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野崎まど・大森望 編
カバーデザイン 伸童舎
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4150312725 \(税別)
2017年4月スタートのテレビアニメ「正解するカド」その脚本を担当した野崎まどと大森望が編んだファーストコンタクトテーマのSFアンソロジー。内外の10作品を収録。
肝心の「正解するカド」を見ていないものでそちらがどの程度ファーストコンタクト感があるものなのかは皆目わからんのですが、たまにハヤカワが仕掛けるタイアップ系のアンソロジーなんだろな、テーマ的に取っつきやすいかな、なんて思って手に取ってみたんだけど、うーん、結構読んだヤツが多いな。ってことで気になったヤツだけコメントします。
異星からのロボットのようななにか、エルマー。彼らは突然人の家の玄関先にやってきて、家事一般を代行しようとする。その代償は彼らが差し出すアンケートへの記入。だがそのアンケートには「はい」の選択肢しかなくて…
自分の中ではやたら慇懃なベイマックスが人の家の中をうろついている画が浮かんだんだけど(w。コンタクト自体に意味があるのではなく、喪失と再生みたいなものが本質的なテーマなのではないかしら。
藤子F先生のマンガにありそうだなあ、「やすらぎの館」とかと通じるものがあるのではないだろか。ちょっぴり怖い箱庭。
アイデア一発、SFショートストーリィのお手本みたいな作品。こういうのに当たると何か安心する、ってのはオレが年寄りになったって事なんだろうな(^^;。
本作に続く円城塔「イグノラムス・イグノラビムス」、飛浩隆「はるかな響き」の3作は編者の狙いもあるのかちょっと「食」にテーマを寄せた作品になっている。日本軍のお二人は自分にはどちらかというと苦手なタイプなんですが、今回はそこまで困らなかったかも知れない。やっぱり「ん?」って思うところは多いんだけども(w。
ってことで。もちろん続く二作もすてきだったんですがそっちは既読って事で。総じて比較的すんなりと読んでいけるお話が並んでいてそこは楽しめた。言い方は悪いかも知れないけれど、手軽に楽しめる本になっていると思う。んだけど本書は「ファーストコンタクト」SFアンソロジー、なんだろうかね。もちろんそこのところは解説などでも大森さんがこういう意図で選んでいるんだよ、と説明はしてくれてるんだけど、「ファーストコンタクト」という言葉からこちら期待するもの、ってのが異質なものとの遭遇がもたらすショックと、そこからのコミュニケーション、ってところにあるものだから、やはりコレは少々、コレジャナイ感が来てしまうのはしかたないところかも知れないな。割とどの話も、そこの「ファースト」感はなく、どれもそこは済ませた後の話になっているんだよね。
「ファースト」つーよりは「キューリアス」とか「ストレンジ」とかなんとか、そういうコンタクトものが揃っている一冊、って感じですな。
★★★
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