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いつものようにイメージはあまぞんだけど、ヨドバシポイントで手に入れた廉価版DVD、今回のお題は「王立宇宙軍 オネアミスの翼」。初公開は1987年。そろそろ四半世紀になろうかって作品で、劇場ではないんだけど、公開後割と早いタイミングで、テレビ放映(なつかしの『アニメ大好き!』ですな)かレンタルビデオか、どちらかで観賞したような記憶がある。その時思ったことは、「すばらしい出来ではあるが大ヒットはしないだろうな」って事なんだけど、改めて見直してみて、やはり同じ感想を持ったことであった。
単純に「失敗」と決めつけてしまうのはどうかと思いつつ、どちらかというと失敗作だよなあと思ってしまう最大の理由は、多分当時の制作者たちにとって、アニメオタクたちの琴線がどの辺に張られているのかを読み違えてしまったというところにあったのではないかな、と言う気はちょっとする。作家性とエンタティンメントのさじ加減というか折り合いの付け方みたいなモノで、線を引くところを間違えちゃったかな、という感じだね。
関西芸人→ゼネプロのラインがやらかした事ってのは、アニメ・特撮作品における見た目のディティールとくすぐりの部分への過剰なばかりの注力、ってところだと思うんだが、本作品でもそこの所の頑張りっぷりは半端じゃない。画面を見ているだけでなんだか幸せな気分になれるアニメーション、ってのは案外見あたらないのでね。そこを徹底的に追求してくれたら、それだけで見ている方は嬉しくなってしまう。
ただ、そのビジュアルに乗っかって語られる物語の方の構成で、造り手は少しお客を買い被ったんじゃないか、ってのがこの作品が上手く行かなかった理由、と言っちゃったらいろいろ失礼に当るだろうか。でもそんな気がするんだよな。
基本的にこのお話は、ダメな連中がとあるきっかけで一つの目標に向かって団結してがんばる、という実にベタな(それだけに手堅い)ストーリーなんだが、制作者はここに、ついうっかり「原罪」的なネタをスパイスとして混ぜ込み、しかもその部分をお話の中で効果的に利用できなかったために、お話全体に妙なもやもや感を残してしまう結果になってしまった、という気がするんだな。見る側はそこで何か、深い方向に考えをいたしてくれるのでは、という目論見があっさり否定されてしまったのがこの作品の興行的な失敗の理由なんじゃないかと思う。
相当痛い目を見てしまった、のちにガイナックスとなる一党は、この失敗から多大な教訓を得、これ以降彼らが送り出す作品にはちょっとわかりやすい傾向が加味されることになる。それはつまり「奇跡は起きます、起こしてみせます!」だったり、「オマエが信じる、自分を信じろ!」(うろおぼえ)的な、絵的なクオリティの高さに加えて提供される、ストーリーやダイアローグにおいて二次利用が可能な、わかりやすいメッセージとフレーズをストーリーの核に置く、という方法論なんじゃなかったのかな、と。
ただなんだね、この(『王立宇宙軍』の)思い入れたっぷりな映画づくりのスタイル、今となっては古くさい方法論と言えるのかも知れないけれど、それ故に何とも言えんキュートさを感じさせられてしまうのも確かなわけで。
ええ、他人様はどうか知りませんけど、あたしゃこの映画、かなり好きです。
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ちょうどモラトリアムな時期に見たせいか、<br>凄まじく心に響いちゃった映画です。>王立宇宙軍<br>モヤモヤの部分も含めて妙にしっくりきちゃって、<br>自分でもよくわからないままラストの人類史的なシーンで<br>涙流してました。「アニメ映画」でくくるなら<br>個人的に今もトップ1です。
何となくわかります(w。<br><br>自分にとっては西のSTTMP、東のオネアミスって感じで、理屈では「いかんだろうそれは」と思いつつ、なぜか嫌いになれない、というかかなり好きな系の映画の東西横綱です。なんでしょう、志のところで何か引っかかるモノがある、というか…