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今週は実質最終回だった「ゴースト」、んまあいろいろ回収されてない部分はあったと思うけど、「命」は救って欲しいけれど「物質」についてはそこは人が何とかするよ、という「覚悟」はなかなかステキだと思った。ライダーのデザインが最後まで好きになれなかった、って減点ポイントは最後まで拭えなかったんだけど、次のライダーはもしかしたら、「ゴースト」以上にダサくて最後まで好きになれなかった「フォーゼ」を超えるんじゃないかって押し出しで、どうしたもんだか。
マーク・ホダー 著/金子司 訳
創元海外SF叢書 上下合冊版(Kindle Unlimited)
なぜかサー・リチャード・フランシス・バートンは「あの場所」にいた。かつて「バネ足ジャック」と呼ばれた男が突如現れ、幼いヴィクトリア女王を射殺したその時、その場所。そしてバートンの手には本来50年以上先にこの世に現れるはずの物が握りしめられていた。リー・エンフィールド・ライフル銃。その銃が狙うものとは…
というちょっと「お?」と思うような出だしから始まる「大英帝国蒸気奇譚」第3弾。第1弾からちょこちょことは挟まれていた時空がらみ、というか、えーい言ってしまえ、時間SF系の要素が今回はかなり濃厚で、しかもそれが割と唐突に放り込まれてくる。ただそこは結構語り口がうまいので、「ああ、そうなったんだ」的に一旦疑問を棚上げして読み進めていくことができる。そう、このシリーズ、お話の語り口が巻を追うごとに上手くなっていて、第三作の本書は一種その到達点に達しているとも言えるんじゃないだろうか。何よりお話としてすばらしくいい感じにまとまっている。
本書のキイになるのは二人のハーバート。本来のバートンが存在する時間線にいる哲学者、ハーバート・スペンサーと、バートンが跳ばされることになった20世紀初頭の時間線にいるハーバート・ジョージ・ウェルズ。現在のハーバートにはいまだ知られざる秘密が潜み、未来のハーバートにはバートンが飛び越えた歴史の解説者のポジションが与えられている。あと、未来において再会する、とある人物とのブリッジとしての役割も。
最初のキイ・パースン、バネ足ジャックことエドワード・オックスフォードが引き起こした事件。それはバートンたちが生きる19世紀の英国に大きな影響を与え、その状況の修復のためにスチーム・パンク感満載の世界でバートンとスウィンヴァーンが(特に近年の映画版のイメージの)ホームズとワトソン的に活躍する、というお話が第1巻、続く2巻では一転、スピリチュアル方面にシフトしつつ、かなりエグめなスプラッタ・ホラー風味が炸裂、で、一応の最終刊となる本作では、戦争アクションと秘境冒険譚風味満載のアドベンチャー。ここまで語られてきた、未来人たるオックスフォード、19世紀のバートンたち、そして人類を凌ぐ歴史を持っているのかもしれぬ蛇人族。彼らを接ぐ存在となる黒いダイヤモンドの謎とは、改変された歴史は果たして本来あるべきルートに戻ってくることが出来るのか、そしてそのためにバートンたちに与えられた使命とはなんなのか…
とまあかなり盛りだくさんな内容なんだけど、語り口が上手いのか省くところを割と上手、かつ容赦なく省いている(^^;というところからなのか、読みづらいと思うところはほとんどなく、お話の「先を知りたい」と思わせる仕掛けも上手い具合に配置されているのだろう、ストレスなく読み進んでいくことができ、一気にクライマックスまでなだれ込み、そしてラストは……、という流れ。
最終的なお話の落としどころがどういう物なのか、グッドなのかバッドなのか、とかについてはネタバレになってしまうのであんまり詳しく言わないけど、最終的にバートンたちの戦いが導いたものが現在の(読者である我々が生きている)世界に続く時間線なのかもな、という気がした。良し悪しで判断するなら、うーんそれはどうなんだろうね(^^;。
書店での(叢書サイズという)押し出しでちょっと敬遠していたんだけど、実際に読んでみたら思いのほか読みやすく、しかもお話自体が大変面白い、超ハイ・コストパフォーマンスなシリーズでした。とはいえ残念ながら現状このシリーズ、Kindle Unlimitedのラインナップからは外れてしまっているようですね。出版サイドでもこれをKindle Unlimited枠で配信するのは間違ってるだろう、という判断があったのかもしれないね。その判断自体は正しいと思うけど、でも読みやすいスタイルで読めるのなら、お買い得感は最高レベルのシリーズだとも思えるので、これをリスト落ちさせるのが良かったのか、悪手だったのか…はちょっと判断しづらいですね。
★★★★
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