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週後半分、新番もちらほら。「魔女の旅々」「くまクマ熊ベアー」「ダンまちⅢ」「炎々…」「キングスレイド」「呪術廻戦」「ハイキュー!! TTT」「100万の命の上に俺は立っている」「ヒプノシスマイク」「魔法科高校の劣等生 来訪者編」あたり? 多すぎだな(^^;。「魔女…」、意外と良い。基本は癒しアニメを目指してるんだろうかね。「くま」、原作ファンの方からは不評って話も聞きますが、そんなに悪いものでもないと思うけど。「ダンまち」は安定銘柄。「キングスレイド」はうーん、悪くはないと思うけど、新しい物は何もないよねぇ…。
「呪術」に「ハイキュー!!」はさすがのジャンプ原作、とても面白いです。残り三つはまだ観れてません(^^;。
アナリー・ニューイッツ 著/幹遥子 訳
カバーデザイン 川名潤
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012290-4 \1260(税別)
数億年前から世界に存在する5台の<マシン>、それは過去と現在を行き来できるタイムマシン。2020年の女性、テスは女性の権利拡大を目指す結社<ハリエットの娘たち>のメンバーとしていくつかの時代へとタイムトラベルを行っていた。その目的は男性の利権を過激に保持しようとする<コムストック信奉者>たちによる<マシン>破壊工作の阻止と、コムストックらによる女性の中絶禁止法を撤廃させること。その行動のさなか、テスは1992年のロック・コンサートで一人の少女ベスと出会うことに…。
で、お話は基本テスとベスをメインに、過去のいくつかの時代に飛んでコムストック主義者達の目論見を阻止しようとするテスの動きと、1992年のハイ・ティーン、ベスの物語が交互に描かれる。片や時間改変の丁々発止、片や基本はちょっとパンクな女の子の青春物語だけれど、通底するテーマは共通で、それは不当に抑圧されている女性の生き方や社会性に対する反撃の物語。まあ非常に現代的なテーマを扱っているとも言えるのだけれど、いわゆるフェミニズムSF、って括りにぽいと放り込むのもちょっとどうかな、という気もしてしまう。
もちろんフェミニズムSFとして読んでいくことも可能ではあるんだけど、なんというのかな、それだけに限定してしまうのもちょっともったいないというか、それ以外の様々な要素も良い感じに組み合わさって、単純なフェミニズムの主張というのではなく、<マシン>の不可思議さとかその作動原理、タイムリープの制限条件といったところにいくつか新しさがあって、新種の時間SFとしても成立していると思うし、女性の権利のために時間改変を試みるテスの物語が一応本線と言うことになるのだが、ここに絡んでくるベスの物語がこのお話をとても豊かにしていると感じる。
ベスの物語はSFとは言えないのだけれど、正当(であるべき)な権利を不合理に押さえつけられた若者が、その抑圧を自らの心で跳ね返そうとしていくお話で、このお話がメインのテスの物語と(ちょっとしたミスリードも込みで)対応していくところはとても良くできていると思った。実は(時間的なスケールは別として)それほど大きな物語ではないのですが、なかなかの重量感でございました。拳突き上げてウェーイ! 的な本ではないですが、読了したあと少しの間、考え込んでしまう力のある本だと思いましたよ。邦題も読んでる間は少々違和感あったけど、ラストでまあ「これもありか」って思ったし。
最後に蛇足。解説もとても良いものなんだけど、最近の作品の解説にはwebの参照先が掲載されることが多いんだけど、こういう時はURLだけじゃなく、QRコードも併せて掲載してくれると有難いんだけどな。そういうのは難しいのかしら。
★★★★
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