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2018-01-23 [長年日記]

[Books] イヴのいないアダム ベスター傑作選

イヴのいないアダム (ベスター傑作選) (創元SF文庫)(アルフレッド・ベスター/中村 融) アルフレッド・ベスター 著/中村融 編訳
カバーイラスト 瀬戸羽方
カバーデザイン 岩郷重力+R.F
ISBN978-4-488-62305-0 \1100(税別)

第1回ヒューゴー賞受賞作家、というかこの人のためになんか賞を、てんでできたのがヒューゴー賞、ってのは都市伝説の類いなんですかね。単行本「願い星、叶い星」に新訳2作を追加した日本版オリジナル短編集。

基本的に1940~60年代に発表された作品群ゆえに、今となってはちょっとつらい部分もなくはないところもあるけれど、その辺は最後にまとめて。まずは一つずつ、簡単に印象を。

ごきげん目盛り

非の打ち所のない超高級アンドロイドが突然、極めて残虐な方法で殺人を犯す。一体何が起こっているのか…。

もちろん現在ただいまのさまざまなSF作品に触れられる立場からしたら、割と早めにミステリとしての底は割れる。だけどそこはベスター。SFミステリとしての仕掛けに加えてもう一声、アイデアが用意されていてそちらは今でも充分通用するのじゃないかな。それが何かというと、ええと上手く言えるかな、認識の錯綜と自意識の移動、なんて感じで、どうだろう。

ジェットコースター

タイムトラベルとサイコパスの不幸な出会い、というか良くわからない出会い。自分は馬鹿なのでちょっとお話が飲み込めなかった。

願い星、叶い星

世が世なら(あ、いい感じに時代シンクロしちゃうかも)ロジャー・コーマンが映画化しちゃうかも(w。いや、上手く作れば「光る眼」みたいなのができたのかも知れんけど(^^;。得体の知れない不安が潜む世界で、何か良くわからん人類が産まれるのではないか、というテーマは「スラン」あたりに通じる物があるのかも知れない。

イヴのいないアダム

ジャンル分けするなら宇宙SFと終末SFのハイブリッド、ということになるのだろうか。まあ宇宙の方は付け足しの装置でしかないですけど。これも多分発表された時期の気分みたいな物がお話のトーンに影響を与えているのだと思う。

選り好みなし

構成に一工夫凝らされた時間もの。こいつも「時代」がいろんな意味で影響を与えている。一工夫の分の構成のアイデア、そのラストのパートでちょっとドキッとする。

昔を今になすよしもがな

これもコーマン映画感があるなあ(^^;。ちょっと考え込むお話が続いたので、このシンプルな構成はなんだか安心できた。アフター・ホロコーストものの掌編。ま、鉄道模型を勝手に売っぱらう女は嫌われるって話だよね(違)。

時と三番街と

クセ弾続きの本書の中ではかなりシンプルなタイム・トラベルもの。安心できるね(苦笑)。

地獄は永遠に

ノヴェラ級のボリューム、本邦初訳。読み始めはダンワージー研究室ものでも始まったのかと思ったら、そこからお話は徐々に不穏な方向に進んでいき、気がついたら神学SFの様相を呈してくるという…。

旅の日記

未来世界を描きながら、その実アングロ・サクソンの鼻持ちならなさにちくっと一針刺してくる。

くたばりぞこない

すんげーネガティヴな「老人と宇宙」とでも言いますか。最後は軽くクスッとできるお話で〆メ。

ということで。やはりこの一連の作品群を評価するには、これらの作品が発表された、冷戦時代がどういう物であったのかってところにそれなりに意識が行かないと辛いんじゃないかという気はする。世界大戦は終わったけれど、核兵器を背景にした東西冷戦という状況が抜き差しならぬものとして残っていながら、同時に科学技術の進歩もめざましい。一方で常に大量虐殺の恐怖に向かい合いながら、同時に科学技術の進歩がいろいろな不可能を可能にしてくれるかもしれない、という状況。そのアンビバレントが醸し出す不安感と未来への期待がないまぜになって、それがお話に反映されている、ということはあるのかも知れない。

そこは流行りの言葉で言うなら忖度した方が良いのかも。ただ、そんなややこしいこと考えなくても、マスターピースとしてのSFとして一読の価値はあるのではないでしょうか。若い方に「これは絶対読め」と強制はできないですけど(^^;。

★★★


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