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すんげー久しぶりに、電源コードを足で引っかけてプラグが引っこ抜け、パソコンの電源が落っこちちゃう、ってアクシデントをやらかしてしまった。もうちょっとでお仕事用のデータが出来るって時に。しかもそこまでバックアップ取ってなかった、ってタイミングで。
悪いのは自分だがちょっと泣ける。
小川一水 著
カバーイラスト 富安健一郎
カバーデザイン 岩郷重力 + Y.S
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-030968-8 \660(税別)
ISBN978-4-15-030969-5 \660(税別)
300年前、植民宇宙船シェパード号は目的地の惑星ハーブCへの行程の最終段階で発生した謎のトラブルにより、様々な植民用の機材を有効な形で惑星におろすことが出来ないままハーブCに墜落、地表深くに埋もれてしまった。かろうじて生き残った人々は困難な状況下での植民活動を開始するのだが、致命的な問題が一つあった。この星は化石燃料が一切存在しないのだ。運良く生き残っていたシェパード号の発電炉が供給する電力を動力源に、人々は少しずつ生存圏を拡大してきた。そして300年、彼らがメニー・メニー・シープと名付けた植民地には、巨大な災厄の影が忍び寄ろうとしていた…。
「一巻のためのあとがき」で著者曰く、
はい、いかがでしたでしょうか。天冥の標、第一巻
「ちょ、おいィ!?」と叫んでいただけましたか。これはそういう本です。
叫ぶところまではいきませんでしたけど、「おいおい、マジかよ」とは思いましたよ。比較的まったりした出だしから始まって、話が少しずつ加速していき、最後にいろんな(読んでる側が一方的に思い込んでいる)「お約束」みたいなものを片っ端からひっくり返して「続く」と。全十巻を謳った、それなりに長大な物になるであろうお話の出だしでこれかよ、ってのは確かにある。いろんな意味で続きが大変気になる作品だ。
移民活動の出だしの部分で躓きがあって、限定された電力だけが頼りの世界。化石燃料が存在しないために効率のよい内燃機関が使えないのでクルマも飛行機も使えない反面、電気で動くものにはそれなりにハイテクなアイテムも存在している、微妙にいびつな世界。そこでは世界に電力を供給する唯一の存在である半ばスクラップとなった宇宙船への指揮権を持った者が絶対的な支配者となれる。だがその支配者のふるまいにどうにも不可解なものが見え始め、それと前後して、メニー・メニー・シープには怪奇な現象が発生して…、ってのが導入部。最初は奇怪な事象、でしかなかった物が、実は植民地全体に関わる重大事であることが明らかになり、そこには絶対的な権力を持って植民地を支配している勢力の少なくない関与があることも分ってきたことで、世界は大きく動いていく。
さまざまな人々が、それぞれの思いと行動原理で動いていく様は「復活の地」を思わせ、宇宙船に残っていたハイテクを利用して改造された人間たちやアンドロイド、人間たちとは異なる生命が入り乱れる世界というのは、いくつかのハードSFで語られた世界を彷彿とさせる。少しずつ明らかにされる世界の描写の裏には、もしかしたらこのお話の裏に存在しているのは、小川一水がニーヴンのアレ的世界を構築してみようと思っている、と言うことなのかな、などとも思ってしまう。思ってしまうんだけどとにかく第一巻でこのやりたい放題ぶり。これもまた、燻したニシンなのかも分らんな、なんて疑心暗鬼にも陥ってしまおうってものだ。
とにかく相当長いものになるであろうと思われる物語なのだが、序盤からかなりびっくりさせることが多くてどこに感情移入しながら続きを待てばいいのかも分らないまま、それでもやっぱり続きが気になる。第二巻はいつ出るんですか? 楽しみに待ちますよ。なるべくこう言うのは上下分冊はやめて、一冊もので出して欲しい、ってとこだけ不満があるんだけどね。
★★★★
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