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喘息のお薬をもらうのと、そろそろ一度診察を受けなくちゃって事で早めに病院に行ったんだけど、なんかものすごい混雑ぶり。耳に入ってくる待ってる人たちの会話から、どうもインフルエンザの予防注射を打ってもらいに来た人でごった返しているみたい。確か今は看護師さんは注射とかの処置はしちゃいけなくなって、お医者さんがやらなきゃいけなくなったんでしたっけ? そのせいなのか処置に時間が猛烈にかかっている模様。結局文庫本一冊、読み切っちゃうまで名前を呼ばれなかったよ(^^;。
自分はもうちょっとで二時間、ってくらいの待ち時間だったのだけど、人によってはもっと待たされた人もいらっしゃったんだろうな。こういうとき、隣り合っただけで自然に会話モードに入れる、じいちゃんばあちゃん達のスキルってなかなか有効なものだよな、と思った。
それにしても、新幹線だって3時間遅れたらお金返してくれるんだから、病院もあんまり待たせたときは多少なりと割引とかしてくれても良いのにね(w。
宮内悠介 著
カバーイラスト 與座巧
カバーデザイン 有馬トモユキ
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031200-8 (税別) \740 (税別)
ヨハネスブルグ。かつてはこの地の繁栄の象徴だったはずの高層ビル、マディバ・タワー。この地に吹き荒れた内戦の嵐はタワーを荒廃したスラムと化し、かつて拠点を置いていたが今は撤退してしまった日本企業が始末を忘れてしまった、エンタティンメント用アンドロイドの耐久試験が際限なく繰り返される場所。ここでは日々、定時になると2700体の美少女型アンドロイドが屋上から降り注ぐ。ここに暮らすスティーブとシェリルはあるとき、毎日降ってはまた屋上に戻っていくアンドロイド達の中に、何かの信号を発している個体がいるのでは、と思い至りコミュニケーションをとろうと画策するのだが…。
という表題作から始まる、美少女型アンドロイドDX9を仲立ちにして語られる五つの連作短篇集。それぞれのお話は登場するキャラクタや舞台設定が微妙にクロスするので、短篇集であると同時に通しで読むことも出来るお話になっている。で、通して読むと見えてくるのは「都市」と「人間」の関わりのようなもの、と言えるだろうか。「都市」はもしかしたらもう少しミクロに、「建造物」と言うところまで条件を限定してもいいのかも知れない。そして「建造物」と関わる人々が、それぞれの局面で対峙することになるのが、取り立てて超高性能なものとは言えないアンドロイドDX9。人と街を覆っているのはテロだったり内戦だったりと、必ずしも平和な世界ではないことを考慮したならば、DX9はもしかしたらこの物語世界において、現実の我々にとってのAK47みたいなもの暗喩なのかも知れん。そこに呆れるくらい転がっていて、必ずしも制作者が意図したとおりには働かない異物のようなものとして。
この「建造物」と「人」の関係性みたいなものが一番ビビッドに描かれているのが第二話、「ロワーサイドの幽霊たち」と言えるだろう。読んで行くにつれ、虚実がどんどん入り組んでいく様がすばらしい。続く二作はSF要素もあるんだけれどそれ以上になんというかな、船戸与一的冒険小説的テイストも感じられた。で、本書のために書き下ろされた最終話では、先にあった船戸的主人公が帰ろうとしている場所に何が待っているのか、というところに斬り込んでみせる。300ページに満たない作品とは思えない読み応えでございました。「第9地区」で始まり、「あなたはだあれ?」(ウルトラセブン)で〆る、みたいなね。(『月世界小説』も良かったけど)こっちもすばらしく面白かったです。
★★★★
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