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谷甲州 著
カバーイラスト 加藤直之
カバーデザイン 久留一郎デザイン室(03 STUDIO)
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031288-6 \700 (税別)
太陽系全域を巻きこんだ戦乱、外惑星動乱から40年。かつての動乱は圧倒的な軍事力を持つ航空宇宙軍によって外惑星連合が押さえ込まれたのだったが、それで外惑星の独立の機運が完全に絶たれた訳では無かった。太陽系の各所で、大きくはないが明らかに何らかの思惑による動きが起きていたのだ…。表題作を含む7編収録。
22年ぶりに改めて開幕する「航空宇宙軍」シリーズ。一応ハードSFを謳ってはいるけれど、何か専門的な知識が不可欠な訳ではなく、宇宙を乗り物で移動する時にはそれなりの、地上とはまた別のルールが働くのだ、というあたりを意識しておけばよろしいかと。本シリーズのエピソードのいくつかはこの、宇宙航行のルールがお話の重要なキモになっている。
各エピソードごとの感想、も考えたのだけれど、それぞれのエピソードは比較的小ぶりなテーマで、ツカミから割と簡単にオチが見える上に、各話を読んでいくと最終的に一つのテーマが見えてくる、という構造になっているので、あまり深く掘り下げない方が良いような気がする。本書の最終的なテーマ、というのが何かといえばそれは「胎動」ということになるのかな。ここで語れられた小さないくつかのうごめきが、続巻では有機的につながり、より大きなエピソードが動き出す、ということなのだろう。その上で旧作を読んでいると懐かしく思える幾つかのワードなども出てきてくれたりするあたりがちょっと嬉しいところ。
最初はごく小さな違和感だったものが、最終的にこれはのっぴきならないところまで来ている、と思わせるところで本書は終了。この中ではハードSF、かつ宇宙SFとして非常に純度が高い「ジュピター・サーカス」が個人的には一番好きかな。
今は完全版が改めて刊行されているから、過去作にも比較的簡単に触れることができるのがめでたい。前の作品を読んでなくてもたぶん楽しめると思うけど、いくつかの作品は先に読んでおくと、いろいろピンとくるところも多いと思う。余裕があれば先に読んでおくのもよろしいかと。
そのあたりはまあいいとして、前のシリーズのどれかのあとがきで、確か谷さんは外惑星動乱を皮切りに、ゆくゆくは地球外生命体とのコンタクトまで描きたい、みたいなことを書いてらっしゃったような覚えがあるけど、そこまで行くには、まだかなり時間がかかりそうですね(^^;
★★★☆
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