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5月に軽石庵のシステム、ZenCartのバージョンを1.5.1に上げたんだけど、まあいろいろ気になるところはあって、気がついたときにちょこちょこと直してはいたんだが、一つ結構気に入らん部分があって、それは検索。まずショップの方では検索機能は一応問題なく機能はしているんだけど、検索結果が表示されると、検索した商品のカテゴリが上手く表示されなかったのね。たとえば「SFマガジン」だと、「SFマガジン」で検索かけると、検索結果は「ホーム > SFの本 > 雑誌 > SFマガジン」という形でカテゴリ表記がされるべきなんだけど、そこが「検索結果 > SFマガジン」で終わってしまっているのね。
それでもまあショップページは仮にも検索結果は表示されてるんだから良いんだけど、管理画面の方だと全く検索が効かない状態で、こりゃ一体どういうことなんだろうと。
システムのバージョンを上げたあとに追加した商品についてはちゃんと検索が効いているので、おそらくバージョンアップの作業のプロセス中に何か不備があったって事なんだろう。おそらく移植すべきテーブルに抜けがあったんだろうね。
なんか後からつじつまを無理矢理合わせる方法はないかな、と思って(薄く)調べてみたけど良く解らなかった。ただ、EasyPopulateで既存のデータをアップデートすれば、それ以降は検索が効くようになる、と言うことはわかったので、ならば力技(^^;。最新のデータをダウンロードして、更新日時でソートして、今年の5月以前のデータをアップロードしなおす、と言う簡単なお仕事(w。
一気にやると事故起きそうな気がして怖いし、ついでに文言の修正とか場合によっては価格の見直しなどもやってみようと言うことで、100件ぐらいずつ切り出しては、必要最小限のデータだけ切り出して、再アップするという作業に着手。
とりあえず1000件ぐらいは修正できたかな。今後も暇見てちょこちょこアップデートしていきます。
ちょい順不同。「血界戦線」、「アイドルマスター シンデレラガールズ」、「進撃! 巨人中学校」、「ハイキュー!!」、「ヘヴィーオブジェクト」、「手裏剣戦隊ニンニンジャー」、「仮面ライダーゴースト」、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」。
ずいぶん待たされた「血界戦線」の最終回はCM挿まずの拡大枠。なにせどういう話だったかをかなり忘れてしまっていたものだから、最初は少々とっかかり辛い物も感じたんだけど、最終的には何だかとても良いものを見た、ような気にさせてもらった。なんやかんや言うてもさすがは釘宮理恵、でございましたね。
新番組がいくつか。「進撃!…」はまあこれはこれで面白い。元ネタ(特にキャラ)を少しばかり知ってないと楽しめない、ってところはあると思うけど。「ハイキュー!!」は安心のブランド。「ガンダム」が来ちゃったから深夜枠に移されちゃったのかね。だったらちょっと可哀相。
原作鎌池和馬で製作JC STAFFという「とある」チームの新作の「ヘヴィーオブジェクト」、「とある」と比べるとよりハードSF風味が増してはいるが、上条さん的徒手空拳キャラがやたら強力な能力を持った相手に闘いを挑む、ってところは共通しているのかな。初回は世界の説明がかなり多めで、ややくどい感も無しとはしないけど、ここは続きをお楽しみに、ってことでしょうかね。
新しい「ガンダム」、「オルフェンズ」ってのは孤児を意味するオーファンからなのかね。久しぶりに出だしから「上がる」ガンダムを見せてもらったような気はする。続きが楽しみ。
新ライダー「ゴースト」も割に好印象。アメコミ的なデザインのノーマル・タイプのライダーは意外に違和感なかったけど、武蔵の能力をもらったときのデザイン、どう見ても脳天に日本刀突き立っているようにしか見えないのはどうなんだろうな、と思った(^^;。
切れちゃう事案頻発中。トラフィックの問題なのかな、と思ってたんだけどそう言うものでもなく、どうも複数のブラウザを立ち上げてそこでいろんなパターンの動画(主にFLV)を再生したりすると、キャッシュのつじつまが合わなくなって、どんどん状況が悪くなる、ってことはあるらしくって。
調べてみたらまさにそう言うことはあちこちで起きているようで、解決法としてはOperaのキャッシュを消去した上で、FlashPlayerのキャッシュも削除するのがよい、ってことのようで。
OperaのキャッシュはOpera(NEXTの方です)→設定→プライバシーとセキュリティ→閲覧データを消去、FlashPlayerの方はコントロールパネル→すべてのコントロールパネル項目(またはシステムとセキュリティ)→FlashPlayer(32bit)→高度な設定、で削除できる模様。
やってみたら良い感じにぷつぷつ言わなくなったので一安心。どうしようもなくなったらこの手だな(w。
薬は切れたわ、プリンタのインクは切れかかっとるわ、なんか知らんがマンションの自治会の会計で(前にも書いたがオレが会計って大丈夫なのかね)銀行でちょいとした手続きが必要だわってことで朝からお出かけ。ちょっと雲の多い日だったけど、お陽様が出てるときれいな青い空。公園のベンチでぽけーっと口開けて上向いてるオッサンになってました。
ハーバーのソフマップがインク品切れなもんだから、結局今日は三宮まで出かける羽目に。久しぶりによお歩いたわ。
せっかくだからもう一枚。お花の写真は難しいっすね。自分ではかなり寄ったつもりだったんだけど、後から見てみるともっと寄れや、って写真になってるんだよなあ。あと、今回はRAWで撮って微妙に現像してみました。ま、自己満レベルですね(^^;
阪急梅田駅では日常的な光景ですが、個人事業主にいきなり特急作業が振ってくると大変なことになる(w。先週後半にUM氏からちょっとまとまったコーディング仕事が降ってきて、そいつに対応している最中に、同じUM氏から「明日の夕方までに上げて欲しいんだが」というコーディング仕事が3つ連続で降ってきてコイツはえらいこっちゃ、と。基本スタティックなHTML書きなので技的に不安はなかったんだけど、どいつもこいつもページの縦サイズが2000ピクセルに至ろうかという長大なコンテンツで、とにかくボリュームがハンパねえ。
どうにかこうにか本日、特急3本分は納品完了したんですが、まだ急行2本が残っていると言うね(^^;。
ジョン・ヴァーリイ 著/浅倉久志・他 訳
カバーイラスト シライシユウコ
カバーデザイン 早川書房デザイン室
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012019-1 \1300 (税別)
ジョン・ヴァーリイの珠玉の短篇6編を新訳、改訳も含めて収録。
既読作も結構あるはずなんだが、意外に忘れているものだな、と言うことで結構新鮮に読めた。ということでさっそくお話ごとに。
水星暮らしの僕の元に、月育ちの双子の姉妹がやってくる。それぞれに環境に適応した形を備えた二人が経験するカルチャー・ギャップと未来社会と現在ただいまの我々が普通のことと思っている社会的通念的なものに軽く楔を打ち込んでみせる。未来を空想してそこにフリークスを見出している我々だけど、未来のフリークスから見れば現代の我々こそがいびつなのかも知れないよ、みたいなね。
"ディズニーランド"に引きこもるニート君。だがこの世界の外からの彼に対する視線は全くの別物で…。ここで言うディズニーランドは夢と魔法の王国と言うよりは科学と技術の楽園に付けられた喩えみたいなもの。ドリームランドみたいなもんか(違うよ)。ちょっとビターなジュヴナイルとして読んでも味わい深い、かもね。
麻宮騎亜さんがカバーイラストを描いてた版(創元だったかな)で読んだ覚えがあるんだが、割とがっつり忘れてた。アンナ=ルイーゼ・バッハ警部補が主役のシリーズものの一作。「とある」シリーズに影響を与えたかどうかは知らない(w。その伝をひっぱるならば、「妹」たちにも個性が生まれたように、畸形として産み出された者たちの中にさらなる畸形が産まれたら、みたいなお話がミステリ仕立てで語られる。
我々が知っているのとは少しばかり異なった歴史をたどった世界で、望まないのに畸形として産まれざるを得なかった子供たちが作り上げる、少し歪んだユートピアの物語。初出が1978年、そろそろジャパン・アズ・ナンバーワンなんて言葉が出てこようかという頃か。そんな歴史背景にチャイナ・シンドロームの記憶がまだ拭いきれない時代、に描かれた世界観がちょっと興味深い。
畸形つながりで言うなら、こちらは畸形とならざるを得なくなったものをアシストするテクノロジの登場が、人々にどういう影響を与えるのか、と言うようなお話と言えるか。なんというか、意識高い系女子とダメ男の破局が避けられないことは当事者以外の全員がわかってしまっているラブ・ストーリィ。「バービー…」の主役、アンナが脇役で登場している。
本書で唯一、あきらかな畸形は登場しないお話。人間が変わる、というよりは世界に得体の知れない技術的な何かのレイヤーがオーバーラップすることで、予想していなかった状況が産み出されるかも、という一種のテクノ・スリラー。ヒロインの顛末がちょっとしゃれにならん(^^;。
という感じかな。読み終わってみると意外にキイ・ワードは「畸形」なのかなという気はした。「フリークス」とはちょっと違うんだよな。フリークスは(自分のイメージですが)異なることを「変わってますが何か?」で済ますのに対して、「畸形」と言う言葉を使うと、そこにはなにがしかの差別されている、という印象とそれから来る劣等感と、そしてそれを克服しようとする意識みたいなものが少し強めに入ってくるような気はしてる。そこがヴァーリイ作品の魅力、なのかどうかは良く解らん。でも懐かしさも込みで、楽しく読める一冊でございました。
★★★★
とにかく追加した本をどこかに収納しなくてはいけないので、場所を空けたり、収納ボックスを用意したり、本を詰め込んだりの作業を終日実施…してたのが昨日。おかげで今日は朝から腕が痛い。今回は倉庫番的作業は少なかったんだけど、とにかく積んだ本を箱やら書棚に詰める、と言う作業を一日やってみると、腰は余裕だけど腕に何とも言えんダルさが残るもんなんだな。
とりあえず未収納の本、半分ぐらいは収まるところに収まったか。残りをどこに押し込むか、さてそちらはどうしたもんだかね。
気がついたら今期はあんまりアニメ見てないな。一回目は見れるものは一通り見たつもりなんだけど、何となく続きを見たいと思わないものばかりが並んでいるという…。
とりあえず一回目は見たけど何となく続かないもの、「ルパン三世」、「おそ松さん」、「ワンパンマン」、「コメット・ルシファー」。
「ルパン三世」はとてもしっかりと作られてると思う。一回目に関しては「カリ城」リスペクトがちょっと鼻についたけど。ただ自分が今、「ルパン」は欲してないんだな、と思った。「おそ松さん」も同様。頑張ってください、とは思うけど自分は積極的に見続けたいとは思えないコンテンツ。
「ワンパンマン」のパワフルさも嫌いじゃないけど、こっちも自分的に見続けて、何か面白いことがありそうな気がしないので敬遠気味。
二話まで見たもの「ヘヴィーオブジェクト」。なんで二回まで見たのか良く解らん(w。ミニマムサイズのデス・スターみたいなオブジェクトがちょっとおもしろいと思ったのかな。
継続中のヤツ。「アイドルマスター」は最終回。いい話なんだろうと思う。頭では。でもグランド・フィナーレ感は無かったな。止め絵の回想はAパートにまとめてやっちゃって、Bパートは問答無用で動きまくるシンデレラたち、が見たかった気はする。
「ニンニンジャー」、「ジライヤ」が27年前の作品だったってことに軽くショック。ええ、リアルタイムで見てましたが何か?(^^; 「仮面ライダーゴースト」は今のところなかなか楽しい。この先ガンジーのゴーストとか、ゲットするんでしょうかね(^^;。
「ガンダム」は今のところとても面白い。かなりイッちゃってるキャラのミカにこの先どのような揺さぶりが来るのか、ってところがかなり楽しみですな。
先週末に降ってきた仕事に通常業務でのケツ叩き(なんぼ叩かれても無理なものは無理っす)が加わり、さらにこのタイミングで結構な数の古本の注文が舞い込んでくると言う…。ちょっと対応してみようかと思ったんだけども、こりゃ片手間では無理だな、と思ったので、通常業務はとりあえずパス、特急…じゃなかった、急行の作業は集中すれば意外に短時間で出来そうだし、んじゃ決戦は明日だ、で酒飲んで寝たのが昨日。
んで今日はちょっと早起きしてまずは急行作業。眠い目こすりつつ仕事してみたら二時間ぐらいで何とかなった。のでさくっと納品。
そこから古本掘り起こしと梱包作業。予想はしてたけどここがやっぱり時間かかったよ。なにせ結構な数だったのと、データ吹っ飛ばしちゃった部分のご注文が結構あったので探索にえらく手間取ってしまい、最終的に梱包して発送準備完了したのが17時に20分前と言うね(^^;。
割にドタバタな週初めでした。明日からは通常運行、かな。
ロイス・マクマスター・ビジョルド 著/小木曽絢子 訳
カバーイラスト 浅田隆
カバーデザイン 矢島高光
創元SF文庫
ISBN978-4-488-69819-5 \1160(税別)
ISBN978-4-488-69820-1 \1160(税別)
ある日イワンの許を訪れたのは、あまり歓迎したくない友人だった。機密保安庁に属し、あまりお行儀が良いとは言えない仕事もやっているバイアリー・ヴォルラトイエル、通称バイ。この日バイが持ちかけてきた話もやはり少々うさんくさい。最近バラヤーにやってきた一人の娘と仲良くなって欲しいという。なんでも彼女が誘拐される危険性がある、と言うのだがその理由や、そもそも彼女の正体についてははぐらかされるばかり。それでもまあ若くてきれいな女性でもあることだし、バイの頼みを引き受けたイワンだったのだが…
「ヴォル」シリーズ最新作は、いつもの主人公マイルズの従兄弟にして、マイルズの活躍の割をくってしばしば厄介ごとに巻き込まれる、イワン・ヴォルパトリル君が主人公のサイドストーリイ。本筋だとイワン君はあくまで脇役なので、まあマイルズの破天荒な活躍のあおりを食らってちょっとひどい目にあったりすることの多い、どちらかというとコメディ・リリーフ担当な役どころだったんだけど、こちらでは主役なので、そういうひどい目にあったりする方面はやや控えめ。それでもまあ、イワン君の性格だったり、社会におけるポジショニングなどはシリーズを読んでる人なら先刻承知なので、お話は大変軽快に進んでいく。それ故読みやすく、それなりの楽しさはあるのだけど、マイルズの方が背負ってるものに重たい部分もある分で、読み応えという点でもやはり「軽い」感じは否めないかも知れない。
このお話の面白さは、どちらかと言えば商売人的気質が強いジャクソン統一惑星方面から(そちらでは一度負け犬になって)やってきた人々が、古武士的生き様が基本にあるバラヤーの人々の中に入り込んで、そこで何とかして再起を図ろうとする動きに、主人公でバラヤー人のイワンが巻き込まれて起きる大騒動、と言うところにあるんだけど、そこのところになんというか、テレビの連続ドラマ的なテンションしか感じられないんで、正直中盤を過ぎるあたりまで、どちらかと言えば退屈な展開が続くんだった。
ただまあ、そこからラストに向かってはちゃんと盛り上がりはあり、クライマックスのスラプスティックぶりもかなり笑えるものになってはいるんだけど、それでも先に書いたとおり、マイルズとの持ってる(持たされちゃってる)ものの重さの差が、読み応えの部分に出てしまっているかなあとは思った。全体的に軽いよね、ってことで。ってまあ最近のマイルズ君も結構軽い方向でドタバタやってるんで、このシリーズはこういう方向に向かってるよ、ってことなのかも知れんけど。
いつもはイワン君がやっていた割を食う担当、今回はイワン君は主役なのでそちらを担当するのはバイ君。結果的に一番美味しかったのは彼かもね(^^;。
★★★
死ぬほど忙しい、とかではなかったんだけど妙に良い(悪い?)タイミングで仕事の追加だったり修正だったりが舞い込んだり、古本のご注文をいただいたりで、気がついたら日記書くよりそろそろ酒だよなあと言う時間帯になっちゃって、こっちはかなり疎かになっちゃってた。結構間が空いてしまいましたが、ちゃんと生きてます(w。面倒くさいからいろいろまとめて。
一緒にするのはあまりに失礼だと思うので項を別けて、訃報、生頼範義さん死去 「ゴジラ」ポスターなどイラスト制作。巨星墜つ。個人的、と言うか古本屋的にはみやざきアートセンター様の生頼画伯の企画展に微力ながらお手伝いできたことがこうなると捨てがたい思い出として頂けたかな、と。めくるめくイメージの数々をありがとうございました。どうか安らかに。
とりあえず急ぎでやる仕事はなくなった予感がしたので、いくつか銀行で支払いの用事もあることだし、ふらっとお出かけ。三宮近辺は出かけるたびにタバコ吸える場所が減っておるね。元町以西だと、結構コンビニの前には灰皿が設置されているんでありがたく一服させて頂く(もちろんタバコの一つぐらいは買い物させていただいてますよ)んだけど、三宮のコンビニは玄関先に灰皿設置してくれないんだね。映画観に行ったんだけど、映画始まるまで20分ぐらいあって、そこで一服できたら嬉しかったのにそういう場所は無いもんだから、結局3時間ぐらい、望まぬ禁煙を強いられてしまうと言う(^^;…
シネ・リーブル神戸で「ヒトラー暗殺、13分の誤算」を観てきたんですが感想は改めて。なかなか良い映画でしたけど感想書くのにちょっと時間かかりそうなので。代わりと言っちゃなんですが夕方のお空の写真なぞ、一枚。
スタッフ
監督:オリヴァー・ヒルシュピーゲル
製作:ボリス・アウサラー/オリバー・シュンドラー/フレート・ブライナースドーファー
脚本:フレート&レオニー=クレア・ブライナースドーファー
音楽:デヴィッド・ホームズ
出演
クリスティアン・フリーデル
カタリーナ・シュトラー
ブルクハルト・クラウスナー/ヨハン・フォン・ビューロー/ダービット・ツィンマーシート
公式サイト:http://13minutes.gaga.ne.jp
1939年11月、ミュンヘン一揆ゆかりのビヤホール、例年通りここを訪れたヒトラーは満員の聴衆に向けて演説を開始する。だが天候の悪化が、次の予定をこなさなければならないヒトラーに、予定の演説を少し切り上げて終了させることになった。これが歴史の大きな転換点かも知れなかった。ヒトラーが立ち去って13分後、ホールに仕掛けられた時限爆弾が爆発、ヒトラーを除く7人が死亡することになったのだ。時をほぼ同じくして、スイス国境で一人の不審者が捕らえられる。所持品の中にビヤホールの見取り図などがあったことからゲシュタポは彼、家具職人のゲオルク・エルザーをヒトラー暗殺未遂事件の実行犯と断定、取り調べを開始するのだが…
「ヒトラー〜最後の12日間〜」のオリヴァー・ヒルシュピーゲル監督最新作。1939年、ポーランドで破竹の快進撃を続けているドイツ。国全体が沸き返っている中で、何の後ろ盾もなくただ一人でヒトラーの暗殺を企画した男。彼はなぜ、国中の熱狂に乗らず、純粋に国家の行く末を憂慮し、指導者の暗殺という極端な行為に走ったのかを解き明かしていくと言う映画で、問題なのはヒトラー暗殺が成功するか否かのサスペンス部分ではなく、一人の人間の中で一つの決心が芽生え、それが強固になっていく様を描くのが目的。なのでハリウッド的エンタティンメント(観てないけど、『ワルキューレ』とか)とは全然違う。
なのでこの映画は、まずヒトラー暗殺を狙った爆弾は爆発し、実行犯のゲオルクは捕らえられて、というところからお話が始まるんだった。で、捕らえられたゲオルクに対するゲシュタポの将校によるが開始され、その尋問の流れの局面局面で、それに呼応するようにゲオルクの回想が挟まる、と言う構成になっている。「名前と生年月日は?」と聞かれ(黙秘を続けることで拷問を受け、息も絶え絶えに名を名乗)ると、ゲオルクの青年期の回想が始まる、「なぜ親共産党組織のバッジをつけているのか?」と聞かれることで、国会で多数党となることに成功したナチスと、そちらに対してまだ抵抗勢力として無視できない組織だったドイツ共産党の対立関係があった時期のゲオルクの立ち位置が説明されたり、と言う具合で、そこはかなり上手に出来ていると思った。
徐々に、しかし確実に支配の圧力を高めていくナチス。ただその支配の圧は最初、ひどく心地よく、希望に満ちたものに思え、故に多くの民衆は(世界恐慌後の世情もあって)そこに手もなくすがりついてしまう。だけどゲオルクはそこで直感的に「自由がなくなる」と感じ、安易にそちらに付くことをしないのだが、そうすると自由を求めてナチスの支配から距離を置こうとする自らの立ち位置が、逆にナチスの支配力が増した世界においては自由を奪われ、生き難くなっていく、と言う皮肉、さらにそこにとどめを刺すかのように、恋人のエルザが(深い考えはもちろん無いのだが)言ってしまう一言、それを耳にしたときのゲオルクのショック半分、諦観半分の表情は地味だけどこの映画最大の見所なんじゃないかな。このときにゲオルクは真剣にヒトラーを倒すことを決意したんだろうな、と思えた。
というゲオルク側の人々(回想が挟まるたびにその社会的な地位みたいなものが変わっていくのを見るのも面白い)と対をなすように描かれる、尋問役のゲシュタポ側の二人、ネーベとミュラー(共に実在の人物)の描写も大変興味深い。共にナチズムの信望者ではあるんだが、どちらかというと理が先に立つタイプのネーベと利が先に立つタイプのミュラー。ゲオルクに対する出発点は同じようなポジションだった二人なのだが、ゲオルクへの尋問を通じて二人の意識にも微妙な差異が生まれて行くあたりはこの映画のもう一方の見所と言えるかも。こちらの方にも終盤、皮肉としか言えない結末が用意されているあたりも抜かりがないし、この作品に深みを与えていると思う。
爽快とか痛快とか言う言葉からは一番遠いところにある映画。地味すぎる、とも言えるかも知れない。だけど何かの折に触れ、考えなくてはいけないことに対して非常に真面目に目を向け、その視線をそらすことなく固定し続けた作品だと思う。現在ただいまの我々の状況になぞらえる、のはちょっと違う気がするのでそれはしません(^^;。あと、先に書いたけどこの映画、原題は「エルザー」。このまま邦題にするのはちょっと厳しいかも知れないけど、でもこの邦題はちょっと違うよな(苦笑)。
★★★★
は正確には昨日なんですが、昨日は倅のシフトの都合で行けなかったので、一日遅れで一家揃ってお参りに。特に報告するようなこともなかったので、淡々と線香上げて、手を合わせて、小ぶりのお酒など供えて、「んじゃまた来るわ」でおしまい。ま、そんなもんだろうな。
風はそろそろ冷たくなってきたけど天気も良かったのでオレは歩きで三宮まで戻ることに。郵便局で一件出したいものもあったので。
途中で本買って、新開地まで歩くとさすがにバテるわね。ぷはーしたのは言うまでもない(w。
トマス・スウェターリッチ 著/日暮雅道 訳
カバーデザイン 坂野公一
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4150120245 (税別)
保険会社のエージェントとしてそれなりに高い評価を得ているドミニク。彼の仕事は<アドウェア>と呼ばれるヴァーチャル・リアリティ技術を使って調査対象の情報を掘り下げていくこと。<アドウェア>は世界のほとんどあらゆるところに設置された様々な監視カメラなどの映像を、そのアーカイヴまでまとめて管理、閲覧する機能。熟練者がそれを効果的に使えば、過去に起きたことが現在ただいまの事象のように再現できるのだ。10年前、ピッツバーグを襲った壊滅的テロで最愛の妻を失ったドミニクにとって、<アドウェア>を使うことは日々の糧を得ることであると同時に、亡き妻との思い出に浸ることの出来るかけがえの無いものとなっていた。だがその日<アドウェア>でドミニクが目にしたものは、少々不可解なものだった…。
なんというかな、リニアにヒストリを追えるグーグルマップが顕在化している世界で起きたミステリ、というカテゴライズで良いでしょうか? で、このリニアにヒストリを追えるグーグルマップ、というアイデア自体はかなり面白そう、と思える。監視カメラ画像だったりなんだったり、という割に余計なお世話的なデバイスが飽和するまで増えてしまった世界、それらのデバイスのヒストリを閲覧できる世界、という設定はかなり面白いと思うんだ。自分らがすでにそこそこよく知っている技術にもうひと味スパイスが加わることで、世界観が大きく拡がる可能性がある、と言うことですね。
なんだけど本作は、そこら辺の匙加減があまりにもへたくそなんじゃないかと言う気がしてしまう。グーグルマップで映っちゃいけないモノが映っちゃってた時の気まずい感、ってところから先に進んでくれない感じがするのだな。それならSF的なアイデアの部分は軽めに済ませて、ストーリー立ての方で念を入れてくれているのかと思えばそっちもかなり手薄。正直読んでて登場人物が全く判別も、認識も、感情移入も出来ないままストーリィが展開していくので、最初から最後までつまらないお話なんだよ、これ(^^;。
<アドウェア>が作った未来社会の(あくまで何となくの)イメージは悪くないと思うんだけど、それ以外は何も評価できるところのない本。なんでも映画化が決定しているらしいですが、逆の意味で映画は面白くなるかも知れないね。ヒストリ付きの監視社会映像、のビジュアルは映画的には意外とキャッチーかも知れないし。ただ、本書からはビビッドなイメージは徹頭徹尾頂くことは出来ませんでした。読むのが苦痛だったよ、正直言うて。
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□ taoy@笹塚 [ヴァーリィやっぱり良いですよねぇ。私なんかが常識だと思ってることを根本から「本当にそうなのかい?」って問い直される感..]
□ ROVER [自分はなぜか「ブルー・シャンペン」がお気に入り。なんでしょうね、このダメ男くんの可哀相なんだけどどこか半笑いになっち..]