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2018-11-16 [長年日記]

[Day] お出かけ

映画観に行ってきました。お題は「GODZILLA 星を喰う者」。感想は別に書きますが、これはこれで、悪くなかったと思いますよ。補助線として有効かな、と思うのは「GODZILLA 星を喰う者」虚淵玄・静野孔文・瀬下寛之鼎談インタビュー、あのラストはどのように生み出されたのか?(gigazine)あたりでしょうか(via 理工学部アドミン日記)。

[Chinema] GODZILLA 星を喰う者

スタッフ
監督:静野孔文/瀬下寛之
脚本:虚淵玄
原案:虚淵玄
製作:吉澤隆
音楽:服部隆之
出演
宮野真守
櫻井孝宏/花澤香菜
杉田智和/梶裕貴/諏訪部順一
小澤亜李/上田麗奈
公式サイト:http://godzilla-anime.com

概念としての怪獣、教義の先の英雄

土壇場でゴジラにとどめを刺すことを止めたハルオの行動によって決戦都市メカゴジラは潰滅。今や人類はゴジラに対抗する術をほぼ失っていた。そんな中、エクシフのメトフィエスは生き残った人類たちの中で自らの教団の信者を増やしつつあった。彼の真の目的はエクシフを滅ぼした「王たるギドラ」を地球に招き入れ、ゴジラを殲滅することにあったのだ、そのために必要なものとは…

シリーズ完結編。以下ネタバレになるかも知れませんのでご注意

人類連合最後の希望だったメカゴジラ・シティも失い、少なくともテクノロジーではゴジラに対抗できなくなった彼ら、それはビルサルドの技術と地球人類の意思の敗北を意味していた。そんな彼らの最後の切り札は、エクシフの宗教。自らもギドラに滅ぼされながら、そのギドラを王なる存在と位置づけ、ギドラによる殲滅によって人はもう一つ上のステージに上がることができる、とするエクシフの教えを広め、その信者たちの宗教的な情熱と信者たちの先頭に立ち、ゴジラに対して飽くなき敵愾心を持ち続ける人物を英雄とすることで、英雄の戦いに超絶的な存在であるギドラが召喚できる、というのはまあ、ポアにあけくれる人びとの愚かな行為の上にワルキューレがやって来て全てを終わらせることが至高、と言う考え方と言えるのか。

そういうのがお話のバックボーンであるから、例えば別の世界のガイアであるギドラが地球に来襲し、破壊神であるゴジラを圧倒するのだが、そこで地球のガイアであるモスラが復活し、破壊神と地母神の融合によって未知のガイアを退ける、みたいな、まあ怪獣映画ファンなら何となく予想する展開は、この映画には期待できない。あくまでこのお話は怪獣が出現する理由と、それに対して人はどう向き合うべきなのか、あるいは文明の発達の先にあるものとそこで何に向き合うことになるのか、というある意味哲学的な命題に何かの解を得ようとするようなお話。そしてその試みは、巧くいったかな? って話になるとちょっと辛いかも。

観念の話がメインになるものだから、どうしても特定の人物の長広舌でストーリーが回されることになってしまうこと、それ故に怪獣映画を期待して観ていると酷い目に遭う映画、ってのは言えると思う。「脚本:虚淵玄」を一時も忘れたらあかんよ、って話ですね(^^;。

そんな造りだから興行成績も苦戦してる、って話も納得はできますな。本来の怪獣映画を期待して観に行ったら金返せレベルの映画であることも確かだと思う。ただ、それだからこそ「ゴジラ」というアイコンでこの話を創りたいと思った制作陣のガッツには拍手したいと思う。残念ながらとても巧く行った、とは言えない出来ではあると思うんですけど。

先にも書いたけどお話の構造上、特定の人物の長口上でストーリーが回されざるを得ない形になっているのは惜しいと思うし、ビジュアル的な見せ場が少なくなってしまうっていう恨みもあると思う。評判が悪いってのもまあ解るんだけど、これはこれで見どころのある映画と言えるんじゃないでしょうか。クラークの第三法則を下敷きに、魔術が宗教にすり替わった時の危うさに言及した作品、と言えるんじゃないかしら。

一応個人的には、「ゴジラを憎む」存在であるハルオ(観測者、と言うことですね)が最後にゴジラに対峙し、その存在を消したことでゴジラもまた消滅し、地球はフツアの民の星になった、というオチであるのかな、と思ってるんですがそこはどうなんだろうね。あと、それは確かに一時的なハッピーエンドではあるけれど、フツアの民がこの先進化しないとは言えないわけで、ハルオの行為は新たな怪獣の出現を先延ばしにしただけ、とも言えるような気もするんだけど、そこのところはどうなんだろう…。

★★★☆


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