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2014-05-11 [長年日記]

[Books] 機龍警察 自爆条項

機龍警察自爆条項 上(月村了衛/著) 機龍警察自爆条項 下(月村了衛/著) 月村了衛 著
カバー写真 ©Chris Jongkind/Getty Images
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031075-2 \700 (税別)
ISBN978-4-15-031076-9 \680 (税別)

ジャック・ヒギンズに読ませたいぜ

ごくありふれた職務質問なはずだった。横浜港大黒埠頭に停泊中のシンガポール船籍のコンテナ船に武器密輸の疑いあり、との連絡を受けた所轄は直ちにマニュアルに則って行動を開始する。だが、質問をしようとした相手は全く創造していなかった行動に出る。やおらジャンパーに隠し持っていたサブマシンガンを乱射し、警官だけでなく周りの作業員、船員たちをも殺害し始めたのだ。しかも事態を終結させるべく突入した機動隊員の目前で、虐殺の主はいきなり自分の顔に向けてサブマシンガンを乱射する…。

極めて不可解な乱射事件の裏に何があるのか。捜査が進むにつれ、この事件の裏には過激なことで知られるアイルランドのテロ組織、IRFの伝説的なリーダーにして<詩人>の通り名を持つ男、キリアン・クインの姿が浮かび上がる。IRF、それは現在警視庁特捜部に突入要員として所属しているライザ・ラードナー警部がかつて所属していた組織だったのだ…。

前作はSFとしてはどうかと思いつつ、自分が警察小説好きなものでそんなに悪い印象は持たなかった、んだけど続編が出た時にはなんとなく食指が動かなかったものが、少し前に久しぶりに読み返してみたら、あらこれ面白いじゃない、と思えて買い求めてきたのでした。で、読んでみたらばやっぱ面白かった。正直自分はこれをSF小説としてとても良い、とは認められない。でも、近未来警察小説としては抜群に面白い、と言える。「近未来」ならSFでええやんけ、と言われそうなんだけど、そこはちょっと微妙で、なんて言ったらいいのかなあ、自分がSFにはこうであってほしい、と思う何かが、本書には欠けているんだ。で、そこでこいつをSFとしては読めないでいる。でも「お話」としては抜群に面白いとも思う。いろいろ矛盾してますがそういう状態。読んでて面白いんだから、それはそれで良いよね(^^;。なのでSFとしてはどーなんだ、は言わない。お話、特に警察小説としての面白さ、の話をします。

前作でもちょっと触れられていたけれど、機甲兵装を扱う人間がなぜ生え抜きの警官ではないのか、というあたりを隠し味に、警察、さらには政府の各部門における隠れたパワーゲーム的な部分の描写がかなり面白い。その上で「機龍」を扱う三人の「異物」、元傭兵の姿、元外国警察に所属していたユーリ、そして本作で主役級の扱いになる、元テロリストのライザの、アウトローが極めて強固な組織とどう向き合っていくか、そしてその行動に組織の側の人間たちはどう向き合うのか、ってあたりが念入りに描かれる。ここがかなり読み応え有り。

ある意味本書はライザが救いを得るまでの物語と言えると思うのだけど、で、ここがかなりいい感じなだけに、そこはSF的には斬り捨てるところだろ、って思えてしまうあたりが「SF的にどうなんだ」と自分的には思えてしまうところでもあるわけなんだけど、お話としての面白さがSFとして備えるべき何か、を超えているのだよなあ。なので点数甘くなっちゃうな。そもそも警察小説大好きなんでね。素晴らしく面白かったです。今回の主人公であるライザのパートは、ジャック・ヒギンズに読ませたいと思っちゃったよ(w。

★★★★

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

「キャプテン・アース」、「ニセコイ」、「魔法科高校の劣等生」、「ジョジョの奇妙な冒険」、「烈車戦隊トッキュウジャー」、「仮面ライダー鎧武」、「ハピネスチャージプリキュア」、「ハイキュー!」。

「ニセコイ」の音楽の使い方というか味というかニュアンスというかが、意外に「ひだまり」してんなーと感じる今日この頃。あとはなんだ、「鎧武」が良い感じにバランスとりながら難しいことねじ込んできてるなあ、って気はした。


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