ばむばんか惰隠洞

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2004-05-13 この日を編集

[web] めしどこか たのむ

久村さんのFeel Pink, Find Seven経由、【電車男 緊急指令 「めしどこか たのむ」】(かなり長いよ)。電車の中で酔っ払って女性に絡むじじい。なけなしの勇気を振り絞ってじじいを注意したアキバ系非モテ男。逆ギレするじいさん、だがそのあと事件は意外な方向へ………。

いやあなんちゅうか、ええ話やなあ、壮大なネタでないんなら………とつい考えてしまう私は、もう汚れきってしまっているのね(^^;)。

[Baseball] なんとか対巨人三連戦勝ち越し

ついでにしんのすけと巨人の連続本塁打もストップ。しかも今日はいかにも阪神なオオボケハッスルプレイは見れるわ、最後まで勝った気しねえわ、実にこの、阪神ファンであることの醍醐味を満喫させて頂きました。途中で放映打ち切ってくれた日テレさんありがとう。あのまま見続けてたら絶対、巨人にぼこーんと打たれてたと思うもんな。

[TV] どっちの料理ショー

ナイター中継から続いて。なんだなんだ、久しぶりにみたら、番組のフォーマット変わってるぞ。うーん、関口側が勝ち過ぎじゃーとか、そういうところを問題にするような番組じゃないと思うんだけどなあ。ま、それはともかく今日のお題はやきとんvs串カツ。やきとん? はてとんと聞いたことのない…。ああ、焼き鳥の具がいろいろあるようなもの、つか関西で言うところの串焼きですかい。とりあえず豚バラをタレに浸けて焼くのは感心せんのう、あれは塩焼きじゃろー、などと思いながら見てたら、ホンコン以外全員やきとんを選択。うーん、串カツ美味いのにー。東京のタレントさんは三宮から新開地まで古本物色しながら歩いて、立ち呑みに入って生ビールぷはー、串カツはむー、の経験、ねえんだろうなあ(ねえよそんなもん)。

[Comics] お買い物

青池保子「エロイカより愛をこめて」(30)。これもたいがい、まったり連載になってるなあ。今回は「Z」の最終話も収録。スパイがスパイらしく活躍できない時代になった、てのはベルリンの壁がなくなったあたりからすでに言われてたし、冒険小説の世界も、おかげで面白いスパイ物が減ってしまったわけですが、コミックスの世界にも、とうとうその影響が来てしまったのね。「スパイ手帳」にあこがれたワシらの世代としては、少々淋しいもんがあるかもな。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

もんちぃ [漏れも汚れているのを確認しまつた。(つoT)]

ROVER [おとなって………これだ(カミーユの声で)。]

bongo [weight loss phentermine http://www.network.axe.cc Phenterm..]


2005-05-13 この日を編集

[web] 使い回しには気をつけて (23:05)

JTのサイトに行って、検索窓に"F1"と打ち込んで結果を見る。検索結果は3件、うち上位二つは"What's New in MILD SEVEN F1 Team"。ほうほうと思ってクリックする。結果……ハァ?

迂闊だなJT。

[Books] SOS宇宙船シルバー号 (24:45)

本書カバー 光瀬龍 著
三省堂 SF傑作短編集 12
1977年11月初版 時価

なんとかしなければ……。いまのうちになんとかしなければ。

「ボーイズライフ」誌などに発表された、光瀬龍のジュヴナイルSF短編集、表題作他8編収録。

商売ものに手を付けちゃったシリーズその2。表題作の「SOS宇宙船シルバー号」の初出は1965年の「ボーイズライフ」誌らしい。さすがは吾妻さんが修行の糧にしただけの雑誌ではあるな。ちなみに1965年、と言われては私もまだ6歳、「ラット・パトロール」に夢中になってた頃だよなあ(それはそれで歪んでるな)。

さて日本SFの流れってものを考えてみるならば、その流れの根底にあり、かつ欧米SFと明らかに一線を画するものとして、より身近な危機感と無常観、って物があったんじゃないか、特に初期の日本SFを支配していたトーンというのはそれだったんじゃないだろうか、という気はしているわけだけど、ジュヴナイルSFを集めた本書が、基本的にそのトーンにおいて、ジュヴナイルにあるまじき展望のなさと、近い将来への危機感に充ち満ちたものの集大成になっているってあたりでも、その意識が案外的はずれなものじゃあなかったのだなあというあたりの、良い再確認のための材料になってくれたなあという感じではある。

ベトナム戦争は泥沼化し、東西冷戦はいかな快方に向かわない。しかも世の中には今までになかったクライシスとして「公害」と言うモノがクローズアップされつつある。このままでは人類は、程なく自滅してしまうのではないか、と言う危機感が一番大きなものになっていたのが60年代の終盤から70年代にかけてだったのだよね。この時期に青二才をやってた私らは、そらもう簡単に「ノストラダムスの大予言」を信じてしまう連中だったわけだ。

例えば当時のSF映画のタイトルを思い出してみればいい。「ソイレント・グリーン」、「渚にて」、「地球爆破作戦」、「世界が燃えつきる日」、「猿の惑星」、「サイレント・ランニング」、「THX1138 4EB」もこの系統だよな。共通するのは人間に任しておいては地球の将来は暗い、というトーン。これは日本では、第一世代SF作家たちによる無常観溢れる作品群と、第二世代SF作家(山田正紀さんとか、永井の豪ちゃんとかもここに入るんだろうな)による、無常観と、それに対する異議申し立てを併せ持った数々の名作を生む土壌になったのだろうと個人的には思ってる。で、本書。

これは本来、少年少女に夢と希望を与えるべきジュヴナイルであるにもかかわらず、そのトーンは限りなく暗く、重く、そしてしばしば小説として壊れてる。構成の壊れっぷりに目をつぶってまでも、作家が「今なんとかしないとホントにマズいんじゃないか」と思っていたのだろうな、と思わせる作品がいくつも見受けられる。ええ、お話には「伏線」って物が必要でしょう、それをうまく張ってこそ作家でしょう、と言いたくなるくらい出来の悪い小説もこの中には含まれているのですよ。この本が刊行された1977年にこの本を手にとって、読んだ読者にとって、その読後感はそれから四半世紀以上経った今、惰隠洞のオッサンが思う「おいおい、考えすぎだよ」と、さほど変わらないものなのではないかな、と思う。でも。

もとよりこの本に収められた作品たちの、正しい初出の時期というのが今は判らないのだけれど、これらの作品が書かれた、その時ただいまの危機感、無常観、は確かにあったよな、本当に世の中gが何かに心配していたよな、みたいな危機感があったことは私個人は理解できます。それ故小説の作法とかを多少犠牲にしても、読者に「なんとかしなければ……」と思って欲しい、という作家の心情が強く反映されてる本、というところで価値のある本なのかなあ、と。

個人的には、1970年代ってこういう時代だったよなあ感が思い出される、妙に懐かしさ溢れる短編集ではありました。今これを読む人はどういう感想を持つのだろうね。

(★★★)

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

キャプテン・シライ [あ、この本、欲しいです。何時頃店頭に出ますか? って、此処で聞くことじゃありませんよね、失礼しました。 初出はこち..]

ROVER [次回の追加を、これらのハードカバー軍団にするか、模型関係がちょっとあるのでそっちにするかで思案中です。 ただ申し訳な..]


2006-05-13 この日を編集

[Stage] 美しの水 White (25:22)

新神戸オリエンタル劇場で劇団AND ENDRESS 「美しの水 White」を観劇。途中に一度休憩を挟んだ3時間オーバーの大作。「美しの水」は義経伝説をテーマに、White、Blue、Red、それから短篇四つをまとめたオムニバス、Purpleの4編からなる、全部見たら15時間になろうかというシロモノ。今回神戸ではWhite、Blue、Redの3編が公開される。で今日が初日。明日BlueとRedの二本が上演されるわけ。本日上演されたWhiteは義経伝説の前哨編。主人公は源義朝、常盤御前、平清盛がキイ・パースン。なんでもガンダムにたとえたらわかりやすい法則に倣うならば、義朝=ドモン、常盤=レイン、清盛=ウラベで、重要なのはレインなんだけど、ウラベさんたらレインも欲しいけどドモンも気になっちゃってしょうがないんでさあ大変、ってのがまあストーリーのキモだろうか。「その他」に分類されるタイプの役者さんたちの質と量がかなりハイレベルで感心した。主要な役どころを演じる役者さんたちの演技も、もちろんその他の人々に負けていないし、アドリブのうまさなんかはさすがと思わせるのだけど、どうだろ、力作であることを認めつつもその3時間の上演時間、もうちょっと切れんかったかという気はする。あと、SEはかなりレベル高かったけど、BGMのボリュームのコントロールは劣悪のレベルではなかったかと思う。

なによりご愁傷様だったのは、どうもチケットの売れ行きあんまり良くなかったみたいで(ここからは私の想像ですよ、確証ゼロですんでそこはよろしく)、たまたま神戸に来てた関東の中学だか高校の修学旅行の生徒たちに大量にチケットが流れた雰囲気があって。

何が起こったかというと、終劇あとのカーテンコール、アンコールがなかったのね。普通お義理でもアンコールってのは一回はあるものだと思うし、そこそこ文句はあるけどアンコールする価値は充分ある力作ではなかろうかと思ったのに、この仕打ちはちょっと気の毒だったなあ。かなりしつこく拍手したんだけど、付き合ってくれる人が案外少なかったってのは私もショックでございました。

てことでオレは明日、続きのBlueとRedを見るんでもう寝るよ。とにかくWhiteの3時間オーバーでケツが痛いよ。思わずたちきやで飲んじまうぐらい。電車で帰ってこられて良かった。

[Day] オマケ写真

昨日のたちきや昨日飲んだお酒は、ちょいと控えめに「純米吟醸 春鹿」、「勝駒」、「明鏡止水 垂氷(たるひ)」。「春鹿」というとがつんと辛いお酒ってイメージがあるが、コイツはそんなコトはなく、意外にもほんのり甘みも感じるすっきり系。タカシ君いわく、「本来の春鹿はこちらが持ち味」なのだそう。「勝駒」は富山のお酒であたしも実家に帰ったときには飲む。こちらも辛めのすっきり系。写真がないのは、他のお客さんとお芝居の話してる間に瓶下げられちゃったから(w。

夜霧よぉーんでもってもういっちょオマケ写真。私の住んでる鈴蘭台と言うところは、近くに水源地があるのでちょっと湿気が上がって少し気温が下がったりすると盛大に霧が発生する。この日も一日降ってた雨が上がったあたりで濃霧状態。手で掴んだら握れそうなくらいの霧で、歩いてると口の中に霧が入ってくるのが分かるぐらい。写真は0時過ぎの北区役所(左)と私の住んでるマンション(右)。


2007-05-13 この日を編集

[TV] 定期視聴番組 (23:26)

「ラブ☆コン」、「ひだまりスケッチ」、「銀河鉄道物語」、「神曲奏界ポリフォニカ」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes! プリキュア5」。「ひだまりスケッチ」、結構面白かったのにもうおしまいですか…。

「ゲキレンジャー」は、池田秀一は何をやっても池田さんだなあって感じで。いい声なんですけど。「電王」は平成ライダーの得意技、不思議脚本炸裂の回。割と面白かったのが「プリキュア」。弾けるレモンの香りはともかく、年長さんあたりはてきぱき家事もこなすのかと思ったが、考えてみればお二人さんともええしの娘さんだったんだよな、そりゃ家事なんてできるわけはないよな、と。あの5人の中で一番ノーマル・ポジションに近いところにいるのはリンちゃんなんですね(w。

[Books] 眩惑されて (24:59)

4062756730406275715X ロバート・ゴダード 著/加地美知子 訳
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
講談社文庫
ISBN978-4-06-275673-0 \876
ISBN978-4-06-275715-7 \895

それは目の前で起きた。白昼の幼児誘拐と致死事故。その時そこにいて、すべてを目撃したアンバーの人生は、そこから大きく変わってしまう。そして20年。かつて持っていたほとんどのものを失い、プラハの街に暮らす彼の許に、20年前の事件の記憶を呼び覚ます一人の男がやって来たことで、アンバーの人生にはもう一度、避けられない大きな転機が訪れようとしていた…。

ゴダードの定番、やる気をなくして落ちぶれる一方のダメ中年が、とあるきっかけで不可解な事件に巻き込まれ、ダメはダメなりに頑張っていく上でさまざまな経験(その多くは、打ちのめされ系)をしていき、挫けそうになってはかろうじて持ち直し、事件の意外な真相に迫っていくようなスタイルの物語。最新作は比較的短めの章立てで構成された序盤のリズムがちょっと面白い。筋立ても"ゴダード・スタンダード"を必要条件のレベルでは満たしていると思うので、そういう意味ではまあ、水準作と言えるだろうな。いかにもゴダードらしい、手がかりに迫ることができた、と思った瞬間にその手がかりがするりと手をすり抜けて逃げていき、気がつくと主人公はいつの間にやらのっぴきならない立場に追い込まれ、さあ打開策はあるのか、ってな展開は健在なのだが、そこまでの流れと最後に用意されている大どんでん返しのショックの部分がややパワー不足かな、と思ってしまうのだな。

ゴダード作品に付き合ってきた人なら分ってもらえると思うのだけれど、この人の作品の魅力は、読んでるこちらが思いっきり捻って推理したことの、さらに斜め上の結果を軽々と見せてくれるところにあると思うわけで、それは作品を読んでいく上で、「こいつはあり得ないだろう」と思えるようなキャラに、そういう理由だったのか、と有無を言わせぬ理屈をつけて突然重要人物に仕立て上げ、しかもそれすらもお話の展開の上で平然と「でもここまでだよ」、あるいは「実はさらにこういう意味もあってね」などという展開を読み手に見せつけて、途中まではある程度推理できていて、今度こそ話の筋は読めたぜふふん、と思ってるこちら(読み手)を裏切ってくれる底意地の悪さにあると思うんだけれど、残念ながら本書はそこまで底意地は悪くない。そこでどんでん返しは終りなの? という不満が出てきてしまうのだな。

ゴダード得意の歴史的ミステリへの言及(今回テーマになっているのは18世紀の英国で匿名の体制批判者として名を馳せた"ジュリアス"なる人物。「エンダー」シリーズの"ヘゲモン"的な位置にある人物、といえるか)や、気がついたらゴダード作品でも普通に携帯電話が小物として出てくるのだなあ、といった妙な感慨もあるにはあるが、やはりゴダード作品としては上位にランクさせることはしづらいなあというところか。あとはなんだ、物理的な分量として「薄い」とは感じる。活字サイズもあるとは思うが、やはりゴダード作品はもうちょっと濃密に活字が詰まっていて欲しい気もするわけで、そこら辺も少々物足りなかったかな。ケチをつけつつもそこはゴダード、決してダメだとは思わないのだけれど、んー、でもゴダードだからなあ、もうちょっと翻弄して欲しかったとも思うのだよね。

★★★


2008-05-13 この日を編集

[Day] 雷が鳴ってるぞ (24:10)

作業切り上げの良い口実が出来たな、っと。


2009-05-13 この日を編集

[Day] お礼してまいりました (23:27)

やっぱ人間、「顔を見ればそんなイライラ、すぐに忘れるよ」(ハサウェイ・ノアさん 談)って話だよな。会ってみたらば普通に気の良い方で、しばらくあれこれお話して、お礼をお渡しして「拾得物件預り書」なる書類をいただいてまいりました。こいつに受領した旨の署名捺印をして、警察署に届けたらば、今回の落とし物騒動は状況終了、って事になりますな。

ってことで昨日の電話でのやりとりでムカついて、お礼としてお渡しするつもりだったビール券、最初の予定より一枚少なくお渡ししてしまったことを、ちょっとだけ後悔しておりまする(^^;)。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

加賀須野 旭 [お疲れ様でした(主に心が)。この問題結構面倒だなと私も見てて、警察に拾得物を届ける時は謝礼放棄、連絡不要にしてます。..]

rover [自分は今回、落した側なので弁解の余地なしなんですが、気持ち的には感謝してるんだけど、それが伝わらないと、こっちにもそ..]


2011-05-13 この日を編集

[Books] 天獄と地国

天獄と地国(小林泰三/著) 小林泰三 著
カバーイラスト 星野之宣
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031030-1 \840(税別)

わりと投げてる

ゆるやかに衰退し続ける世界。人々は大地を上に、足元には宇宙を眺め、頭上の岩盤からわずかばかりの熱や元素を得て細々と暮らす「村人」、彼らを襲撃してその蓄えを簒奪する「空賊」、そして村人と空賊の戦いのあとにやってきて、そのおこぼれを浚う「落穂拾い」に分けられる。そんな落穂拾いたちの一団が遭遇した物は、この世界にわずかに残された究極の兵器の一つだった…。

海を見る人」に収録されていた同名の短編を長編化した作品。巨大なリングワールド(その内側にたぶん地球があるんだろう)の外側にへばりついて暮らす人々、という無茶(だけど魅力的)なアイデアで押し切った作品だったわけだが、長編化されるにあたって、リングワールドの外側に暮らすことのディティールってあたりに筆が割かれているという感じか。わざわざ過酷な環境で暮らすことになってしまった人々にとって、その世界で生きるとはどういうことなのか、そこから別の世界へ向かうとはどういうことなのか、というあたりを書き込んでいこう、と。天の側が「獄」で地の方に「国」があると言う設定の面白さは、確かにある。

短編の方がどういう話だったか完全に忘れていたので、これはこれでそれなりに楽しく読めた。リングワールドの外側というユニークな設定における人の暮らしぶり、と言うところのハードSF的な設定は(わたしゃちょいちょい置いていかれそうになってますが)面白いし、外があるなら内はどうなんだろう、と言うところへの話の持って行き方も悪くない。ただ、お話の流れそのものは少々ブツ切り感と投げてる感が散見され、お話を楽しむ、と言う部分の快感はあまり得られないかも。そもそも何より、お話が全然終わってないのにページはおしまいまで来てしまうのだよな。

いろんな謎をばらまいて、続きに期待してね、的に終わる本。これだけで何かを評価するのはアンフェアな気はするんだけど、んじゃあこの続きは書かれるんでしょうかね? いろいろ引っぱる物があるので、続き書いて欲しいです。これ単体ではちょっと残念賞よりの一作。

それにしても、「ザビたん」て……

★★★


2012-05-13 この日を編集

[Baseball] カッタデー!!

DB3-8T。気がついたら試合終わってたんですけどね。

まあベイのファンの方には悪いけど、ここ相手に負け越しとったらお先真っ暗だわね。

[Oldbooks] 買うと安心しちゃう系、だったかな

LD-BOXたち軽石庵の棚にLD並べようシリーズ第2弾、特撮、アニメ、あとLD-BOXの書影(じゃないね、ジャケ写だ)を撮影してデータづくり。意外に手間取ってます。それにしてもやっぱLDは嵩張るね。BOXはそんなになかったんだけど、それでも積んでみたらこの有り様。そりゃDVDに取って代られるわなあ(^^;。

一応軽く中身もチェックしてるんだけど、「ウルトラセブン」とかシュリンク破ってない(つまり一度も再生してない)ディスクが結構あるのな(基本自分のコレクション放出ですんで)。「ウルトラQ」は全部ちゃんとあけてる。「ウルトラマン」もあけてる。でも「セブン」は最初の4枚ぐらいしか再生してないんだね。

「ウルトラセブン」は自分的に小学2年の時の放映。多分当時もこのあたりで興味が持続しなくなっていたんだろうな。で、そう言うのって結構大人になっても引きずるもののようですな。

んとね、「セブン」が高い評価を受けている作品であるって事は分っているし、それは正しい評価だとは思ってるんですよ。でもやっぱオレは「セブン」好きじゃなかったし、それは大人になった今でも同じ。

ペガッサ星人のエピソードあるでしょ。あのラストが子供心にカチンと来たんだよね(w。「あの臆病な宇宙人は、これからも夜の闇に紛れて怯えて生きていくんだ」みたいなセリフ(うろ覚え)をダンが言うじゃない。ふざけんなよ、と思ったんだ。そのあたりが、それまでの「Q」とか「マン」とかとの決定的な違いだったような気がする。問題意識はおっけーだ、でもそれは小僧には届かない。そこの所の距離感を「ウルトラセブン」ははかり損ねていたんじゃないのかな。だからちょっと年長さんになって、再放送などで「セブン」を見て、「すげー!!」って思う人が多かったってのも理解は出来るのね。でも自分的にはアウトです。洟垂れ小僧を満足させてくれなかった、って言う一点において、「ウルトラセブン」は失格なのね。

なんてな事を漠然と思い出しながら写真撮ってました(w。


2013-05-13 この日を編集

[Day] でいあいわい

B003OKV368少し前に、以前お風呂の改装やってくれた業者が店を畳むことになったってことで、そこの引き継ぎをやることになった業者さんが挨拶にやってきて、ついでに今お風呂はどんな感じか見たいっつーんで、見てもらったら、今のところ大丈夫だけど、壁部分のコーキングにやや黒ずみがあるんで、ヒケが出来てそこからすき間が生まれる危険性があるんで、コーキングし直した方がいいかも、ってことで。

まあ大丈夫だってんならまだいいや、って事でお引き取り願ったんだけど、ヒケがあるってんならちょっと盛っといた方がええか、つーことで朝イチで近所のDIYセンターで補修剤買ってきてごそごそ作業。いうてもカビキラーに古歯ブラシでこびりついたカビを洗い落として、水気を取って、後はこいつをにゅーっと塗りたくって後は半日以上放置、ってだけの仕事なんだけど。

とりあえずこれで様子見。

[Books][Oldbooks] 未読を減らそう 「日本SF古典集成 Ⅱ」

画像の説明相変わらずのスローペースながら、読むこた読んでる。横田順彌編・「日本SF古典集成 Ⅱ」ハヤカワJA、1977年初版→amazon(ユーズドのみ)。今回はちょっと風変わりな作品が混じっているかも。感想いくぞ。

風流志道軒伝(平賀源内 翻案・横田順彌)

宝暦十三年の作。単純なファンタジイではなく、いささかなりとも「科学」の部分が追加された作品という意味でのSF、と言うのであればその嚆矢は平賀源内によるこの作品になるだろう、ということなのだそうだ。とは言えその「科学」の部分はホントに薄味。しかもヨコジュンさんの翻案の軽妙ぶりが洒脱すぎるものだから、なんというか、コーシンのマンガの小説版を読んでるような気がしてしまった、って、コーシンならSFでいいのか(w。

月世界競争探検(押川春浪)

明治四〇年の作。時代を考えれば、単純に南洋だったり秘境だったり、といった「行き先」を月にしただけ、って感は無くもないが、それゆえ20世紀初頭の日本にあったであろう、やみくもな「前に進みたい」感、みたいなものはビシバシ伝わってくる。

シグナルとシグナレス(宮澤賢治)

大正十二年の作。「銀河鉄道の線路沿いの夜」的な。こちらは作者の資質もあって、「科学」の部分はむしろ「技術」というレベルまで噛み砕いた上で、そこに極めて賢治らしい、ペーソスこみの透徹したファンタシイがふりかけられた世界になっている。

地球を弔う/星座の主/地球別離/未来への遺言(中山忠直)

大正十三年から昭和三年にかけて発表された詩編たち。ある意味ハードSF的な趣もある宇宙叙事「詩」。なんというか、いわゆる初期の日本SF(眉村卓さんとか、光瀬龍さんとかね)に通じるテイストがあるような気はする。

人工心臓(小酒井不木)

大正十四年の作。今風に言うなら、実際にその方面の研究に従事しているタイプの著者によるメディカルSF、って事になるか。瀬名秀明的ノリ、というのかな。作者は医学畑の人、ってことで、その時点での最新の知識を元に構成された、SFが持つべき使命感に裏打ちされた一作と言えるか。

ただ、それ故に前半が少々冗長で退屈な感は否めないかな。後半ぐっと面白くなるんだけどね。

卵(夢野久作)

昭和四年の作。もはや「夢野久作ブランド」でいろんなものが説明がつくような気が。「異形コレクション」当たりに収録されてても違和感ないし、古さも感じないお話だと思う。

怪船人魚号(高橋鉄)

昭和十二年の作。怪奇風味のファンタシイかと思ったら、お話は実は「D.N.A」でした、みたいな(w。そこの所の裏切られ感は結構気持ち良い。

偏行文明(木々高太郎)

昭和十三年の作。高度に発達した未来文明が内包する危機とは…的な。これも初期日本SF、というかSFがSci-fiというジャンルであるとした時の、そのキャリアの初期に多くみられたタイプのお話と思える。高度に発達し、洗練された科学文明が、その見返りに野蛮とも言える生命力を失ってしまう、みたいなね。

夜のロマンツェ(中谷栄一)

昭和十三年の作。作者は来歴などが良く判らない人らしいが、なんて言うんだろう、マイクル・コニイ的というかボブ・ショウ的というか。いい感じに落ち着いていて、かつ乾いた寂しさみたいなものに満ちあふれているような。

宇宙船の情熱(大下宇陀児)

昭和十五年の作。前述の「人工心臓」の語り手を男から女に変えたら、というノリか。あちらの作者が医学をちゃんと修めているのに対して、こちらはその方面はやや手薄、って事もあるのか、医学部分とは別方面から攻め込むあたりがまた、男と女の語り口の違い、みたいなのを強調する結果になっているのがまた、興味深いというかなんというか。

地軸作戦(海野十三)

昭和十七年の作。ある意味スラップスティック・SFコメディ。意外に大事だぞ、これ(w。この時期にはあの一帯は、ソ連なのだねえ。

ってことで。今回はバイオSF風味が多かったかな。いつの世も「個」としての人類の未来、って所はやっぱ、SF的に切り離しがたいテーマなのだなあという気はしたことでした。


2014-05-13 この日を編集

[Day] 一日遅れで (仮)納品完了

4日で37ページコーディング、はかなり頑張ったんじゃないだろうか、と自画自賛。こっからがいろいろドタバタするんだろうけどね。

にしても最近のwebコンテンツはずいぶん横幅取るようになってるんだな。ついこないだまで「横960pxとか広すぎだろ」とか思ってたんだけど、最近は平気で横1024pxとか使っちゃうんだな。まあそれだけワイドディスプレイが普及してるってことなんだろうけど。

ウチは相変わらず1280*1024なんで(だって8年間、45732時間使ってるけど全く壊れる気配がないんだもん。さすがナナオ)、作業しづらいことこの上ないんですけどね。

[Anime] 定期視聴番組

月曜深夜は大変だ。「それでも世界は美しい」、「M3」、「一週間フレンズ。」、「星刻の竜騎士」、「ブレイドアンドソウル」。「それでも…」、うーん、なんかちょっとウェルメイド感が目減りしてきた感じがあるような。ちょっと雑になったような気がした。「M3」はいろいろ、わからん話が続いてる。集中して見たら味わいがあるのかもしれんけど、集中しなくちゃ、と思わせてもらえないのはなぜでしょう。絵柄が合わない?

後半戦、「一週間フレンズ。」(正しくは最後に「。」が付くんすね)は藤宮さんの記憶喪失ループの理由らしきものが語られる回。一応得心はした。友達との間で何かあった→それで動転して飛び出したら赤信号無視で車とコンニチハ→事故って条件付き記憶喪失、って流れなんだね。その小学生時代の事件をどう解消するか、が藤宮さんのなんちゃって記憶喪失を解消させるキイになるってことなんだろうけど、そこまでやってくれるかな。そこはちょっと難しいか。

「星刻…」こういうモノなんで、これでいいです、が、相変わらずシルバーナイト(で、よかった?)のフォームチェンジ後のデザインが何とも感心できないのはどうにかならんかな。「ブレイド…」、真面目にやってるとは思うけど、ややお話の組み立てが散漫な印象が。娯楽党の再結成ネタとか、挟まなくても別に良かったんじゃなかったのかね。


2015-05-13 この日を編集

[Day] あ る こー、あ る こー、わたしはぁげんきぃ♪

ようやく納骨堂の話が本決まりになったので、契約のために三宮からちょい東にあるお寺さんまで。世間話などしつつお金(割と持って歩くにはドキドキする金額)を納めてぽんぽんとハンコを押して、玄関のオートロックの解錠用のセンサに手の甲の静脈のパターンを登録する、というなにやらハイテクな儀式で契約の儀、完了。お骨は6月頃納めさせていただく予定。

生田川べりいい陽気だし歩くかーってことで三宮までてくてくと。春日野道から生田川のあたりまで。

新神戸方面を望む生田川の橋あたりから新神戸方面を見る。

三宮を望むさらにてくてく歩いて、加納町の交差点の歩道橋から三宮方面を。奥に向かって歩いて行くと三宮到着。ちょうどいい時間になったので久しぶりにSavoyでカレー。カレー食った後はちょいと西に移動して、シネ・リーブル神戸で「百日紅~Miss Hokusai」鑑賞。感想は改めて。後はいつものように新開地まで歩き、立ち飲みでぷはー、な一日。

やー、よう歩いた。

[Chinema] 百日紅 〜Miss HOKUSAI〜

オフィシャルガイドブック スタッフ
原作:杉浦日向子
監督:原恵一
脚本:丸尾みほ
声の出演

松重豊・濱田岳・高良健吾
美保純・清水詩音・筒井道隆
麻生久美子・立川談春
入野自由・矢島晶子・藤原啓治

公式サイト:http://sarusuberi-movie.com/

紙は細部から出てきてくれなかった

江戸後期を代表する浮世絵師、葛飾北斎。絵を描く事だけが生きがいで、世の損得などには欠片の頓着も無いこの男を父に持ち、決して良い器量を持っているとは言えない上に気っ風は父譲りな娘のお栄、侍を辞めて北斎のもとに転がり込んできた見習い絵師の善次郞、何が気に入ったのか凝んな家に寄りついてしまった子犬…。癖のある人々を通して見えてくる四季折々の江戸風物詩。

杉浦日向子さんの原作マンガは未読で、完全に前情報なしで見たのだけれど、本作に関しては原作を読んでおいた方が楽しめるのじゃないかな? という気はした。勝手な話だけどこちらには「オトナ帝国」の原恵一、という先入観があるものだから、どうしてもある程度、ドラマとしての起伏というか、盛り上がりのようなものを期待してしまうのだが、そっちへの思い入れが強いと結構な肩すかしを食らう事になるかもしれない。

たぶんこれは、原作マンガが1話完結のショート・ストーリィの体をなしていて、一本、筋となるようなお話はないのだろうと思う。結果映画の方も、オムニバス形式といってもいいような体裁になっていて、ここ(この映画には一本通った筋はない、ということ)に早めに気がついたらそれ以降はそれなりに楽しめるんじゃないだろうか。お話を通じて何か達成するような目標がある、とか何かを失うお話である、とか、そういう風に映画を見ていってそれなりに感情の起伏をコントロールされて最後に何らかの感情的な盛り上がりをプレゼントしてもらうタイプの映画じゃないんだ、と気がついた後はそれなりに楽しめる、というかね。自分は映画が半分ぐらい進んだあたりで「あ、これは最後に盛り上がりが来る映画じゃないんだな」って思って、それからは絵の表現とか細かい演出とか、犬の成長っぷり(^^;っとかを楽しんで見ていけましたが。

そういう意味では断片的に、すばらしいところは一杯ある映画だったと思う。絵的な表現の美しさ、ストーリー上の現実と北斎の画業が融合していく演出、表現者として尖っている北斎とお栄に対してそこまで尖ってない善次郞との対比、辛うじて全編を通じてのストーリーのバックボーンになっているお栄の妹、お猶の物語など、見るべきところは結構あったと思うし、そのそれぞれの断片はすばらしいものだったと思う。

ただ、原恵一の映画を見に来てこれは無いだろ、って気になってしまうのも確かなところで、やっぱり一本「スジ」を通して欲しかったなあという気はしない事もない。原作へのリスペクト、も大事だとは思うけど、敢えて断片的ないくつかのお話をベースに、一本の「物語」を作って欲しかったんだけどなあ、って気持ちはやっぱり払拭できかねますわなあ。

一方的な思い込みが裏切られて文句をつけるってのもどうかと思うけど、裏切られたけどめちゃめちゃ面白かった、とはならなかった時点でやっぱり残念賞寄り、だったかな。

最後にパートごとにちょっと言わせてもらうなら、絵は文句なし、声はおおむね文句なし(お栄の杏さんをどう評価するか、だろうな。正味ヘタだけど、悪くは無いとオレは思った)、音楽はちょっとダメ、ですかね。時々音楽がうるさい、と思うところがあった。

★★★


2017-05-13 この日を編集

[Day] 倅がエエモンくれた(^o^)

画像の説明夜、バイトから帰ってきた倅が「これ上げる」って。「王将フードサービス従業員ご優待カード」だそうで。あ、いま倅、王将の兄ちゃんやってるんすけどね。

従業員とその家族の王将での飲み食い代を20%割引してくれるという優れモノ。そんな結構なモノなら自分で使えば良いのに、って思ったけど、よく考えたらアイツは賄いで食えるから、わざわざ金払って食おうって気にはならないか(w。

ってことで有難く使わせていただきますよ。来年の8月まで王将の飲み食いは2割引。ぬうん、昼呑みの回数が増えそうだなあ。


2018-05-13 あれ? 書いたつもりだったのに… この日を編集

[Day] まあいいか

もう一回書けば

[Baseball] マケヘンカッタデー!

雨さまさま。

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

土日の分。土曜深夜、「銀河英雄伝説」、あっという間にイゼルローン要塞攻略。いろいろ、駆け足だね。ヤンの幕僚たち、謹厳実直のムライさん、おひげとか生やすかしら。シェーンコップさん、ちょっと若々しすぎるんでは、とかあるけど、これは前作の影響が邪魔してるんだろうね。「GGO」はちょっと凝った造りの総集編。ひかささささん、うるさいです(w。EDのあとのオマケは面白かった。「パンドーラ」、大好物の荒ぶるざーさんの芝居が堪能できて最高でした。

日曜日、「プリキュア」、前に登場した過剰なセキュリティエージェント、えみるちゃん再登場、これがルゥルゥといろんな漫才をやらかす、という話。大変楽しかった。「チョレーイ!」はどうなんだと思ったし、えみるちゃんの出来は良いのであろうお兄ちゃんのたたずまいが「あ、『魔法少女サイト』始まる、マズい」とか思っちゃったのは余計なお世話なんだろうけど(^^;。

「ビルド」、ちょっとボトルの重要さが曖昧になってきたような気が。あと本編でもしれっと言われちゃっていたけど、グリスはパワーアップさせてもらえないんですかね。「ルパパト」、圭一郎さん、とてもいい人(^o^)。


2019-05-13 この日を編集

[Oldbooks] 番頭日記、リスタートしました。

なんだかんだとごたごたしてしまい、はてなダイアリーが強制的に、はてなブログになってしまっても打つ手がなかったんですが、ようやく重い腰を上げて、はてなブログの方もカスタマイズしてみました。と言うかまだ途中なんですけど。ついでにもとは乱土名義の日記だったものを正式に軽石庵の日記、と言うテイに切り替えてもいます。

新しい古本屋番頭日記は「改」をつけてhttps://karuishian.hatenablog.com/で営業再開します。みなさまどうぞよろしくお願いします。

それは良いんですが、はてなダイアリーからはてなブログへの移行の際、ダイアリー側でこちらが独自にhtml書いてたりしたところが巧くブログに移ってくれなかったので、全体をhtmlに落として移行するために、いったんmovabletypeの書式に変換して、それをはてなブログに移行する、って方法でやってみたんですが、このせいなのか何なのか、一日に有効なアーティクルは一つだけ、って事になってしまうんですね。結果、一日に複数の文書を登録したところは、最後の文だけが移行される形になっているようです。結果、新着情報が幾つか(と言うか結構な数)以降に失敗しているみたいです。

はてなダイアリー側のデータは重複させて置いとくのも容量の圧迫になって申し訳ないと思い、まとめて削除した後に気がついたので後の祭(^^;なわけですが、ま、これは仕方ないですね。

[Books] 星系出雲の兵站 4

星系出雲の兵站 4(林譲治/著) 林譲治 著
カバーイラスト Rey.Hori
カバーデザイン 岩郷重力+Y.S
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031370-8 \860(税別)

我々は大勢であるが故に…

ガイナス艦隊を退けたコンソーシアム艦隊に届いた通信、それはかつて消息を絶った味方の警備艦、ヤー・チャイカの識別コードだった。この艦の艦長こそ、全てのガイナスのクローン兵のもととなった、フリッツ霧島。なぜ今、その艦から信号が。

…という冒頭のツカミは実はそれほど大きな意味はなくて(^^;、本書のキモになるのは謎の敵、ガイナスの秘密に迫るパートということになるか。まだまだ、特にその出自の部分に謎はたっぷり残っているんだけど、行動原理、みたいなところに良い感じのスポットが当てられた、ってところはかなり良かったんじゃないだろうか。どういう事かを書いちゃうとネタバレになってしまうので控えます(ていうかサブタイで…)。ここは読んでみて、「ほほう」って気になれること請け合いです(w。なんというかな、敵の未知さに少しずつ切りこんでいく面白さがある、というか。

そこにプラス前作から続く、組織を組織として健全に機能させようとする人材たちの活躍っぷりがいい按配で配置されてるのも高評価か。最強の官僚、とも言うべき火伏の、危ういとすら言えそうな深謀遠慮っぷりも面白い。その上でメインの星系である出雲と、対ガイナス戦の前線であり辺境星系である壱岐との主導権争い、巨大な敵勢力に対抗するための戦術的新機軸や戦略的ロジスティックス(文字通り兵站ですね)をいかに組み上げていくか、と言うあたりを簡潔ながら丁寧に追っかけていくあたりも、とても面白いと思った。

一応これで第一部完、と言うことだそうですが、なにせ何一つ解決していないのでね(w、早く第二部、スタートさせて下さいね。

★★★


2020-05-13 この日を編集

[Books] 2010年代SF傑作選 2

2010年代SF傑作選 2(大森望/編集 伴名練/編集) 大森望・伴名練 編
カバーイラスト シライシユウコ
カバーデザイン 早川書房デザイン室
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-031416-3 \1200(税別)

ベテラン作家を揃えた「1」に対して、2010年以降に活動を開始した作家達の作品を揃えた第2集。10編を収録。

最初に「あとがき」の話をするのもどうかと思いますがあとがきに曰く、このアンソロジーを編む上で大森・伴名両氏が候補リストに挙げた作家は74名だったのだとか。しかし本の容量(^^;には限りがある。というわけで残念ながら収録されなかった作品の方が多いわけで、それだけでも'10年代の日本SFがいかに豊作だったか解ろうて事なのかも知れない。今回も結構既読がありますが、行きますど。

バック・イン・ザ・デイズ (小川哲)

連作短編「ユートロニカのこちら側」の第2話、既読。ナノテクノロジーと記憶の物語。

スペース金融道 (宮内悠介)

こちらも既読。やっぱり面白いねえ(w。

流れよわが涙、と孔明は言った (三方行成)

「泣いて馬謖を斬る」の故事から拡がる奇想、と言えないこともないが拡がり方が人を舐めきっている(褒め言葉)。ほとんどバブリング三国志だな(w。麻雀ネタでポン酒噴きそうになったぞ。

環刑錮 (酉島伝法)

突然四肢が萎縮していく「黴寇(ばいこう)」と呼ばれる一種の細菌侵略的なパンデミックがきっかけで発達した再生医療研究は、犯罪者の四肢を切り落とす「環刑錮」と言う刑罰に転用されていた。父を殺害した罪でこの刑に服している赳志はなんとか脱出を計るのだが…
ねっとり気味のフリークス風味と、キャラクタの描写のトリッキーさで、結構くらくらしてしまう。オチでああそうだったかと納得する、みたいな。さすがのテクニックと思う。

うどん キツネつきの (高山羽根子)

学校帰りの和恵と美沙が古びたパチンコ屋の傍らで拾った犬…犬? はいったい……
そこから始まるちょっぴりおかしなペットと人間達のちょっと不思議な年代記。それなりにほのぼのとした味のお話が、ラストでちょっとぞわっとさせてくる。富山弁SFの趣もありますな(w。

雲南省スー族におけるVR技術の使用例 (柴田勝家)

中国とベトナムの国境付近に棲む少数民族スー族。彼らは産まれた時からVRヘッドセットを装着して生活している。そんな彼らの学術調査に向かった一行が見たものとは。
アカデミック (アカデミックとは言っていない) 寄りなカルチャーギャップもの、と言えるのか。海外の作家でこういうの得意な人がいらっしゃったような気がするんだけど、とっさに出てこないなあ。ハードSF系の人が手すさみでこういうのを書きそうな気もするけど…。

従卒トム (藤井大洋)

既読。感想も変わらず。上手いこと2行で説明しとるな (自画自賛笑)。単体で収録されているので一言付け加えるなら、本作は「屍者たちの帝国」というアンソロジーに収録された作品なんですよ、ってところかな。

第五の地平 (野崎まど)

既読。初めて読んだ時は結構戸惑ったみたいだな(w。読み直してみたら「ああ」と。次元のとらえ方をベースにした大ネタ、って事だったんだね。

トーキョーを食べて育った (倉田タカシ)

既読。前に読んだ時も大変気に入っていた。今回ももちろん楽しみました。

11階 (小田雅久仁)

合コンで知り合ったちょっと不思議な女性、日菜子。何か惹かれるものを感じつつ、同時に彼女の奇行も気になる彼だった。マンションの10階に暮らしている日菜子なのに、時折11階のことを呟き、そして昏倒してしまうのだ…
がっつりしたSFというよりは、それこそ「すこし、ふしぎ」系というか「世にも奇妙な物語」とか「トワイライトゾーン」的、とでも言いますか。しみじみと、美しい。

ということで。半分が既読ってのはちょっとこう、コスト・パフォーマンス的にはどうだろうって気もしてしまうけど、総じて質は高く、読み返してみても面白かったんだからまあいいか。おバカ一直線の「死せる孔明…」、読み直してもちょっとじわっとくる「従卒トム」、ラブ・ストーリィとしてとても美しい「11階」あたりが好みでしょうかね。

★★★★

[Books] 時代劇入門

B085D9XM8J 春日太一 著
角川新書
Kindle版

良くかみ砕かれた入門書…だが

時代劇研究家として様々なメディアに登場する、春日太一による全くの時代劇初心者に向けて書かれた入門書。時代劇の楽しみ方、時代劇の歴史、押さえておくべき30のタイトル、監督、役者、時代劇のジャンルにおける注目ポイントなどに分けて平易な文体で解説する。

自分は決してマニアではないけれど、「素浪人 月影兵庫」あたりからぽちぽち時代劇には触れてきた人間なので、正直今の自分に「入門書」は必要ない、と思ってる。それなりになんでこの本を買ったかと言えば、そりゃ巻末付録の富野由悠季さんとの対談が読んでみたかったからですね(w。

そんな不純な動機で購入した本だし、失礼だけど「知ってるよ」な記事の方が多くはあったのは確かなんですが、それでもいくつか新しい知識を得られたのは嬉しかった。いわゆる女忍者の基本フォーマットを作ったのが千田是也だった、なんてのは「へえ」と思いました。あと、時代劇における (1対1の) 決闘はラブシーンである、なんて「見立て」も楽しかったです。文章もあまり難しい方向に行かないように配慮した、噛み砕かれて読みやすいものになっているし、入門書としてはなかなかのものではないでしょうか。時代劇ってとっつき難そうだなあ、でも興味ある(ここ重要)人にはとても良い本になっていると思った。

と言うわけで本書はこれ単体としては大変に良く出来た本、なんだけどこれで時代劇が復権する火口になるか? と言えばそれはどうだろう、と消極的印象も同時に持ってしまうのが辛いところか。これは本書の責任ではないんだけど、いまや多くの人たちの興味は、スクリーンや液晶ディスプレイで何かを観ることに時間を割く、って所に向くのだろうか、ってことなのね。時代劇の面白さは解ったよ、旧作も観てみるよ、でも別に新作は要らないよ、ってのが今の一般的な風潮なんじゃないかなあ、なんて思えてしまってね。

何度も言いますけど、本書に罪はないです。でも現状、この本で時代劇ファンがどかんと増えるか? と言われたらそれはどうだろうなあ、と思ってしまう自分がいるのも確かな所なわけで、なんともモヤッとしたものが残ってしまいますなあ。

あ、おトミさん対談はとても面白かったです。でもこれ富野さん、かなり (春日さんに)「合わせて」対話してるんじゃないかなあ、って気もしました(^^;。

★★★☆


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