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マイクル・コーニイ 著/山岸真 訳
カバー装画 片山若子
カバーデザイン 木庭貴信
河出文庫
ISBN978-4-309-46390-2 \950(税別)
長く続く冬の時代が目前に来ている。そんな予感が世界に漂いはじめた頃、内陸者のぼく、ハーディは
名作「ハローサマー、グッドバイ」と同じ舞台で起きるあらたな物語。まあ前作は読んでおいた方が良いんだろうけど、読んでいなくてもたぶんそれで読んでいくうちに困ってしまう、ような事にはならないんじゃないかな。これだけで単体としてちゃんとまとまった話になっていると思うし、前作への配慮もそれなりになされていると思うから。
本作は地球とはちょっと異なる環境下にある惑星で起きた殺人事件を背景に、一種の異世界ファンタジー、ミステリ風味でお話が進んでいく。そこの所の作りはしっかりしているし、ハーディやチャームをはじめとしたキャラクタの造形もよく出来ている。全体の仕上がりとしてはどちらかと言えばおとなしめのライトノベル風味。その中に一種のエコロジーSF風味だったり、「種」をテーマにしたSF的アイデアなんかも過不足なく取り込まれている。総じて「よく出来ている」という印象かな。
ただ、SF史上屈指の名作の一つとされる前作を、こちらは前提として置いてしまうので、それを踏まえての話という事になるとどうしても少々食い足りなさは残ってしまうかもしれない。上手い喩えになってるのかどうか解りませんが、中坊時代に「宇宙戦艦ヤマト」に熱狂してオッサンになった人間が「2199」を見て「あっるぇー?」と思っちゃう、ってので解ります? ついでに言うとオッサンになった自分が今最初の「ヤマト」を見ても、たぶん「おお、やっぱよう出来てるね」ぐらいの感想しか持てないだろう、ってことも付記しておきますが(^^;。
本作にたぶん罪は無い。これはこれでとてもよく出来ている。んでも何かがこいつを、読んでいる間中「こうだったっけ?」的な妙なノイズが邪魔をしてくるような作品。「ハローサマー…」を読んでいなくて、今ハイティーンの読者の方が本作を読んだらどんな感想を持たれるのか、ちょっと聞いてみたい気はするな。
★★★☆
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