであった。最後の2作はかなり好きです。
あと、本書では著者自身が各作品の冒頭でかなり念入りな解説をしてくれていて、そちらも結構興味深い。「ダーウィンの剃刀」、ドラマ化されたら良かったのにねえ(^^;
★★★☆
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