ばむばんか惰隠洞

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2011-09-14 [長年日記]

[Oldbooks] 夜這いから我に返る

97845760514829784576051475昨日の続きで商売物に手を付ける。デイル・ブラウン「ロシア軍侵攻」。前作で一度は国家のコントロールから離れたところで活動することになった旧「ドリームランド」の面々。作戦は成功し、アメリカとその友好国は極秘裏に巨大な危機を回避することに成功したのだが、その代償は大きかった。愛する妻と弟を失ったマクラナハンは、自分とは全く考え方の異なる現大統領の許、再び軍の組織の一員として活動することを命じられる。

同じ頃、アフガンを追われたタリバンの小さな勢力は、いくつかの偶然から勢力を飛躍的に拡大し、一説にはリビア以上の埋蔵量と言われるトルクメニスタンの原油採掘施設の安全を脅かすまでになっていた。

前作で9歳の天才幼女科学者まで出しちゃったのはさすがにマズかった、と思ったのかどうかはわからんけど、本作ではそういった「アニメか」的な描写はかなり減り、かわりになんというかな、非常に泥臭い、ある意味冒険小説の王道的な描写がかなり増えているあたりが面白い。

ただし泥臭いのは主人公達ではなく、あくまでそんな泥臭いチームを、とってもスマートなマクラナハンたち「ドリームランド」の面々がサポートする、って話になっているんだけど。

それでもあまりなチートっぷりはかなり大きく影を潜め、ちゃんと血反吐を吐いて、地べたにうずくまる男たちの方に視線を向けたあたりの方向転換は歓迎したい気はする。

人間ドラマってところではもう一点、主人公マクラナハンと現大統領との関係性もちょっと興味深くて、そこも読みどころになるのかも知れない。

ソレスタル・ビーイング臭ぷんぷん、世界の警察官時代のアメリカ、を未だに引きずっているマクラナハンと、アメリカで始めて二大政党のどちらにも属さず、限定的ながらモンロー主義的な思想を行動規範のベースに置いている大統領、ソーン。常に対立しつつもマクラナハンの判断力や行動力に一定信頼を置くこの人の存在が、かなりなマンネリに陥っていた本シリーズにちょっとした新機軸を持ち込んでくれたのかも知れない。

敵対する勢力として登場しながら、なかなか魅力的な脇役に成長していくタリバンの戦士、ツラビーも魅力的で、前作があまりにだらしなかったせいもあるのか本作はそこそこ楽しめた。相変わらずアメリカ人以外の人命を軽く、というか安く見てて感心しないところもあるんだけど、それでもまあ、久しぶりにそこそこまとまりの良い話にはなってたかな、というところ。

ただしこれ、このシリーズを最初の方から読んでる人限定の感想になってしまうかな、って気はするけれども。


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