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元号は変わってるわ、プロ野球は始まってるわ、カミさんは相変わらず入院中だわ、そんな4月の始まり。Twitterにも上げた写真なんですが、少し前に従姉妹殿と「カミさんの退院と桜の開花、どっちが早いだろ」なんて話をしたんですけど、どうやら桜が勝ったようですね(^^;。
山田正紀 著
カバーイラスト 山本ゆり繪
カバーデザイン 東京創元社装幀室
創元SF文庫
ISBN978-4-488-77701-2 \920(税別)
メディア管理庁、通称「メディ菅」によって様々なメディアの表現に規制が加えられる世界。この世界で僕の母は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に未発表の稿があると言う説を唱え続け、それはメディ菅によって強く否定され続けていた。そんな母だったが、僕が16の時に逝ってしまった。その遺灰を賢治の故郷、花巻の豊沢川に散骨して欲しいという遺言を残して。
そんな母の遺言を果たすべく、花巻に向かった僕だったが…
土砂降りの花巻で僕が目にしたものは、とっくに退役したはずの狭軌の路面電車。その車体は昭和初期に現役だったもののはず。何かのきっかけで自分はタイムスリップしてしまったのか、と続き、そしてそこからお話は二転三転していくことに。僕が今いるところは昭和8年の花巻、日付を見れば二日後が賢治の命日。もしかしたら彼の急死を阻止できるかも知れないと考えた僕だったが、僕のいる世界では…、という最初のショックから、次々と現代の我々が知っている史実とは違う展開がたたみかけられる。
と言うことはいわゆるタイム・パラドックスをテーマにした作品なのか、と読んでるこちらが思い込みかけたあたりでさらなるトゥイストがやって来て、割とマジで「ええー?」って思ってしまった。サブタイトルはそのあたりにかかってます(w。
この辺で留めておかないと、何を言ってもネタバレになってしまうのでちょっと辛いんですが、とにかく転がりまくっていくお話の面白さ、情景描写の美しさ、現実、ってモノの覚束なさとそれ故の愛おしさ、そして何よりも日本人作家による文章のリーダビリティの高さ、と、いろんな点でとてもステキな一作。さすがは山田正紀さん、堪能しました。その入口の敷居の低さも相まって、万人にお勧めできる一作なんじゃないでしょうか。ラストの余韻まで、最初から最後まで味わいました(^^;。
★★★★☆
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