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ようやく納骨堂の話が本決まりになったので、契約のために三宮からちょい東にあるお寺さんまで。世間話などしつつお金(割と持って歩くにはドキドキする金額)を納めてぽんぽんとハンコを押して、玄関のオートロックの解錠用のセンサに手の甲の静脈のパターンを登録する、というなにやらハイテクな儀式で契約の儀、完了。お骨は6月頃納めさせていただく予定。
いい陽気だし歩くかーってことで三宮までてくてくと。春日野道から生田川のあたりまで。
生田川の橋あたりから新神戸方面を見る。
さらにてくてく歩いて、加納町の交差点の歩道橋から三宮方面を。奥に向かって歩いて行くと三宮到着。ちょうどいい時間になったので久しぶりにSavoyでカレー。カレー食った後はちょいと西に移動して、シネ・リーブル神戸で「百日紅~Miss Hokusai」鑑賞。感想は改めて。後はいつものように新開地まで歩き、立ち飲みでぷはー、な一日。
やー、よう歩いた。
スタッフ
原作:杉浦日向子
監督:原恵一
脚本:丸尾みほ
声の出演
杏
松重豊・濱田岳・高良健吾
美保純・清水詩音・筒井道隆
麻生久美子・立川談春
入野自由・矢島晶子・藤原啓治
公式サイト:http://sarusuberi-movie.com/
江戸後期を代表する浮世絵師、葛飾北斎。絵を描く事だけが生きがいで、世の損得などには欠片の頓着も無いこの男を父に持ち、決して良い器量を持っているとは言えない上に気っ風は父譲りな娘のお栄、侍を辞めて北斎のもとに転がり込んできた見習い絵師の善次郞、何が気に入ったのか凝んな家に寄りついてしまった子犬…。癖のある人々を通して見えてくる四季折々の江戸風物詩。
杉浦日向子さんの原作マンガは未読で、完全に前情報なしで見たのだけれど、本作に関しては原作を読んでおいた方が楽しめるのじゃないかな? という気はした。勝手な話だけどこちらには「オトナ帝国」の原恵一、という先入観があるものだから、どうしてもある程度、ドラマとしての起伏というか、盛り上がりのようなものを期待してしまうのだが、そっちへの思い入れが強いと結構な肩すかしを食らう事になるかもしれない。
たぶんこれは、原作マンガが1話完結のショート・ストーリィの体をなしていて、一本、筋となるようなお話はないのだろうと思う。結果映画の方も、オムニバス形式といってもいいような体裁になっていて、ここ(この映画には一本通った筋はない、ということ)に早めに気がついたらそれ以降はそれなりに楽しめるんじゃないだろうか。お話を通じて何か達成するような目標がある、とか何かを失うお話である、とか、そういう風に映画を見ていってそれなりに感情の起伏をコントロールされて最後に何らかの感情的な盛り上がりをプレゼントしてもらうタイプの映画じゃないんだ、と気がついた後はそれなりに楽しめる、というかね。自分は映画が半分ぐらい進んだあたりで「あ、これは最後に盛り上がりが来る映画じゃないんだな」って思って、それからは絵の表現とか細かい演出とか、犬の成長っぷり(^^;っとかを楽しんで見ていけましたが。
そういう意味では断片的に、すばらしいところは一杯ある映画だったと思う。絵的な表現の美しさ、ストーリー上の現実と北斎の画業が融合していく演出、表現者として尖っている北斎とお栄に対してそこまで尖ってない善次郞との対比、辛うじて全編を通じてのストーリーのバックボーンになっているお栄の妹、お猶の物語など、見るべきところは結構あったと思うし、そのそれぞれの断片はすばらしいものだったと思う。
ただ、原恵一の映画を見に来てこれは無いだろ、って気になってしまうのも確かなところで、やっぱり一本「スジ」を通して欲しかったなあという気はしない事もない。原作へのリスペクト、も大事だとは思うけど、敢えて断片的ないくつかのお話をベースに、一本の「物語」を作って欲しかったんだけどなあ、って気持ちはやっぱり払拭できかねますわなあ。
一方的な思い込みが裏切られて文句をつけるってのもどうかと思うけど、裏切られたけどめちゃめちゃ面白かった、とはならなかった時点でやっぱり残念賞寄り、だったかな。
最後にパートごとにちょっと言わせてもらうなら、絵は文句なし、声はおおむね文句なし(お栄の杏さんをどう評価するか、だろうな。正味ヘタだけど、悪くは無いとオレは思った)、音楽はちょっとダメ、ですかね。時々音楽がうるさい、と思うところがあった。
★★★
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