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高千穂遙 著
カバーイラスト 安彦良和
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-030991-6 \760(税別)
惑星一つを丸ごとMMORPGの世界に仕立て上げたテーマパーク、"バーバリアン・エイジ"を裏から牛耳って巨額の富を得ようとしている犯罪組織があるとの申し立てを受け、彼の地に送り込まれたWWWCの犯罪トラコン、ケイとユリのコンビ。ゲームマスターのアバターとも言えるドラゴンの助けも借り、この仮想世界でいっぱしの地位を築き上げていたふたりだったが、肝心の犯罪組織の尻尾はなかなか掴めない。そして自分たちが関知できていないところで、"バーバリアン・エイジ"には新しいトレンドが発生していた。聖獣闘戯、と呼ばれるそれは、プレイヤーが自分の技量で勝ち上がっていくのではなく、自分がゲットした聖獣と呼ばれるモンスターを闘わせてランクを上げていくバトルシステム。それはケイとユリが打ち立てつつある帝国のシステムに風穴を開けかねない代物だった…。
ごくごくとっかかりの部分を描いて続いちゃった前巻のオチ担当巻。自分はこのシリーズ、だいたいリアルタイムで読んでいる(まあ文庫になるまでのタイムラグはありますが)んで、こんなものかな、で済むけれど(ほとんど読んでないので実体はわからないんだけど)、いろんな意味でエッジギリギリで飛ばしまくってる作品も多いであろうライトノベルを読み慣れた今の若い読者の方に、これはどう映るんだろう。こう言うのもありですか? もはやこれは古いノリですか? そこらの見極めができないので、さてどう評価したものやら。
オッサン読者的には、ライトなエンタティンメント作品としてまあ読めなくもない。ただ、このシリーズが登場したときにもっていた破壊力とちょっとしたスパイスみたいなものは、完全に賞味期限を超えてしまっていて、今「いぇい!」ってな気分になれないのも確かなところで。
いろいろあるけど一点だけ文句付けとく。二人の超能力、クレアポワイヤンスは少し未来に起こるであろうことの、あくまで抽象的なイメージを見るというもので、特に具体的な何かが見えると言うものではなかったはずで、だからこそそこで、二人が見た予知夢が意味するものはなんだったのだろう、という所での謎解きにお話の流れの上でのスパイスの効果が働いていたと思うのだが、本作でのクレアポワイヤンス、かなり具体的に二人に指示出してるような気がする上に、実はその指示がどうだったのかを著者は作品の中でちゃんと描写していないように思った。それは、ズルです。
手馴れた作家の得意なフィールドでの職人芸ってことで、時間潰しには悪くないけど、なんつーか職人さんが自分が持ってて、間違いなく使える技術だけで組み立てた作品という感じ。安定感はあるが飛び抜けた面白さって部分は皆無だな。
★★☆
根岸泉さんの「涼宮ハルヒの消失」評。何と言うか、ふわふわと感覚的な感想文しか書けない自分にとって、根岸さんの評の論理的な筋道の立てっぷりには、「カッコいいなあ」って感想しか出てこない。こういう文章を書いてみたいものなんだが、オレには無理だな。これ読んで「消失」、ちょっと観に行きたいな、って気になったことでした(って神戸国際松竹でまだやってるんだね、ロングランじゃん)。
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