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ロイス・マクマスター・ビジョルド 著/小木曽絢子 訳
カバーイラスト 浅田隆
カバーデザイン 矢島高光
創元SF文庫
ISBN978-4-488-69819-5 \1160(税別)
ISBN978-4-488-69820-1 \1160(税別)
ある日イワンの許を訪れたのは、あまり歓迎したくない友人だった。機密保安庁に属し、あまりお行儀が良いとは言えない仕事もやっているバイアリー・ヴォルラトイエル、通称バイ。この日バイが持ちかけてきた話もやはり少々うさんくさい。最近バラヤーにやってきた一人の娘と仲良くなって欲しいという。なんでも彼女が誘拐される危険性がある、と言うのだがその理由や、そもそも彼女の正体についてははぐらかされるばかり。それでもまあ若くてきれいな女性でもあることだし、バイの頼みを引き受けたイワンだったのだが…
「ヴォル」シリーズ最新作は、いつもの主人公マイルズの従兄弟にして、マイルズの活躍の割をくってしばしば厄介ごとに巻き込まれる、イワン・ヴォルパトリル君が主人公のサイドストーリイ。本筋だとイワン君はあくまで脇役なので、まあマイルズの破天荒な活躍のあおりを食らってちょっとひどい目にあったりすることの多い、どちらかというとコメディ・リリーフ担当な役どころだったんだけど、こちらでは主役なので、そういうひどい目にあったりする方面はやや控えめ。それでもまあ、イワン君の性格だったり、社会におけるポジショニングなどはシリーズを読んでる人なら先刻承知なので、お話は大変軽快に進んでいく。それ故読みやすく、それなりの楽しさはあるのだけど、マイルズの方が背負ってるものに重たい部分もある分で、読み応えという点でもやはり「軽い」感じは否めないかも知れない。
このお話の面白さは、どちらかと言えば商売人的気質が強いジャクソン統一惑星方面から(そちらでは一度負け犬になって)やってきた人々が、古武士的生き様が基本にあるバラヤーの人々の中に入り込んで、そこで何とかして再起を図ろうとする動きに、主人公でバラヤー人のイワンが巻き込まれて起きる大騒動、と言うところにあるんだけど、そこのところになんというか、テレビの連続ドラマ的なテンションしか感じられないんで、正直中盤を過ぎるあたりまで、どちらかと言えば退屈な展開が続くんだった。
ただまあ、そこからラストに向かってはちゃんと盛り上がりはあり、クライマックスのスラプスティックぶりもかなり笑えるものになってはいるんだけど、それでも先に書いたとおり、マイルズとの持ってる(持たされちゃってる)ものの重さの差が、読み応えの部分に出てしまっているかなあとは思った。全体的に軽いよね、ってことで。ってまあ最近のマイルズ君も結構軽い方向でドタバタやってるんで、このシリーズはこういう方向に向かってるよ、ってことなのかも知れんけど。
いつもはイワン君がやっていた割を食う担当、今回はイワン君は主役なのでそちらを担当するのはバイ君。結果的に一番美味しかったのは彼かもね(^^;。
★★★
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