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ダグラス・アダムス 著/安原和見 訳
カバー装画 ひらのりょう
カバーデザイン 加藤賢策
カバーフォーマット 佐々木暁
河出文庫
ISBN978-4-309-46456-5 \920(税別)
スヴラド・チェッリには人とは違うものの見え方がしていた。全ての物事は全体論的に繋がっている。その見え方は時に彼を不幸にもしたが、それでも彼はその見方を捨てはしなかった。かつての彼の学友、今はソフトウェア産業で身を成したリチャードは、そんな彼をとある理由から探していた。今はダーク・ジェントリーと名前を変え、探偵事務所を経営しているスヴラドを…
…なんて書くとそれなりにマトモなSFミステリを連想してしまうけれど、なにせ書いてるのはダグラス・アダムスなのでね。一筋縄ではいかないものに出来上がっている。あらすじでも書いたとおり、お話のキモになるのは「全体論」と言う考え方。あらゆるものが全体的に繋がっている以上、一見なんの関係もないように見えたものが時空すら超えて繋がりあっている可能性がある、からにはあり得ない場所に居るはずの無いものがいるかも知れないし、実際そうなってしまってることも多々あるのだった、という…。
なのでお話は、三人ほどの主要な登場人物それぞれのエピソードがあまり脈絡なく、冗談なのか真面目なのかもよくわからない展開がたたみかけられ、頭の堅い人間(オレのことだ)は何を言ってるんだこいつは? とか、それはどういう話でどう繋がっているんだ? とか思ってしまい、読んでる間じゅう頭上に盛大にハテナ印が浮かぶことになる。それでも頑張って読み進んでいくと後半ようやく何となく繋がりが見えてきて、最後になんとか話全体の造りのようなものが理解でき、あとは訳者あとがきで答え合わせをすることでなーるほど、と何となく納得できるようになっている。
とはいえ次々と繰り出される悪ふざけ自体はそれなりに面白いんだけど、それを単なるノリとして愉しむことは結構困難な感じもあって、それは多分これが英国人作家が英語で書いたものを日本語にする事で、なにかが抜けちゃった、というか伝わりにくい何かが、巧く伝わらないまま日本語になっちゃった、ってことなのかな、と言う気はする。英語のニュアンスであったり、英語圏で生活している人にとってはあたりまえ過ぎて詳しい説明の要がないものの存在なのかも。そういう意味では最終的に納得は出来たが、楽しくページを繰っていくことは自分にはちょっと難しかったかな。
ちょっぴり挟まれる、Windowsが席巻する前のコンピュータ関係の描写(本書の出版は1987年)とか、自分にもわかるところはクスクスできたんですけどね(^^;。
★★★
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安原和見さんの翻訳で銀河ヒッチハイクガイドを読んだことがあるんですが、英語は知ってるけど日本語を知らない雰囲気で、個人的にはとても読みにくかった印象がありますねぇ。
おー、オレに著しく読む力が無い、ってわけでもなかったのかな。ほっ(^^;