ばむばんか惰隠洞

«前の日(08-08) 最新 次の日(08-10)» 追記

カテゴリ一覧

Anime | AV | Baseball | Books | CGI | Chinema | Comics | CS | Day | DVD | Event | F1 | Games | Hobby | HTML | Kindle | Misc | mixi | News | Oldbooks | PC | Photo | SpFX | Stage | tDiary | Tour | TV | web | 逸級介護士


2004-08-09 この日を編集

[PC] デジカメ到着

CaplioG4 wideでマクロ撮影土曜の深夜に注文して今朝到着。仕事早いなヨドバシ。というわけで当初の予定通りリコーのCaplio G4 wide。送料サービスでお値段19800円。今まで買ったデジカメの中で一番安いや。でも性能は一番良いや(^^;)。知らんかったけどこのカメラ、スタパ兄貴もお気に入りの機種だったようで。わたしゃ広角も良いけど何よりマクロに強い事(かつ出来うる限り安い事)、って理由だけでこのカメラ選んだんだけど。

とりあえずテスト。「ヘリボーンコレクション」のSH-3撮ってみました。うむ、うっすら積もったほこりまでしっかりキャッチ、すばらしい(w。ここまで寄れれば文句なし。あたりまえだけどRDC-5300よりはるかにピント合わせも楽だし、出来上がりもキレイ。おおむね満足、かな。

出来れば電源ボタンはロックできるようにして欲しい気がしたのと、あとはあれだ、どんな安物でもいいから、ソフトケースぐらいつけてくれよーって感じですか。まあしばらく使ってみるだ。

[Day] お見舞いと顔見せ

やや糖尿病が進行してて、今月は入院して一ヶ月間リハビリの運びとなった義母のお見舞いに出かける。行く先はあそこです。酔っぱらいのケガから腰痛からあばらのヒビから、なんでも面倒見てくれる従姉妹殿の勤務先、西宮W病院。4週間の長丁場で、退屈でしょうけどご自愛ください、お義母さん、ということで。

珍しくも西宮まで一家総出で出てきてるんだから、ということで、さらに頑張って千里まで遠出して「千」に顔を出す。倅は生まれてすぐの頃につれてきて以来だったので、マスターもママさんも巨大化した倅見てびっくりしてた。そりゃそうだ、十数年ぶりだもんな。

しかも酒呑むようになっとるし。

とりあえずあれだ、酒呑むのは楽しいけど、へろへろのカミさんの面倒見ながら千里から鈴蘭台に帰るってのは重労働だよなあとオモタ。


2005-08-09 この日を編集

[Day] うーむ…… (20:20)

いろいろ思案中…。

[Day] 考えてもしょうがないかー。 (22:21)

元気出していこー。

[web] 改名とはまた (22:22)

最近マジメにサポートフォーラム見てなかったんで、/.で事のあらましを知る事になってしまった。鶴亀メール、「秀丸メール」に名称変更(Slashdot.jp)。「鶴亀」って名前が商標権侵害に当るってんで内容証明郵便が送りつけられてきたんだそうな(斉藤秀夫氏のコメント)。ふうむ。

まあ名前がどうであれ中身が変わる訳じゃあないんだから、わたしゃこれからも鶴亀改め秀丸メール(『秀文』って名前考えたんだけど改名会議は終っちゃってた。残念。)を使っていくんだけど、どうも鶴亀は時々お騒がせをやらかすなあ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

Rダニけん [あらら。あの味わい深い鶴と亀のアイコンはなくなっちゃうのかしら。 もっとも、「秀丸メール」のほうが他人様に紹介しやす..]

ROVER [ぼんやりしてて祭りに乗り遅れちゃった気分です。サポートフォーラムの発言もごっそり削除されちゃってるし。 斎藤さんって..]


2006-08-09 この日を編集

[Books] ティンカー (23:36)

4150115729 ウェン・スペンサー 著/赤尾秀子 訳
カバーイラスト エナミカツミ
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011572-9 \940(税別)

並行宇宙的に存在していた人間界とエルフたちの世界。21世紀後半、中国によって実用化された超空間ジャンプ装置は、二つの世界に定期的に開閉するゲートを産み出してしまった。この影響でピッツバーグ周辺は、一月おきに人間界とエルフ界を行き来する特異点になってしまう。科学と魔法が共に存在するピッツバーグでジャンク屋を営むのが18歳の天才少女、ティンカー。ピッツバーグが地球側に戻る"シャットダウン"現象が発動する直前、彼女の前には魔法で制御される獰猛な戦闘犬たちの姿が…。だが彼らの目的は厳密にはティンカーではなく……

まーたハヤカワはこげな表紙使ってからにー、と憮然とした気分で読み始めたんだけど、あはははは、このカバーイラストのチョイスは、本作に限ってはまったく正しい選択だ。だってこれ、どこを切ってもアメリカンライトノベル、としか思えない小説だもの(あれっ、なぜか今頭の中に『あるみかんばいおりんす』って単語が浮かんじゃったぞ、なぜだろう。久美子映画見るのだもの。全然関係ない話です、無視してください)。

と、ライトノベルを読まないワタシは思ってしまったのだけど、実際のところライトノベルと呼ばれるジャンルの作品を読み慣れている人が本作を読んだらどういう感想を持つのか、ってのはちょっと興味がある。ライトノベル読みでない私はこれを正しいライトノベルであると(つまり巷間云われるライトノベルってヤツは、こういうモノなのかな、と、勝手に)感じたんだが、実際にそのジャンルの作品をたくさん読んでる人たちにとって、こいつはライトノベルと判定できるモノなのか、ってあたりにちょっと興味があるわけですね。良かったらどなたかツッコミ入れてください。

お話はつまり、まあ血筋のおかげもあるんだけど電子工学やら量子コンピュータやら理系にでたらめに強い反面政治だの歴史だのには全然興味がなく、自分の才覚でちょっと不思議な世界でたくましく生きている自分はちっともそうは思わないんだけど周りのみんなは"キレイだキレイだ"と言ってくれてる女の子が、ひょんな事で知り合ったエルフの王子様に見初められ、でも私そんなキレイでもないし育ちだって良くないしがさつだし野蛮だし人間よりはるかに綺麗なエルフなんかと釣り合うわけないじゃないでもちょっとエルフとのセックスには興味あるかもーとか思ってたら、当のエルフの王子様の方はばかだなあキミみたいに綺麗でステキな女の子はエルフにだって存在しないよキミを初めて見たときからその虜になっちゃったんだよだからキミはエルフにしちゃうもんね僕の○○○○できゃーなんてことするの、ってなんで私の耳とんがってるのとかいってたら私たちをつけ狙ってる連中も出てきて一体どうなっちゃうのこれから。

ぜえぜえ(^^;)。田中哲弥さん風にまとめてみましたがどうだったでしょうか。だいたいこういう話だったと思うんですが(w。

なんというか、マキャフリィが今20代で、編集者が徳間とか角川のヒトだったら、こういう話描いたかもなあ、って感じ。ま、日本だったらこの本1冊、4つぐらいに分けていただろうとも思うけどね。軽く楽しめる本であることは確かで、それなりに伏線への始末の付け方なんかも抜かりはない。良くも悪くもイノセントなアメリカ人的思想のパターンはちょっと「おいおい」と思う(日本はまだしも、中国へのこの扱い、大丈夫か? と余計なお世話的に心配になっちゃったですよ)けど、読んでる間はそれなりに楽しい時間を過ごせる作品であるのは確か。ただこれ、SFとしてどうなんだ? ここに何か新しいワンダーはあったか? ってあたりでうーんと考え込んじゃう。読み終えて素直に「面白かった」と思える反面、「これを面白がるのはオレにとってええことなんじゃろか?」と言う気分も同時に湧いてきたりしてるわけで、そこらへん何やら微妙。

(★★★)

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

すみ [へえ。ハヤカワもこういうの出すんですね。ある意味おもしろそうだ。近所にあるかなあ>青い背。しんじくにいけばあることは..]

rover [ええ、ある意味なかなか面白いのですよ、うん(w。]


2007-08-09 この日を編集

[web] 日記も書かずにだらだらと…

いや、ニコ動で「カレイドスター」を全部鑑賞できることがわかっちゃったもんで……ikry。

仕事二件溜まってますぜー、旦那(誰、俺)。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

美紀 [ゴールデンエッグ全部見ちゃった。>ニコ道]


2008-08-09 この日を編集

[Day] いろいろ買ってきた (22:54)

画像の説明昨日お隠れになった諸々の補充のために。まずは扇風機。三宮のせいでんでワゴンに積まれてたSwiftたら言うブランド(台湾のメーカーみたいですな)の小型のボックスファン、2100円。無駄にでかいトグルスイッチがまるで満開製作所みたいだ。家に帰ってさっそくマシンの横に置いてみるとあらすてき、あつらえたようにぴったりサイズだわ。

さすがに真っ当に家庭用電源からパワーもらって回る扇風機、ちゃんと風が吹いとるね。Speedfanで計測してみてもCPUまわり、HDDともに40℃台で安定している感じ。今年の夏はこれで安心、かな。

次。上のフロアに上がってレジのおねいさんに「マウスが死んだんだが保証書捨てちゃったんだ」つったらレシートはあるか? と聞くのでもちろんありますよ、と提出したらばそれじゃあ交換いたしましょうと。あらラッキー。一応死んだ方のマウスも持参して、お店のPCに繋いでこれ以上ないくらい死んでることを確認してもらった上で同じモデルに交換。申し訳ないがマウス本体のみでパッケージなどは勘弁してくれ、って事だったんだけどもちろんこちらに異存のあるはずもなく。何たってこの時点でデイパックの容量の6割方はアヤしい扇風機に占領されちゃってたんだし。

ってことでマウスはロハで交換出来ちゃったもんでちょっとウキウキ。また2000円飛ぶのかー、と思ってたらそれが浮いちゃったからね。本屋でレナルズの分厚い文庫見つけたら、そりゃ買っちゃっても仕方がないと言えるだろう(言えるか?)。

あとは手近なauショップで共通タイプのACアダプタ買って帰宅。今のところマウスも扇風機も壊れてはいないようです(w。

[Books] フロスト気質 (23:54)

97844882910449784488291051 R・D・ウィングフィールド 著/芹澤恵 訳
カバーイラスト 村上かつみ
カバーデザイン 矢島高光
創元推理文庫
ISBN978-4-488-29104-4 \1100(税別)
ISBN978-4-488-29105-1 \1100(税別)

ハロウィーンの夜。少年少女は夜の街に繰り出して悪ふざけ三昧に精を出し、平の警官たちは寒空の下、浮かれた連中のしでかしたこととこれからしでかすかもしれないことへの対応に追いまくられる。初めて単独で警邏に出ていたバッカー巡査もそんな警官たちの一人。今のところたいして重大なトラブルにも遭遇することなく勤務は終了するはずだった。だが、ただならぬ気配を路地の隅に感じたバッカーが目にしたものとは…。

ハロウィーンで盛り上がるデントンの街。だがそこは決して安穏としていられる街ではない。最近になって頻発する幼児を対象にした傷害事件、少年の失踪。そんなときに新米巡査が発見したのは一体の死体。だが折悪しくデントン警察署は不測の事態で極度の人員不足、この最悪のタイミングで事件の現場に顔を出してしまったのが休暇中だったはずのフロスト警部。不承不承、休暇返上で捜査の指揮を執る羽目になったフロストだったが、発生する事件とトラブルはその後も引きを切らず…、ってな展開。

我らがフロストおじさんは相変わらず、助平で下品で勘に頼る割にその勘がしばしば頼りなく、肝心なところで勘を外して失態を演じ、捜査は一向に進展せず、上司のイライラは募り、同僚(のなかでも上昇志向のある連中)の敵愾心はいや増し、部下たちの疲労は極限に近づいていく。そこらじゅうに迷惑をかけて突き進むフロスト式捜査はいろんなところにトラブルの種をまくのだが、一番根っこの部分のブレがないので、フロストの捜査はいろんなトラブルとコストを発生させるけれど、最終的には正解に向っていく。これがあるので上司は盛大に文句をつけるがいざというときにフロストを外すことが出来ず、部下たちはフロストのおかげで無茶苦茶な超過勤務を強いられることになるにも関わらず、「警官」というアイデンティティに思いをいたしたときに、フロストが要求するさまざまな物事こそが、上司がなんと言おうと「警官」のそれであると直感し、この困ったオッサンに一定の信頼を寄せて動く。このあたりの組織内のヒエラルキーのいくつかの階層で、一つのことに対して異なる見解が生まれてくるあたりをさりげなく描写して見せるあたりはなかなかいい。オレ以外にもフロストおじさんのことを好いてる人がいたんだ、ってわかるのは、なかなかどうして乙なものだ。

いわゆる本格推理としての面白さはそれほどないけど、警察小説として、で、自分が知ってる警察小説なんてたいした数があるわけでもないんだけれど、どうしようもないけど最後の一線だけは絶対譲らないオッサンの頑張り(いやもう、この人はほんとに仕事に関してはとことん頑張る人なのだ)を描くお話として抜群に面白い。

唯一残念なのは、著者であるR・D・ウィングフィールドが2007年に亡くなってしまっていると言うことだろうか。フロストおじさんの未訳は、あとわずか二作しかないってことになる。こんなもったいないことがあるだろうかね。

★★★★


2009-08-09 この日を編集

[web] ウェンはご機嫌斜め? (23:54)

「ティンカー」「ようこそ女たちの王国へ」などの作家、ウェン・スペンサーのブログ。日本のアニメが好きって情報は聞いてたけど、微妙に日本のオタク系文化にも造詣があるみたいで、Subjectが"≫ wheeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee"になってるアーティクルでネタにしているのは、日本版の「エイリアン・テイスト」。日本のアニメ絵風味で装幀された本書に思わずキタ――(゜∀゜)――!!ってなっちゃった様子を表現してるんだろうな。ちなみにアーカイブを追っかけていくと、その前にこのノリが登場するのは2007年の11月。この時はSQUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!つって、日本版の「ようこそ女たちの王国へ」にかなり喜んでらっしゃる様子。残念ながら「ティンカー」でどう思ったのかの記事が載ってないっぽいかも。

さてその「エイリアン・テイスト」の記事、ファンの方(なのかな?)からの「これはマンガなの? マンガっぽいカバーなの?」ってコメントに、スペンサー女史自身が、「マンガっぽいカバーね。中身はテキストよ。全部翻訳された文章ね、テキストだけなんだけど」みたいなリプライ返してるのにちょっと笑っちゃった。

あんたの文章だろうが、そのテキスト。

ハヤカワさん、スペンサー女史におかれましては彼女の著作物、日本版には本文イラストも入ってて欲しいみたいですよ。もしかしたら本文挿絵が追加されたら彼女の創作意欲も加速されるかもしれませんぜ。それにつられて彼女の創作ペースも上がったりするかもよ。そこらへん、乞御一考(w。

[TV] 定期視聴番組 (24:25)

土日までたどりつけず、「シャングリ・ラ」、「東京マグニチュード8.0」、「CANAAN」、「仮面の忍者 赤影」、「バスカッシュ!」、「大正野球娘。」。「東京マグニチュード…」が地味ながらも案外真面目に作っててそれなりに印象良いです。神戸以上に大規模な近代都市である東京に、神戸以上の規模の地震が起きたときに、被害がこの程度で済むんだろうかってところの疑問はあるにはあるんだけど。

いつまでスカート姿で野球するつもりなんだろうこの娘たちは、ってあたりが気になって仕方がなかった「大正…」、今週ようやくユニフォームらしきものが登場して、おじさん本気で安心したよ。

ってなところで。


2010-08-09 この日を編集

[Books] 星雲賞

2010年の結果(日本SFファングループ連合会議)。日本長編部門に「グイン・サーガ」。んーと……。

星雲賞はその年のSF大会に参加した人たちの投票によって決まる賞なので、今年のSF大会には「グイン」を推したい人が多かったって事で、まあそういうこともあるんだろうなとは思いつつ、なんかそれは違うんじゃないかって気もするな。

まあ文句があるなら現場に行ってそれ言えよって話だと思うので、あたしは単に遠くからぼそっと言ってみるだけ。

[web][SpFX] 大魔神カノン

Sorry, 1280740750 was deleted.

ニコ動で見せてもらえるんですな。1話と2話が無料配信でそれ以降は2話ずつ、1週間無料配信、毎週火曜日に更新ってことで。

1話を見終わった所なんだけど、自分が予想してたものよりはマシだった、かな。オマエらのコメントに救われたのかも知れないけど。

思ったより貧乏じゃなかったってあたりでちょっと見直した感が加味されたのかも知れない。これから2話見てみるです。

それにしても公開から一週間経っているのに2話の再生数が2000に届いてないってのが何かを物語っているのかも知れないな。パンツアニメとか半日で1万超えちゃうもんねえ(^^;)。

2話見た。なんだな、これは「魔神カノン」だったらもしかしたらもう少し話題になったのかも知れないな。「大魔神」と繋いじゃったもんだからいろいろ言われちゃうハメになってしまったような気がしないでもない。総じてつまらなくはないんだ。でも「大魔神」のタイトルを背負った時点で、大変なハンデ戦を引き受けちゃった作品、って感じがするな。


2012-08-09 この日を編集

[Day] 絶賛体調不良中

昨日の午後ぐらいから、鼻がぐじゅぐじゅするなあと思ってたんだけど、今朝が結構涼しいというか、どうかすると寒い方面に気温が行ってたせいか、完全に調子悪くなっちゃった。

ちょっとやな感じなので、いろいろ止めます。


2013-08-09 この日を編集

[Oldbooks] ちびちび読んでた

画像の説明画像の説明画像の説明画像の説明病院での精算待ちやらあちこちへの移動の時のお供にぽちぽちと2ヶ月ぐらいかかって読んでいた本。再読ですが、アルヴィン・D・クックス 著、岩崎俊夫・吉本晋一郎 訳、「ノモンハン」(朝日文庫)全4巻、リンク先はamazon(ユーズドのみ)。
ハルハ河畔の小競り合い
剣を振るって進め
第二十三師団の壊滅
教訓は生きなかった

日本最強と言われた関東軍が大敗を喫したノモンハン事件を、当時の関係者に丹念にインタビューを積み重ねて再現した労作。著者のアルヴィン・D・クックスは自分的にはアーヴィン・D・クックスという名前の方がなじみがある。自分にとっての戦記系情報の一番の根っこであるところのサンケイ新聞社刊、「第二次世界大戦ブックス」の中の一冊、「天皇の決断」を書いた人。訳のせいなのか、切り取り具合が上手くないのか、どうかするとこのシリーズはナマクラな読後感しか残さない本が結構あったのだけれど、その中では本書の完成度はかなり高かった記憶がある。そういう意味でかなり信用銘柄ではあったのね。で、再読したときもそこの所の緻密さとか、公正さって所にはかなりの信を置きながら読めたと思う。

ノモンハン事変そのものについては多くの本が出ていて、その中では本書はどちらかというと古い方の本に位置づけられているのかも知れないけれど、それでも本書のルポルタージュ文学としての価値はいささかも下がることはないと思う。

おそらく日本陸軍史上最強であったと思われる軍団が、その技量、精神を持ってしてもソ連軍の物量とシステマティックな兵站と戦術には到底抗し得なかった、という事実、そのような状況下にあってもなお、兵士達の運命よりも軍旗の運命の方に優先順位の上位をつける、という時代錯誤がまかり通ってしまう情けなさ。

基本的に関係者へのインタビュー主体で構成された本で、それ故にややニュアンスが弱く感じたり、何かと悪名ばかりが先走る(もちろんそれも故無いことではないのだけれど)辻政信が、少なくとも事変の序盤では結構冷静で、抑揚の効いた人物に見えたり、あとはインタビューを並べるせいで、どうしても読み進めている間に時系列の混乱が生じたりと、読んでて「おや?」と思えるところもあるにはあるんだけど、それでもここからは、現在ただいまの我が国の色々な体制に見られる長所、短所が凝縮されていると感じられる。

原書では紛争が発生する前段階にも相当な量の記述があったらしいのだが、そこは日本人ならそれなりに知っていることも多かろうと言うことで割愛されたと言うことだが、そちらもちょっと読んでみたいな、と言う気はした。

[Oldbooks] ちょっと前までは逆だった

9784769826682もう一冊、こちらはこの間買取りさせていただいた中に入っていた本、岡田和裕 著「ロシアから見た日露戦争 -大勝したと思った日本 負けたと思わないロシア-」 (光人社NF文庫、書影はamazon)。

日露戦争の発生から経過、講和までをロシアの側から見た著作。遅れて帝国主義的国策をとった日本にとって、満州と朝鮮はその植民地政策上どうあっても奪われるわけにはいかない生命線であり、それ故に勝ち目は相当薄くても一戦交えざるを得なかった、と言うのが日露戦争における日本の立場だったわけだが、ではロシア側にはどういう事情があったのかと言うと、それは主に退潮傾向にあったロマノフ王朝において、国民に一種のドーピングを施して、一時的にせよ国民の不満を別な方向に逸らしたかった、と。極東の小国相手に北の大国ケイロニアロシアが負けるわけはないのだから、景気の良い勝ち戦のニュースでパッと盛り上がろう、と言うことだったみたい。

ロマノフ朝最後の王であるニコライ二世は決して暗愚ではなかったが決断力に欠け、肝心なところで一貫した方針を指し示すことが出来なかった上に、彼に助言する立場にあった者たちは皆、国家より自らの利益を追求する者ばかり。結果、指揮系統は混乱し、戦争指導には齟齬が多発し、人心はさらに王室から離れていく。このあたりは危機感の違いもあるだろうが、上から下まで一丸となって事に当った日本とは好対照。特に自らの力量を冷静に見極め、常に戦の「納め時」を考えていた明治の軍人達の姿は、ほんの四半世紀ばかり後に同じ組織に属していた人々とはまるで違っている。もちろんこの時の陸軍軍人達の成し遂げたもの自体が、逆に麻薬的な効能を与えてしまったと言うことなのだろうけど。

それはともかく、これまであまり深く語られることの無かったロシア側の人々の様子がやや詳しく見えてくるあたりは興味深い。戦略自体は間違っていなかったが、それを下部に徹底させる努力を怠ったがために兵の不評を買う羽目になり、最後は敗戦の責任の多くを背負わせられることになるクロパトキン、一応名将とうたわれていたステッセルは判断力に乏しい上に軍務よりも現地の政商と組んでの吝嗇行為の方に熱心だった、と言うエピソード(このあたりは何となく近代戦以前に良くあったエピソード、と言う感じがする)、本国を出たときにはそれなりにちゃんとしていた物が、歴史的にして極めて困難な大遠征を続けるうちにどんどん理性を磨り減らし、肝心要の対馬海戦が始まる頃には単に怒りっぽい老人になってしまっていたロジェストヴェンスキー、なんてエピソード、この戦争を通じてある意味ロシア側の最重要黒子と言えたであろうウイッテの動きなど、250ページという比較的軽めのボリュームにしては読みどころの多い本だった。


2014-08-09 この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

「黒執事」、「白銀の意思 アルジェヴォルン」、「残響のテロル」。お話が動き始めた感のある「テロル」、ナインたちが目標にしているものと、その目標とする側にもナインたちと関係のある存在が、的な。シリアス系かと思ってたリサちゃん、意外にトリックスターだったのね(^^;。


2016-08-09 この日を編集

[Baseball] マケタデー!

C10-3T。んまあ今年の阪神、だよな、良くも悪くも。そんなことよりこっちのニュース、中日、谷繁監督を事実上の解任 今季は最下位 (asahi.com)。ふんむー、うっとこの成績と比較してみても、監督にクビを言い渡すほどのもんでもないと思うんだけど、ドラゴンズファンの皆様におかれましては谷繁さんの采配、そんなに気に入らないものだったんだろうか。戦力を考えたらそこそこがんばってたと思うんだけどな。


2017-08-09 この日を編集

[News] 訃報

スーツアクター、中島春雄さん (asahi.com)。もはや説明の必要なし。昭和の特撮小僧にとっては最大級のヒーローの一人。お世話になりました。どうか安らかに。

[Anime] 定期視聴番組

週前半分。「ナイツ&マジック」、いい感じにメカオタクのだったらいいな感をくすぐってくれる感じ。メカオタには色っぽい女の子すら不要なんだぜ、って割り切りが気持ち良いっす。この作品に参加してる女性声優さんにはお気の毒な所もありますが。「プリンセス・プリンシパル」、ちせちゃんが仲間になるエピソード。よく動いてます。

「アホガール」、うん、アホだ。「徒然チルドレン」の方は今回はちょっと甘酢感が少なめだったかな。オモシロとうっふんに振りすぎだったかもね。

[Baseball] カッタデー!

昨日負けちゃった上に相手は巨人だったので今日は敬遠してたんだけど、今日は何とか勝ったようでよござんした。勝負は明日、だよねえ。メッセ、頼んまっせ(^^;。


2018-08-09 この日を編集

[Comics] フジリュー版銀英伝

銀河英雄伝説 1(藤崎竜/著 田中芳樹/原著)少し前にブックオフで1巻を見つけて購入した藤崎竜版の「銀河英雄伝説」。1巻はさすがにそんな大きな動きが無いこともあって、「ふふん」くらいで放ったらかしにしてたら倅が発見して「貸せ」と。「続きも読みたいかね」と聞いたら「まあ」ってことだったので残りをまとめて購入。コミックスのまとめ買いなんて久しぶりだ(w。

とりあえず最新の10巻まで買ってきて読んでみた。倅は「フジリュー先生って真面目なんやね」なんて言ってたけど、そりゃまあ古典に比べたらアレンジの自由度は狭まるだろうね。ファンの多い作品でもあるし。

んでまあ読んでみた感想としては、こりゃなかなか、って感じかな。倅の「真面目」発言はともかく、原作の流れをかなり忠実に、外伝なんかのエピソードも上手に挟んで来ている。あと、ちゃんと©加藤直之、になってるのが偉い。やっぱブリュンヒルトはあのデザイン以外はナシだろう、って、わかってますね(w。

小説版はともかく、絵的にはOVA版、道原かつみさんのコミックス、んでから最近のノイエなんちゃらアニメとあるわけだけど、キルヒアイスの忠犬っぷりはフジリュー版が最高なんじゃなかろうか。OVAも良いんだけど、あれは少年時代のジークがちょっとオッサン顔なのがマイナスなんだよな(^^;。あと、さすが藤崎竜って感じだけど数少ない女性陣はみんな魅力的。このアンネローゼ様なら皇帝が大金払ってもおかしくないキレカワっぷりだし、フロイラインのアレンジも面白い。男性陣は旧作で人気のあった帝国の双璧とかは昔のテイストを大事にしてる感じ、同盟側は結構弄ってきてるのかな。主役の二人も悪くないと思います。幼い頃のラインハルト様が「幼女戦記」テイスト感じちゃう以外は(^^;。

ちょっとうーん、はトリューニヒトがちょっと小悪党感が前に出ちゃってるあたりですかね。あの人、悪党なんだけどそれなりに人心掌握には長けた人物なんで、押し出し的にはもうちょっと立派な人感があった方が良いと思うんだけど…。

いちお、最新10巻で皇帝崩御までお話は進んでるんだけど先は長そうですね。しばらく楽しめそうね。


Google search
www.bumbunker.com
Web
2004年
8月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

ここ1週間分の話題

傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

バナーが必要ならこちらを
バナー素材

古本屋やってます
特殊古本屋 軽石庵

2003年9月までのサイト

巡回先
ROVER's HATENA

あすなひろし追悼サイト
あすなひろし追悼サイト

twitter / karuishian
«前の日(08-08) 最新 次の日(08-10)» 追記
©1996-2020 乱土 労馬:l-rover@kobe.email.ne.jp