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小川一水 著
カバー装幀 二階堂龍吏
カバー装画 鈴木康士
朝日文庫
ISBN978-4-02-264789-4 \880(税別)
恒星間航法を手に入れた人類は、宇宙を航行する間にいくつかの異星人と遭遇することになった。そしてそれら種族の中には、必ずしも人類に対して友好的に接してくれない者たちもあった。拙速なコンタクトが人類文明、さらには人類がこれまでに遭遇した異星文明全体にも災厄を与えかねない、という事実が人類にダーウィン機関を設立させることになる。強力な戦闘部隊と高度な訓練を積んだコンタクトの専門家たちを乗せた宇宙艦隊で他の星を調査する機関。新米カメラマン、イシヅカタビトの姿もその艦隊の一員だった…。
という出だしで、実は一件すでに状況は発生し、終了している。そう、これは何というシリーズなのかはわからないけど「臨機巧緻のディープ・ブルー」という作品があって、そこで本作にも登場するキャラクタの何人かはすでに登場していて、ついでにダーウィン機関というものの詳しい説明とかもなされている模様。読み始めてあれっと思って調べてみてそういう事がわかって、しまったー! と。
ただまあ、「ままよ」と思って読んで行ってみると、前作を読んでなかったらどうしようもなく訳がわからん、なんて事はなく、何となく割と天然なカメラマンが未知の異星人の世界に飛び込んで、素人故の型破りなコンタクトをやらかして、それが結果的に思いもよらない成果を上げはするんだが、一応軍紀違反的行動であったのでタビト君、前巻ラストで営倉送りになっちゃいましたとさ、ぐらいに思っておけば何とかなると思う。
で、そんなタビト君たちが先の調査を終えて機関の本部に戻ってきたところ、正体不明の異星人による襲撃が発生、極めて優秀な装備と極めて劣悪な戦術で動く彼らを人類側はとりあえず撃退するのだが、その過程でタビト君はフィーリアンと呼ばれることになる異星人に拉致され、フィーリアンたちの拠点に連行されて…というのがお話の流れ。
ここからお話はタビト君なりのどたばたコンタクトと、コンタクト相手のフィーリアンの持つSF的な仕掛け、宇宙における人類やその他の種族、さらにはもしかしたら存在しているかもしれないすべての宇宙航行種族を産み出したと言われる「
その上で登場人物のキャラの立て方なんかも上手で、タビトの相棒、AIのポーシャの皮肉屋感、タビトと接触するフィーリアンのンールーのやんちゃでちょっと抜け作なクァール(メス)感とか、おそらくレギュラーメンバーであろうダーウィン機関の人びとのキャラクタなども良い感じ。総じて読みやすく、しかもちゃんとSFしている作品になってはいると思った。
最終的なオチの付き方に若干苦いものがあり、それを受け入れられるかどうか、ってところで評価は分かれるかもわからん、とは思ったけど、うん、楽しかったです。
★★★
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