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マイク・シェパード 著/中原尚哉 訳
カバーイラスト エナミカツミ
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011968-3 \1100 (税別)
人類初の植民星系ニューエデン。この星系で開発される優秀なコンピュータ・システムを他星系でライセンス生産するための交渉係、と言うのが新たにクリスに与えられたミッション。ロングナイフのプリンセスにして宇宙軍の士官であるクリスの使命がコンピュータの買い出し? クリスを送り出したレイ曾祖父たちの目的がそんな単純なはずがない。案の定、現地に到着して歓迎レセプションに出席したクリスは、いきなり暗殺者に命を狙われる羽目に。さらに当地には、ロングナイフ家の仇敵、ピーターウォルド家の娘も乗り込んできていたのだ…。
前作からあまり間を空けずに語られる、クリス・ロングナイフの大冒険。前作で触れられてた未知の異星人やら何やらの件はいったん措いといて、今回は妙に独自の発達をしてきた古い世界でのいざこざに、クリスの一党が楔を打ち込むようなお話。ここにいかにもアメリカン・ミリタリSFの味をばらまいてきたようなテイストといえるかな。トム・クランシー的海兵隊マンセーと、ボライソー的「我ら幸運なる少数」が活躍する話のハイブリッド。
そういうノリとして読んでる分にはかなりおもしろい。海兵隊マンセー部分は正直鼻白むところもなくはないんだけど、「幸運なる少数」(まあこっちでは『愉快なる少数』ってことになるんだろうけど)の方はかなり良く描けていて、クリスと彼女を取り巻く少数のスタッフのキャラの描き分けがいい感じに軽妙洒脱で、そこのところを楽しむ分には文句の無い出来になっていると思う。今回はここに最強メイド(ただし36歳)、アビーの過去(今回の舞台はアビーの生まれ故郷なんですね)なんかも絡んできて、結構深い話なんかも用意されているのね。
そういう意味じゃ気軽にサクサク読める、エンタティンメント作品としてはどこに出しても恥ずかしくない作品に仕上がっているとは思う。思うけど不満も無くは無い。
一番やっかいなのは敵方の魅力が薄い、ってことかな。前作でもそうだったけど、ロングナイフ家の不倶戴天の敵であるピーターウォルド家の面々が、仇役としてはかなり小粒なのが痛い。どう喩えたら良いですかね、ロングナイフ家がザビ家だとしたらピーターウォルド家はエッシェンバッハ家ぐらいのスケール? (^^; ポーズはいっちょ前だけど実力的には超えられない壁がある、ような力関係が読んでて感じられてしまうので、「この敵ならやっつけられるよな」感の方が先に立っちゃうところはあるかも。ある意味どこか安心して読んでいけちゃうのだね。
そこのところの物足りなさは正直、ある。とはいえキャラの描き分けやお話の捌きっぷりの上手さはさすがなわけで、充分に楽しめる一冊であったことは確か。楽しめるシリーズであるのは保証します(オレの保証じゃ頼りないかもしれんけど)。ところでこのシリーズ、ちょいちょいクリスが実は残念な体型(長身なのに貧乳)であることをネタにしてくるんだけど本作ではこんなシーンが。
アビーの用意したブラはサイズがかなり大きめだった。アビーはそこにパッドを入れながら注意した。
「高性能爆薬です。使用には充分お気をつけください」
文字通り爆乳だ。いざというときは爆弾として使える。
こういうのは訳者の中原さんのアドリブだったりするんでしょうかね(^^;
★★★☆
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