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阪急梅田駅では日常的な光景ですが、個人事業主にいきなり特急作業が振ってくると大変なことになる(w。先週後半にUM氏からちょっとまとまったコーディング仕事が降ってきて、そいつに対応している最中に、同じUM氏から「明日の夕方までに上げて欲しいんだが」というコーディング仕事が3つ連続で降ってきてコイツはえらいこっちゃ、と。基本スタティックなHTML書きなので技的に不安はなかったんだけど、どいつもこいつもページの縦サイズが2000ピクセルに至ろうかという長大なコンテンツで、とにかくボリュームがハンパねえ。
どうにかこうにか本日、特急3本分は納品完了したんですが、まだ急行2本が残っていると言うね(^^;。
ジョン・ヴァーリイ 著/浅倉久志・他 訳
カバーイラスト シライシユウコ
カバーデザイン 早川書房デザイン室
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012019-1 \1300 (税別)
ジョン・ヴァーリイの珠玉の短篇6編を新訳、改訳も含めて収録。
既読作も結構あるはずなんだが、意外に忘れているものだな、と言うことで結構新鮮に読めた。ということでさっそくお話ごとに。
水星暮らしの僕の元に、月育ちの双子の姉妹がやってくる。それぞれに環境に適応した形を備えた二人が経験するカルチャー・ギャップと未来社会と現在ただいまの我々が普通のことと思っている社会的通念的なものに軽く楔を打ち込んでみせる。未来を空想してそこにフリークスを見出している我々だけど、未来のフリークスから見れば現代の我々こそがいびつなのかも知れないよ、みたいなね。
"ディズニーランド"に引きこもるニート君。だがこの世界の外からの彼に対する視線は全くの別物で…。ここで言うディズニーランドは夢と魔法の王国と言うよりは科学と技術の楽園に付けられた喩えみたいなもの。ドリームランドみたいなもんか(違うよ)。ちょっとビターなジュヴナイルとして読んでも味わい深い、かもね。
麻宮騎亜さんがカバーイラストを描いてた版(創元だったかな)で読んだ覚えがあるんだが、割とがっつり忘れてた。アンナ=ルイーゼ・バッハ警部補が主役のシリーズものの一作。「とある」シリーズに影響を与えたかどうかは知らない(w。その伝をひっぱるならば、「妹」たちにも個性が生まれたように、畸形として産み出された者たちの中にさらなる畸形が産まれたら、みたいなお話がミステリ仕立てで語られる。
我々が知っているのとは少しばかり異なった歴史をたどった世界で、望まないのに畸形として産まれざるを得なかった子供たちが作り上げる、少し歪んだユートピアの物語。初出が1978年、そろそろジャパン・アズ・ナンバーワンなんて言葉が出てこようかという頃か。そんな歴史背景にチャイナ・シンドロームの記憶がまだ拭いきれない時代、に描かれた世界観がちょっと興味深い。
畸形つながりで言うなら、こちらは畸形とならざるを得なくなったものをアシストするテクノロジの登場が、人々にどういう影響を与えるのか、と言うようなお話と言えるか。なんというか、意識高い系女子とダメ男の破局が避けられないことは当事者以外の全員がわかってしまっているラブ・ストーリィ。「バービー…」の主役、アンナが脇役で登場している。
本書で唯一、あきらかな畸形は登場しないお話。人間が変わる、というよりは世界に得体の知れない技術的な何かのレイヤーがオーバーラップすることで、予想していなかった状況が産み出されるかも、という一種のテクノ・スリラー。ヒロインの顛末がちょっとしゃれにならん(^^;。
という感じかな。読み終わってみると意外にキイ・ワードは「畸形」なのかなという気はした。「フリークス」とはちょっと違うんだよな。フリークスは(自分のイメージですが)異なることを「変わってますが何か?」で済ますのに対して、「畸形」と言う言葉を使うと、そこにはなにがしかの差別されている、という印象とそれから来る劣等感と、そしてそれを克服しようとする意識みたいなものが少し強めに入ってくるような気はしてる。そこがヴァーリイ作品の魅力、なのかどうかは良く解らん。でも懐かしさも込みで、楽しく読める一冊でございました。
★★★★
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ヴァーリィやっぱり良いですよねぇ。私なんかが常識だと思ってることを根本から「本当にそうなのかい?」って問い直される感じが大好きです。<br>『残像』にはホロリと来ました。
自分はなぜか「ブルー・シャンペン」がお気に入り。なんでしょうね、このダメ男くんの可哀相なんだけどどこか半笑いになっちゃう悲恋感(^^;。<br>「八世界」シリーズのアンソロジーも出てるんですよね。一作重複しちゃうけど、こっちも行っとかないと…。