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ジョシュア・ダルゼル 著/金子司 訳
カバーイラスト 加藤直之
カバーデザイン 早川書房デザイン室
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012193-8 \960(税別)
ファージの猛攻をかろうじて凌ぎきったウルフをはじめとする地球人類。そこには400年前に地球を旅立ち、行方不明になっていた探査船<カール・セーガン>のクルーを救出し、彼らとともに救援に駆けつけた超種族、ヴルアーンの力も大きかった。ヴルーアンによってファージたちを根絶する為の究極情報を入手した人類は、<カール・セーガン>の艦長、ブレイク大佐も加えて乾坤一擲の逆襲作戦に打って出るのだが…。
前作の序盤で「え?」てな展開があった分のフォローも込みで、お話は第3勢力とそこに(不本意ながら)従属している同胞の勢力も加わって戦局は新たな展開へ。人類からしたらはるかに進んだ技術レベルにある敵をすら凌ぐレベルにある新勢力が加われば、それを味方につけたいと思うのは当然なんだけど、敵の敵は味方、って理屈だけでそこは目をつぶって大丈夫なのかな? という新たな展開が加わっていて、そこは新たな興味を惹いてくれる要素になっている。巻ごとにちょっと新しい要素を加えてきてくれてはいるのだね。
そこのところの、頼りになる味方に見える存在が実は、その真意において今ひとつ見極めることが出来ない状態での共闘関係、なんてあたりの関係性の面白さ、ってのは確かにSF的な面白さがあると思うし、その部分の展開のさせ方、風呂敷の畳み方、ともに何も間違ったことはしていないと思う。間違ったことは何もやってないと思うんだ。お話の流れも充分に驚きながら納得できる構成になっていると思う。
ただ、ね
そういう基本の構成は踏まえてはいるんだけれど、肝心の「お話」としての面白さ、ってところの演出がどうにも希薄なんではなかろうか、って気はした。一応フォレスターやケントの帆船ものとかを読み慣れてたら、展開自体は特に驚くようなことは何も起こらない。毎回おんなじことやってるのに、そこに何かわからんけど読み応えを発生させてくれていたのが前述の二人による帆船ものの魅力、ってことだったと思うんだけど、残念ながら本署はそこが巧くいってない。展開の必要条件は満たしているけど、読者への十分条件は満たしていないって感じかな。
終盤の「あ、SFしてんじゃん」と思える所までのお話の展開が、あまりにも退屈なのね。間違ったことは何もやってないんだけどただひとつ、おもしろくない、ってのはかなり致命的なのでは。ちゃんとお話は締めてる(まあスピンオフ的な続編は用意されてるようですが)し、「SFしてんな」ってところの畳み方も決して嫌いじゃないんですが。(『物語』としての)お話が、もうちょっとおもしろかったらなあ……。
★★★
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