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チャイナ・ミエヴィル 著/日暮雅道 訳
カバーイラスト 鈴木康士
カバーデザイン 岩郷重力+N.S
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011853-2 \1040 (税別)
ISBN978-4-15-011854-9 \1040 (税別)
魔術と科学、人類と畸形、異形のものたちが渾然一体となって日々を営む混沌都市ニュー・クロブゾンにやってきた一人の男。文字通り羽をもがれたその男、ガルーダのヤガレクが向かったのは闇医者ならぬ闇科学者のアイザックの研究所。ヤガレクはそこでアイザックに、自らを再び飛翔できるようにして欲しいと告げる。
同じ頃、アイザックの恋人で昆虫人間の芸術家、リンの許には正体不明のパトロンからの作品制作依頼が。不可解なものも感じつつ依頼主の許を訪れたリンの前に現れた依頼主の姿は…
マジック・リアリズムが染みついたスチーム・パンク的世界で繰り広げられる、フリークスやらナノテクやらバイオやら、およそSFが思いつく様々な物事たちに、たっぷりの悪趣味を振りかけて織り上げられた冒険譚。FFⅦ的世界観で、かなり厄介なダーク・ファンタジーをやってみました、的なお話と言えるんだろうか。
お話のスジ自体は分かりにくいところなどもなく、物語の展開自体は特に首を捻るようなこともなく先に進んでいくことは可能。なんだけど可能であるからといってそれがサクサクと、もしくはどんどん話を追っていくことができるような造りになっているのかと言えば、そちらはかなり微妙。話はわかる。でも話を読んでいく上で、読み手を先に押してくれる力のようなものが決定的に不足しているんじゃないだろうか。それは描写の過剰っぷりだったり、読み手の(多分にお約束的な側面もあるにせよ)期待する展開を次から次へとぶった切ってくれる流れの作りだったりするのかも。
本作はミエヴィルのキャリアの中でも比較的初期に発表された作品。それ故であるかもしれないけれどこれ、言い方悪いかもしれんけど才能豊かな若者が自分のありったけを注ぎ込んだ作品を、編集者を介さずに出版したような作品、という印象を持った。理屈ではこれは面白いんだ、と解る。でも気持ちはその面白さを肯定できない。だって面白く読ませよう、という気持ちがこっちに伝わってこないから。お話の中でキモになるところとそのキモのせいで何が起きた、というお話の流れがちゃんと整理されていないように感じた。もっと読ませ方があったんじゃないだろうか。あえてざっくり言うなら、
もっと刈れるだろ、ってことかもしれないな(^^;
★★☆
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