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2019-08-25 [長年日記]

[Books] 機忍兵零牙(新装版)

機忍兵零牙〔新装版〕 (ハヤカワ文庫JA)(月村 了衛) 月村了衛 著
カバーイラスト ギュスターヴ・モロー「ソドムの天使」
カバーデザイン k2
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031381-4 \800(税別)

遠来忍者

こことは違うどこか。あらゆる次元を破壊し尽くそうとする<無限王朝>。その支配下にある忍びの者たち、骸魔忍群の攻撃で一つの国が今まさに滅ぼうとしていた。潰滅寸前の王城において、残された姫と幼君を無事逃がすべく、現君主は一人の忍びに願いを託す。彼こそは骸魔と互角に戦える伝説の忍び、光牙忍群の手練れ、零牙だった!

あらすじ、普段なら「零牙だった…」にするんだけどこいつはなんとなく「!」で〆たくなっちゃう感じ(w。「機龍警察」の月村了衛さんの初期連作集。出た時に目に入ってはいたんだけど、「なんか未来忍者みたいな話なんだろうな」ぐらいの感覚でパスしちゃってたんですが、新装版という事で手に取ってみた。そういう事情なので2010年に出版された時に比べてどのくらい変わっているかとかは良くわからないんだけど、いや、前の読んどきゃ良かったよ。「未来忍者」みたい、って予想は割と当たってたけど、そこに著者の文体(上手く言えんけど、漢字の短めな熟語を非常にリズム良くつるべ打ちしてくる、読んでく間の見る快感、みたいな物がリズム良く上がっていく感じ、と言えるかな)の絶妙な巧さが加わっていて、ここのところが素晴らしい。

お話は、著者自身が述べているように山田風太郎の一連の忍法帖の影響を多く受けているし、そこへのリスペクトはたっぷり込められた物となっている。なにせ味方の忍群は光牙(こうが)なんだから。次々繰り出される忍術合戦、「伊賀の影丸」なんかにも通じる星取り表的敵味方の星勘定、ベタというなら言えば良いさ、面白ければ文句なかろう? って思い切りよく叩きつけられたエンタティンメントの快作として、ええ、面白いです、文句ないですよ。

その上でさらに、自らがリスペクトしたであろう先輩作品にはなかった新機軸もちゃんと用意されてるあたりがなかなかやるね、って感じかな。ここらはネタバレになっちゃうので詳しくは述べませんが、SF的な仕掛けをひとつ、入れているのだね。これがある故にこの作品、脳味噌からっぽエンターティンメントだけでは収まらないようになっているあたりがまたニクい(w。それがお話にものすごく大きな影響を与えている、とは正直言えないと思うけど、それでもこれがあるために、ちょっとした奥行きを本作に与えているような気がするな。で、この奥行きは「続き読みてえな」って気持ちを想起させる原動力になっているんだと思う。上手い構成だし、マジでもうちょっと続きが読みたくなりますね。月村さん、続きは書かないのかなあ。

という訳で、けちけちしないで一気読み(無理なら1日1エピソード)が吉な本。雨宮慶太監督で映像化してくれたら凄く嬉しいかも。

★★★★


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