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先日買い取らせていただいた本の中に、いくつかデイル・ブラウンの本が混じってたんだけどそのうちの一冊、「砂漠の機密空域」(→amazon
usedのみ)、原題はそのものズバリ"Dreamland"。
ハイテク軍事サスペンスが好きな人ならおなじみ"ドリームランド"ものの一作なんだけど、こっちのドリームランドにはネズミもクマもアヒルも出てこなくて、その替わりに棲んでいるのはハイテク技術の限りを尽くした様々な航空機。その代表格が最新の電子機器と新兵器を満載し、新素材をふんだんに投入して改造されたB-52、メガフォートレス。
そんなメガフォートレスの大活躍を描いたシリーズ第1作、「オールド・ドッグ出撃せよ」はかなり面白かったんだけど、続く「戦闘機チーターの追撃」(この2作はハヤカワNV)で、いったんドリームランドは主要なメンバーが左遷の憂き目にあってしまう。続編で起きる事件の原因が、最高機密を扱う基地であったドリームランドが、KGBの工作員の潜入を許してしまったからだったわけなんだけど、その後も旧ドリームランドのメンバーは相変わらず、なんだかんだとメガフォートレスをかっ飛ばして世界の危機を潰していく。こちらの活躍は二見文庫の方でいくつか出ている(オレ感想 →台湾侵攻、韓国軍北浸、「影」の爆撃機)んだけど、で、まあ全体として質は着々と劣化傾向にあったのも確かだったりするんだが。それとは別に旧シリーズの主要メンバーが抜けちゃったドリームランドがどうなってるのか、ってのを描くシリーズが別にあるということを今回初めて知りました。
って事でそちらの一作目がこの本になるんだけど、なにせ身内にスパイがいたことが分って優秀なメンバーが大量に仕分けられちゃった上に、予算削減の憂き目もあって新しく基地司令として赴任してきたバスチャン中佐の苦労は絶えない。その上部下には優秀ながらも自分が完全には結婚を認めたわけではない娘がいるわ、娘の旦那は事故で車椅子生活、とまあセコい方向で苦労の絶えないお話が前半、後半は悪いイスラム陣営の陰謀の芽を摘もうと画策したアメリカのいつもの余計なお世話にちょっとした手違いが生じ、敵の手に落ちた捕虜を救出するためにドリームランドの面々が大活躍、という構成になっている。少しばかりハイテク礼賛よりも人間ドラマの部分に筆を割こうとはしているのかな。一応挫折からの再起、という冒険小説の基本テーマはちゃんとある。基本的には手馴れたもので、楽しく読んでいけるんだけど、どうもこの人はちょいちょい人種というか人道というか、そっち方面に無神経になるところがあって、そこはどうなんだろうなあと。本書でも「ソマリアといえば捕虜引きずり出してリンチで殺すでおなじみの国だからな」みたいなことを登場人物に言わせちゃってるし。こういうの見ると、アメリカ人って案外本気で「ブラックホーク・ダウン」をヒロイックで感動的なお話と思って受け取ってるのかもなあ、と思ってしまったことでした。
あと、ハヤカワの旧シリーズ、旧シリーズのキャラが活躍する二見文庫のシリーズ、それから新メンバーによるドリームランドの本シリーズ、時系列がめっちゃくちゃになってしまってるけど、そこはまあ別の時空のお話って事で、大目にみて上げないといけないんだろうな。
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