ばむばんか惰隠洞

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2018-05-19 [長年日記]

[Baseball] マケタデー!

D3-2T。打てんなあ……

[Anime] 定期視聴番組

魔法少女と巫女さん。「俺」、カラオケで大暴れ。マネージャーが超有能。「サイト」魔法少女(少年含)続々集結。皆さんファンキーな性格をお持ちで(w。奴村さんにはなんか切迫した事情がありそうっすね。巫女さん、オバサン調子に乗り始めるの巻。

[Books] ダークネット・ダイヴ

ダークネット・ダイヴ(サチ・ロイド/著 鍛治靖子/翻訳) サチ・ロイド 著/鍛冶靖子 訳
カバーイラスト スカイエマ
カバーデザイン 波戸恵+W.I
創元SF文庫
ISBN978-4-488-77301-4 \1180(税別)

日本よ、これが英国式だ

石油燃料が枯渇し、全世界規模のエネルギー危機が続く時代。英国もまた、ごく少数の富裕層とそれ以外の貧困層に分断されている。貧困な人びとの一部はアウトサイダーと呼ばれ、強力な武装警察(コサック)を持つ支配層と抗争を繰り広げている。ロンドンのエネルギー政策の責任者を父に持つ少年、ハンターはビルの谷間を自由自在に飛び回ってコサックたちを翻弄するアウトサイダーたちに憧れ、身体を鍛えて彼らのアクションをものにしようとしているのだが、なかなかもう一歩が踏み出せないでいた。そんなある夜、ひとりのアウトサイダーの少年とコサックの一部隊との追跡劇を目撃する……。

そしてハンターは自らが目撃した追跡劇を発端に、アウトサイダーの少女ウーマと出会い、その出会いが世界を変革するかも知れない一つのアイテムをめぐるコサックとアウトサイダーの争奪戦に巻きこまれ…という流れ。多くの下層階級の人びとは貧困にあえぎ、日々のストレスは中国のハイテク企業が構築した超大規模ポータル、(ジーア)で発散している。当然にアクセスしているすべての市民のデータは支配層によって逐一監視されているというわけ。一方アウトサイダーたちにはそれとは別のネット環境、通称ダークネットと呼ばれるネットワークがあって独自の情報をやりとりすることができ、さらにその深層にもう一つのネットがあって…、というのがこの物語世界。

お話はシンプルなボーイ・ミーツ・ガールからの追跡アクション。一応何不自由なく育っては来たが、そんな自分に何か物足りない物を感じている少年と、独自の文化を持ち、世界の改革のために活動する、見方によっては反逆者の少女が出会い、反目や疑惑、敵対を乗り越えて信頼関係を築き、さらにはそれは淡い恋愛感情に発展していって、ってね(w。ここにハンターの親友でスラム出身の凄腕ハッカーのレオ、様々なアウトサイダーたちといった様々なサブキャラが脇をかためる。この手のお話としてはたいてい無理解で強圧的な存在として描かれるハンターの父親も、それなりに複雑な感情を持った存在として描写されてるあたりもちょっと良い。

SFとしての味付けは、ネットワークとVR、さらにその奥に隠されたもう一つのネットワーク、その支配権をめぐる争い、みたいなところになるんだけれども、正直言ってそこのところで強力な驚きはない。あくまで追跡劇のためのスパイスとして機能しているだけで、あくまで本書の主眼は少年少女のアドヴェンチャー。そこのところはたいへん快調。

なんですけどね……。

特に詳しい説明があるわけでは無いんだけど、本書はおそらく本国の英国ではジュヴナイルとかヤング・アダルト小説というジャンルに属するタイプのお話なんだと思う。で、このポジションの小説ってのは実に油断ができなくてね。このジャンルの代表作と言えるのがフィリップ・リーヴの「移動都市」ってことになると思うんだけど、こっちを読んだ人なら判ってくれると思うけど、英国製ジュヴナイル小説ってのは、もうこれでもかってくらいにビターにしてシビアなのね。で、本書もきっちりその伝統を守ってくれている。

ちょっぴり良い感じのボーイ・ミーツ・ガールものはやがて世界を支配するものの欺瞞に迫り、それを変えようとする人びとの圧倒的に劣勢な戦いが描かれ、そこに参戦した主人公たちの結末は…、という流れになっていて、まあ登場人物も読者も全く甘やかす気がない(w。特に追記もないようなので、これで完結なんだろうけど、逆にこれは三部作の第一作であって欲しい気までしちゃうんだよね(^^;。そういう意味でまことに正しい英国製ジュヴナイル。いいもん読んだ気はいたしますが、SF方面が少々手薄に過ぎるので、そこで星半分減点、かな。

★★★☆


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傑作です

懐かしさ満点

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ジュヴナイルとしてなかなか良質

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