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デニス・E・テイラー 著/金子浩 訳
カバーイラスト EVILIT
カバーデザイン 早川書房デザイン室
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012189-1 \1000(税別)
クローンAIを量産しながら銀河系宇宙に広く分散していくボブたち。地球人類の移住先の探索とその先での援助活動、地球に残る人類への援助、先住民族の文明レベルの上昇、さらには超空間通信の開発、ゆくゆくはAIを搭載するためのアンドロイドの開発……。ボブたちの事業は多岐にわたっていた。そんなある時、外宇宙を探査していた一人のボブが恐るべき発見をする。かつて文明があったと思われる星系、だがそこはあらゆる生命が消し去られ、目立った鉱物資源があらかた持ち去られてしまった世界だったのだ。この宇宙には容赦のない簒奪者が存在するというのか……。
ボビヴァースシリーズ、第2弾。前作が割とイケイケゴーゴーな感じだったとしたら、本作は割とあちこちで負け戦が続く上に、何やら不気味な強敵の存在が明らかになって…、という。まあ「帝国の逆襲」ですね(w。
基本的には前作で遭遇した様々な惑星で、良かれと思ってやった変革が、実はそうしてこなかったことには理由があったのだ、とか、地球に残る人間たちのなかに(肉体のない)AIのサポートによる移民政策に異を唱える過激な連中が現れ、蛮行に及ぶようになってた、とか、そしてとどめは
そんな、負け戦が続くなかでもボブたちは持ち前のヲタク・スピリットで前向きに問題を解決していこうとする、ってあたりが本書の見所か。地球のテロリストへの対抗策、自らが指導していた未開種族からの失われた信頼の復旧、AI故に不可能と思われていた「五感」の再獲得、そして強大な敵への対抗策と、やらねばならないことは山積みなんだが、ボブたちは一致団結(まあ、もとは同一人物ですから(^^;)して事に当たる。しかもあまり悲壮感を持たずに。ここがとても良い。
あと、ここが本シリーズの最大の美点だと思うんだけど、しばしば英米SFがはまってきた、「神」というものを何か特別な存在として扱う、ということを一切やってない、ってところなんじゃないだろうか。割とキリスト教的な見地からしたらタブーになるんじゃないか、みたいなところ(命というものの扱いとかね)にも平気でずんずん踏み込んでくるあたりがなんだか気持ち良い。最近の海外SF、わりとそういう傾向はあるのかも知れないけど、しばしば「何でそこで神を出すかなぁ」と思ってきた身からするとこういう展開、意外と新鮮だし、ちょっと嬉しい。
いろいろ要素が増えた分、前作での敵キャラが今回ちょっと薄味になっちゃったところもあるにはあるけど、良い続編になってると思います。完結編が楽しみですわ。
どうでも良いですけどアザーズたち、かつて中国が送り出した探査宇宙機を捕獲したために、人類とのコミュニケーションに中国語を使う、ってのは何らかの悪意コミ、なんてことは(^^;……
★★★★
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