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山本弘 著
カバーイラスト 開田裕治
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
創元SF文庫
ISBN978-4-488-73702-3 \900 (税別)
クトウリュウとの死闘の後、その活動を停止してしまったヒメ。一種の冬眠状態にあるヒメだが、いつまた活動を再開しないとも限らない。現在、気特対の管轄省庁である気象庁が管理するヒメを、極秘のうちに自衛隊の管轄基地への移送計画が進行中だった。かつて気特対に勤務していた母の忘れ物を届けにつくばを訪れた一騎が目にしたのは、そんな彫像と化した状態のヒメ。その時一騎は誰かの声を聞いたような気がして…
同じころ、我々が棲むビッグバン宇宙とは異なる原理法則で動く神話宇宙に棲む者たちから、ビッグバン宇宙への侵略的な働きかけの陰謀が着々と進行していた…。
前作から7年後、今回は気特対のメンバーの活躍はあんまり描かれず、代わって推進力になるのは一騎くんと幼馴染キャラの亜紀子、そしてヒメを交えたおかしな三角関係が織りなす、ライトノベル的なボーイ・ミーツ・ガールストーリー。ここに永井豪の「黒の獅士」もかくやと思わせる、拮抗する二つの宇宙のせめぎあいみたいなSF的アイデアがスパイスとして効いてくる。前作以上にラノベ的、というか山本弘の個人的な嗜好を前面に押し出した造りになっていて、正直そこはわりに閉口する(^^;。
ただまあそこは、作者はそういう人だから、と思ってスルーできるし、若干ハードSF方面に振った二つの宇宙論方面の描写あたりは、やっぱかなり面白いんだよね。そちら側で押してくれたらもっと高評価できるのに、ちょいちょい挟まる作家自身の嗜好の「好きですが何か?」的な開き直りと、あと、山本弘作品を(主に俺が)語るときに、どうしても避けることができない舌打ち問題が、かなり強めのノイズになってしまうのだよな。本作でもその傾向はわりに顕著で、「ドゴラ」ネタまで突っ込まれると、やっぱりニヤリよりも「ちぃ!」的舌打ちが先に出てしまうんだよなあ…。
全体としてはたいへん面白いお話です。ただ個人的には諸手を挙げてバンザイ! はちょっとやりにくい。何とも悩ましい本ですわ。
★★★☆
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