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ポール・オースター 著/柴田元幸・畔柳和代 訳
Cover Photo by Jesper Høm
新潮文庫
ISBN4-10-245108-0 \743(税別)
これは先日のドタバタ東京旅行の時に読了していたもの。落ち着いたんでようやく感想を書くんですが、書こうと思ったことの大半を忘れてしまっている。歳は取りたくないものだ。
さてオースターといえば、その作品に常に通底しているトーンとして、「乾き」とか「飢え」みたいなものがあるような気がする。「飢え」といっても、こう、命に関わるような逼迫した状態のそれではなく、飢えてる自分を、ああ今自分は飢えてるなあ、と妙に醒めた目で見ているもう一人の自分がいて、で、自分でも飢えてる自分がホントの自分なのか、飢えてる自分を見ている自分がホントの自分なのかがわからなくなってて、でもそのことも実はそんなに大したことでもないよなあ、とさらに引いたところでそれを眺めるさらにもう一人の人間がまた現れるような、そんな世界かな、とこれは個人的な印象。そんなにたくさん、オースターの作品を読み込んだわけではないので外しているかも知れないけど、私が思うオースターの小説ってそういうもの。なので、そんな雰囲気が全編に漂う「ムーン・パレス」が彼の作品の中では一番スキだったりする。
で、そんなオースターの作家として評価を高める前の苦闘時代の売文稼業から生まれた文章を集めたのがこの本なんだけど、やっぱり後年の傑作小説と相通ずる、乾いた感じというか妙な空きっ腹な感じというのは当時から健在な感じがしてちょっと嬉しくなってくる。というかむしろ、このとき形作られた乾いた感じや空きっ腹感覚が、その後のオースターに大きな影響を与えた、ということになるのか。
という感じでなかなか興味深く読ませてもらった本ではあるのだけれども、反面小説家が書く文章以上に、詩人の書く文章というのは時として読みづらいものだなあと思ったのもまた事実だったりするわけで。結構読むのに時間がかかってしまったことでした。
それはともかく。一番最初に登場する文章はクヌット・ハムスンの長編「飢ゑ」を題材に取ったエッセイであるのだが、で、19世紀の文学者がその頭脳をふりしぼって描写する近代人の苦悩にオースターは注目するのだが、それは………
自分自身を失う恐怖が最高潮に達したまさにそのとき、突如彼は、自分が新しい言葉を発明したと想像する。クボオー(Kuboaa) ———いかなる言語にも属さない、いかなる意味も持たない言葉。
クボオー………。オレ、2ちゃんってもしかしたら近代文学の一方の地平を担っている世界なのかも知れない、と思ってしまった。ウモァー、ウボァー、キター………。
(★★★)
さてこちらもE70Vでは鑑賞不可だった、アーコフライブラリーの一本。「恐怖の獣人」。1958年AIP、監督ロジャー・コーマン、出演ロバート・ヴォーン、サラ・マーシャル、レスリー・ブラッドリー。「掟」に縛られて厳しい環境下で暮らす穴居民族たち。だが掟を超えて禁断の地に足を踏み入れれば、そこには部族全員を優に養うだけの食料は充分確保できるのだ。時代遅れな掟で自らの首を絞めている部族に反抗心を燃やす若者は、賛同者を募って禁断の地へと向かうのだが………
原始時代アドベンチャーと見せかけて実はSFだったんだー!(な、なんだってー!?)なんてのはB級映画の得意技だったりするんだけどこれもそんな作品。つかね、登場人物がみんなこんなにさっぱり頭刈ってる(サムネールをクリックしていただけますれば、無名時代のロバート・ヴォーン氏のご尊顔が見れますです)世界を、誰が原始時代だと思うものかね(w。
なんでもこの作品、コーマン御大はあんまりお気に召してないようだが、で確かにストーリーの部分で(なんせ絵的なハッタリはお金の都合でそうそう使えないからね)もう一声、ひねりが欲しかったかな、と思わなくもないけれど決してむちゃくちゃ悪い出来じゃあないと思う。いかにも低予算映画なお約束を踏まえた上で、最低でも一カ所、ショックを用意しておこうってあたりの映画屋の心意気、感じますですよ、ええ。
低予算ゆえ出演者もしょぼい(ロバート・ヴォーンだってこのときはただの無名の青二才だ)んだけど、しょぼいなりに精一杯の仕事はやってるんじゃないかな。
原題は「Teenage Caveman」。もともとは「Prehistoric World」(先史世界)なるタイトルが予定されていたのが、AIPの直前の作品、「I Was a Teenage Werewolf」が思いもよらずヒットしたもんだから、急遽「Teenage」の単語を織り込んだタイトルへと変更が為されたんだとか。この辺もB級映画らしいエピソードで、好きだわあ。
このために昨日しゃかりきで作業してたんだもんね。ちょい早めに出てチケットを押さえ、それから梅田の古本屋をちょろちょろ回って10冊ほど購入。インデアンカレーで少し遅めの昼飯食って三番街のアメリカンでコーヒー飲みながらちょっと読書。で、TUX導師と合流して「銀河ヒッチハイク・ガイド」鑑賞。映画の感想はまたあとで。
あとはは゜んさんも合流して天狗で宴会。今日は皆さん帰って片付けたい仕事がちょっぴりあるって事で、一次会でお開き。おお、珍しい。
……って俺も一次会で済んで良かったと、家に帰って思た(つoT)。
家に帰ったら仕事の修正要望がぼこぼこ、amazonから本が売れたから発送しなさいメールが一通(一番出しにくいところにある本だったので汗だくだ)、んで軽石庵の方でも一件お買い上げ頂いてた分があったので、とりあえず修正はあとまわしで明日発送する古本の準備……をしながらちょろちょろと、今日梅田の古本茶さんで見つけた「だっくす」の最終号(次からは『ぱふ』になるわけですな)なんぞを読んだりしてたらもうこんな時間だ。寝るべ。映画の感想は後日だな。
訃報が一件。漫画家、居村眞二氏。正直飛び抜けた魅力を持った方ではなかったと思うが、職人として抜群の安定感を持った方であったと思う。合掌。
スタッフ
監督:ガース・ジェニングス
原作:ダグラス・N・アダムス
脚本:ケイリー・カークパトリック
製作総指揮:ロビー・スタンプ/デレク・エヴァンス
撮影:イゴール・ジャデュー=リロ
音楽:ジョビー・タルボット
出演
マーティン・フリーマン
モス・デフ/サム・ロックウェル/ズーイー・デシャネル
ジョン・マルコヴィッチ
公式サイト:http://www.movies.co.jp/h2g2/
(イメージは左がTV版を収録したDVD、右が最近出た河出文庫です)
朝、轟音で目が覚めた。バイパス建設のため立ち退きを要求されていた事を全く知らないまま迎えた強制執行の日。抗議するアーサーだがその声は届かない。だが、事はそれだけでは済まなかった。立ち退き要請を受けていたのは一人アーサーだけではなかった。地球そのものが宇宙バイパス建設工事のため、ずいぶん前から立ち退き要請を受けていたのだった。様々なメッセージを人類が理解することが出来ないまま迎えた運命の朝、地球は無数の発破によって木っ端微塵に砕け散る。寸前に脱出できたのは、人類よりも優れた知力を持つことが知られていた二つの種族と、それからぎりぎりのタイミングでどうにか脱出できたアーサーのみ。否応なしに宇宙のヒッチハイカーになってしまったアーサーの珍道中が始まった…。
SF者ならみんな知ってる「銀河ヒッチハイク・ガイド」。私がこのタイトルを知ったのは、たぶん第一期「スターログ」に元気があった頃。へえ、そんな本があるんだ、と思ってはいたのだけど結局読む機会がないままの映画鑑賞となってしまった。うむ、今は反省している。これは翻訳であれなんであれ、原作のテイストをある程度理解、というか感覚として体験しておかないと、心底楽しめる物なのじゃないんではないかと思う。予備知識無しでも充分楽しめる。でも、「もっと知っていたらこれはもっと楽しめる映画なんじゃないだろうか」という気がして仕方がない作品なんだな。それに加えて、自分が英語圏の住人ではないって部分もどうにもこう、大きなハンデを負っちゃっているんじゃないか、という心配事にもじわじわと気分をさいなまれるような映画。これはこれで充分楽しめる映画なんだけど、「もしかしたらこいつの真の面白さをオレは分からないまま、へらへらと喜んでいるんじゃないだろうか」ってな気分になってしまう映画のだよな。
映画単体としての作りは全く文句のない出来で、それほど潤沢な資金があったわけではないだろうと思える環境で、ここまでの完成度を実現しているのは立派なものだと思う。それぐらいCGIが身近な物になってきている、ということなのだろうね(その分安価で働かされることになっているであろうCGワークショップの中の人には同情しますが)。映像的なイリュージョンのすごさ、という部分においても、その使い途と使い方を分かった人の手になれば、ハリウッドのビッグ・バジェットな作品にそうヒケをとらない作品を作ることは可能なのだ、というのを実感できたのは収穫。全体に予算は知らぬがその限界を安っぽい形で見せるようなことはしない、ここには好感を持ちますわ。
んまあ、実はそんなのは些細なことで、この映画の一番の魅力は、久々の英国的悪意がしみこんだ不条理ギャグのつるべ打ちにあるんだろうな。それらのいくつかは、英語で物を考えられる人間や英語圏で暮らしている人間じゃないとキモが読み取れない危険があったりするものでもあって、そこで東洋の田舎で暮らしている黄色い山猿なワタクシなんかはしばしば「うきっ(コレハドコガオモシロインダロウ)?」とうろたえてしまうわけだが、そこを別にしても、えげれす的な悪趣味の品の良さ(変な言い回しだなあ)を次々と見せていただけるあたりはやっぱり楽しい。権力をうさんくさいものと捉える、自らの逆境を笑い飛ばす余裕を決して失わない、そんな英国風味が随所に見られるのがよいね。たおさんみたいに8回観ようとまでは思わない(^^;)けど、原作読んでからもう一回ぐらい観てみたいかも。映画はオリジナルのストーリーらしいですけど。
ライトセイバー・トースター欲しいなあ(w
(★★★☆)
疲れた。普段の3倍ぐらい。
河内長野と堺の作業は昼過ぎに終わったんで、岸和田に着いてから昼飯喰うべ、なんて思って移動したのがそもそも大甘だった。今日からだんじり始まってたんですね。駅を出たとたん、そこら中に張り巡らされてる立ち入り禁止のテープ、鈴なりの人。いったい何が起きたのか、一瞬分からなかった。しかたがないのでこそっとテープくぐっても大丈夫そうな、あんまり人の集まってないあたりまで移動して道を越え、目的地に向かうんだが、普段なら10分もかからない距離に3倍ぐらいの時間を費やしたような気がする。だって普通に通れてた道路が、あるところを境にだんじり用コースになっちゃったりしてて、ぴぴっとテープで仕切られちゃったりしてるんだもんな。
作業自体は思ったより手間がかからなかったんだけど、駅と現地を行き来するのにやたらな時間がかかり、昼飯は食えず(行こうと思ってたお店、だんじりコース内なんだもの)、どんどん不機嫌になってしまった。あらかじめ分かってたら、それなりに心の準備もしてたんだけど、いきなりのこの仕打ちで、私の岸和田に対する印象はまた悪くなってしまったです。言いがかりで申し訳ない、岸和田の皆様方。
ま、空きっ腹の限りを尽くして神戸で呑むビールはでたらめな旨さだったんで、許しちゃるけど。
そーいうわけで心に余裕が無く、写真なども撮っちゃおりませんのですが、町中がお祭りになってる、その雰囲気自体は、きっとみんな楽しくってしょうがないんだろうなあ、とは思えて悪いもんじゃあない。白いバッチ(はっぴの下に着てるのをそう言うんだそうで)姿のおねいさんたちは粋でキュートだし、ょぅι゛ょはぐへへだし(こらっ)。
そうそう、道の空いたところでトイメンに渡ろうと思ったら、目の前に真っ白な引き綱が置いてあって、こっちが近づくと近くにいる若い衆がささっと集まって綱を持ち上げ、綱の下をくぐらせてくれるんですね。そりゃそうだ、神様の一部だもん。あのままうっかりまたいでおったら、今ごろ私、岸和田の若い衆にボコボコにされとったんだろうか…。
井上雅彦 監修
cover art 江本創
カバーデザイン 泉沢光雄
光文社文庫
ISBN4-334-74116-9 \819(税別)
タイトル通り進化論をテーマにした「異形コレクション」第36弾。執筆者は登場順に藤崎慎吾、上田早夕里、西崎憲、平谷美樹、八杉将司、井上雅彦、多岐亡羊、小中千昭、飛鳥部勝則、牧野修、朝松健、蒼柳晋、谷口裕貴、竹本健治、平山夢明、野尻抱介、堀晃、梶尾真治。各話の扉のクリーチャー作成は江本創氏。
なぜか8冊ばかり間が開いてしまった「異形」。買わなくなった理由は、良く分からない。作家のラインナップが妙にこちらの好みとずれを生じてきているかな、というのはまあ、少し感じ始めてはいたんだけど、嫌いになったわけではなかったんだがな。なぜ買わなくなっちゃったんだろう。
とはいえオビで、"梶尾真治「エマノン」新作!"、なんてやられてしまっては、さすがにレジに持って行かないわけにはいかないよなぁ。ズルいぞ光文社(w。ま、テーマが進化論、とくればホラー属性やや低めの私でも楽しめそうだし、久しぶりに読んでみるか、ってのもあったわけですが。
なんだけど、全体として、SFのワンダーにやや乏しく、ホラーの昏い恐怖に薄い作品が揃ってしまったんじゃないかなあというのが第一印象。「進化」とは実に魅力的でかつ、大ネタの部類に入るテーマなのではないかと思うのだけれど、SF作家チームはネタの大きさ故に仕掛けが空振りし、ホラー軍団の作品からは今ひとつ「進化」のテーマ性が薄味に感じられる様な作品が並んだような印象。そんな中、一般公募からの最優秀作品となった蒼柳晋氏の「書樓飯店」が妙に人を食っていながら薄気味悪さにあふれた怖さも兼ね備えててなかなか。
あとは飛鳥部勝則「読むべからず」のえげつなさ、お話としてはきっちりとまとまっている朝松健「この島にて」(ただしちょっとネタがバレるの早すぎ)、怖さは控えめだけどSF掌品としてなかなか良い感じの野尻抱介「楽園の杭」、堀晃「逆行進化」(もちろん共に、タイトルの元ネタはアレとアレですよね)あたりが私好みではあっただろうか。「エマノン」はまあ、「エマノン」だわな、ってところだな。
それはともかく、堀晃「逆行進化」を読んでる最中に私の中に浮かんでたビジュアルが、大友克洋の「工事中止命令」だった、ちゅーのはなんつーか、あたしの脳味噌、どっかで何かが混線してるんじゃないだろうかとちょっぴり自分で自分が心配になったです。
(★★★)
褒めてるけど、飛鳥部氏に関しては、例の三原順盗作騒動について、どういう決着が付いたのかを私は良く分からんので、そこはちょっと割り引いて読んでるところもありまする。一応余計かも知れんけど、そこは申し添えておきます。
ため込みまくりだわよ、あらあらうふふ。「ラブ★コン」、「大江戸ロケット」、「ななついろドロップス」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes!プリキュア5」、あと、「らき☆すた」やら「ゼロ魔」やら「モノノ怪」やら「XENOGLOSSIA」やら、見たような気がするがもはや記憶は彼方にすっ飛んじゃってる。
とりあえず「電王」ではこんなニュース。仮面ライダー電王…ヒロイン女優が突然休演のワケ(ZAKZAK)。今回放映分からお休み、次回予告のコハナちゃんで2ちゃんは騒然(w。順番が入れ替わるけど「ゲキレンジャー」は5人目、ゲキチョッパー登場。トナカイ拳ではなくサイさんなんですな。メンチカツ好きの軽いお兄ちゃん、ケン君のキャラは割と面白い。「プリキュア」の恋バナも楽しゅうございました。
土曜の深夜はサッカーやってたようで、「ひだまりスケッチ×365」、「炎神戦隊ゴーオンジャー」、「仮面ライダーキバ」、「Yes!プリキュア5GoGo!」、「コードギアスikry」、「ブラスレイター」。「ひだまり」はゆののパパママがやってくるお話。「ゴーオンジャー」はこのタイミングでドーピングネタが来るのは、妙にタイムリーやなあ、と。お話もなかなか面白かったんじゃなかろうか。「キバ」はまあ、こんなもんでしょ。
「コードギアス」に「ブラスレイター」も終盤。いろいろ盛り上がっとるような、訳が分からん展開になっているような。それはそうと「ギアス」の後に来るガンダムOOの情報がちょこちょこ出てきてますな。あら、ロックオン兄さん、死んどらんかったのかい。
んでさあ、メカ設定のページ見てて思ったんだけども、デュナメスの後継機って扱いのガンダム、セラヴィーガンダム。「それが人生だガンダム」? つーツッコミはともかく、これ、絶対ニコイチガンダムだよねえ(w
E・C・タブ(東京創元社)。またの名をグレゴリイ・カーン(『キャプテン・ケネディ』シリーズの作者。シリーズ第二弾、『サーガンの奴隷船』の訳者あとがきで、カーンの正体の候補にタブの名前も挙がっていた)。日本ではやはり「デュマレスト・サーガ」で有名か。少々地味目で毎回のお話がややワンパターン気味な恨みは無しとしないが、手堅くまとまった、悪くないシリーズであった。
主人公のデュマレストは、自分が生まれた惑星が地球であることを知っていて、故郷に戻ろうとしているんだが、すでに地球は伝説の星になっていて、デュマレストが行く先々で、「土(Earth)? 自分が暮らす惑星にそんなバカな名前つけるやつぁいねえよ」、と言われてしまう、というお約束やりとりがちょっと楽しかった。
創元さん、確か向こうでは完結編(32巻だったかな)が出てるはずですよね? 追悼に感謝の意味も込めて、訳出しちゃくれませんかね。
とまれ若造のころ、楽しく読ませて頂きました。感謝を込めて、合掌。
ニコ動で「大魔神カノン」(#15、16)。渡辺いっけいはカノンちゃんのお父さん役なのね。いわゆる2クール目に入ってそこそこ面白くなったんじゃないかって気がする。相変わらずこれに「大魔神」の名前を冠するのはどーなんだ、とは思ってしまうけど。
ロバート・B・パーカー 著/加賀山卓朗 訳
カバーデザイン 戸倉巌(トサカデザイン)
ハヤカワ文庫HM
ISBN978-4-15-178653-2 \880(税別)
依頼人はとびきりの美女だった。そしてスペンサーにとってはそれなりに因縁浅からぬ女性でもあった。エイプリル・カイル。かつて少女売春の世界に身をやつしていた彼女を一度は救い出し、だが彼女自身の特殊に形成されてしまった人格は、彼女が救い出された、その環境でしか彼女自身が存在価値を見いだせないまま。それ故スペンサーは、エイプリルをそれなりに信用のおけるニューヨークの高級娼館のマダムに預けたのだった。それから20年、高級娼婦としてそれなりの成功を収めたエイプリルだったのだが、またもやトラブルに見舞われているらしい…。
「儀式」、「海馬を馴らす」に続くエイプリル・カイル登場エピソード。同じく複数回登場のゲストキャラ、ポールは登場時には自閉症だったものが、スペンサーのきめ細かいケアによって徐々に一人前の男になっていくのに対し、こちらのエイプリルは、彼女の娼婦願望といったものをついにスペンサーは矯正できず、あくまで次善の策として、彼女を高級娼婦の世界に送り込んで「しょうがないよね」で諦めてしまう。ある意味そのツケが回ってくるのが本書というわけで、そういう意味ではいつもの「スペンサー」に比べたら苦い部分が多く、ちょっと新鮮な印象はある。
普通スペンサーは、自分が出会った人物を彼なりの善悪の基準で判別して、それぞれに対してそれなりにふさわしい結論を出し、その結論に沿った行動を起こすのだが、エイプリルに対しては善人判定をしているにもかかわらず、対象の人物が「善」の環境で生きられない状態にあるが故に、「まだしもましな悪」、の環境にキャラクタを放り込み、それで終りにしてしまう。ぶっちゃけ他人だもの。他にどうしようがあるって言うの。
そこで忘れてしまえば良いものを、やはりパーカー自身にもいくばくかの気がかりが残ってしまうものなのか、それなりに気になる旧知の人物が今どうしているのかを考えてみて、改めてその人物に思いをいたしたらこうなっちゃった、ってのが本書で、言ってしまえば「やっちまった」一作、といえるのかも知れない。
なにせスペンサーの側には精神的に完璧な女性として形成されたスーザンがいる以上、エイプリルの存在は常に上からの目線で分析されてしまうわけで、それをはね返してエイプリルに大きな転機を与えることができないままお話が終わってしまう、ってのはパーカーの限界なのかも知れないし、彼なりの誠実さの表れなのかも知れない。いずれにしても「スペンサー」世界の一種の徒花的存在に、それなりの結論が言い渡されるお話で、その結論は残念ながらかなり苦い。
個人的にはその苦さ、いつものスペンサー軍団勢揃いでどんな難題(実はそれほどの難題でもない)もさくさく解決、ってな最近のスペンサーとは一線を画す出来になっていたのでそこで高評価。ただ、客観的に見て高い評価ができる本なのかと言われたらうーんそれはそれでどうだろう、みたいな。シリーズとして楽しむにはこう言うのもあり、なんだけど。
どうでもいい話。訳者の加賀山さん的には「アン・ハ」は「アー・ハー」になるんすね(w。
★★★
週前半分。「ロウきゅーぶ!」、「まよチキ」、「ダンタリアンの書架」、「うさぎドロップ」、「No.6」、「異国迷路のクロワーゼ」。
山の上になんだかハイソなトレーニング施設が、っつーのはなんかちょっと前にもあったなーと思ったら、そりゃ「そふてにっ」やがな、だった「ロウきゅーぶ!」、良くわからんけどメイド喫茶って楽しそうね、だった「まよチキ」ときて「ダンタリアン…」。
出だしから明らかに絵のタッチの違いが気になって、なんだろなーこれ、「グレンラガン」の4話みたいなことを意図的にやろうとしてるのかなあ、なんて思ってしまった、し、EDテロップ見たら小林治氏の名前もしっかりクレジットされておりましたな。一種の入れ子構造になったようなお話で、一つ内側の入れ子の部分はあくまで現実世界とはちょっと違う世界なんだよ、紙魚って存在が普通の人間たち以上に厄介な存在になる世界なんだよ、ってところを強調するための起用であったんだろうとは思うけど、でもやっぱり"前科"(って言うのもかわいそうなのかもわからんけど)込みでの仕込みってニオイがしてしまうあたりがガイナックス、なのかしらね。
りんが熱を出すお話だった「うさぎドロップ」。あえてぷち「父親ネットワーク」みたいなものを作る描写を入れ、ダイキチの行動範囲に新たなエリアが拡がった、ってところを追加してきたあたりがちょっと面白かった。次回で最終回なのでこのあたりの仕込みはすぐには効いてこないと思うけど、もしかして2期とかあったら、このあたりもそれなりに機能したりするのかしら。
というかすんげー面白いので2期やって下さい。
「No.6」の方は無理やりクライマックスに向けて話を動かしてきた感じ。シオンの都合の良い変貌っぷりがちょっと納得できない。
「クロワーゼ」はステキなんですけど、なんだろな、「大きな話」が一つ足りてない気がする。なんでも良いんだけどたとえば、ギャルリ・ド・ロワ全体が無くなっちゃうかもしれない、とかそういうレベルでのお話がないんで、このままだと湯音の自己の満足感を満たすだけで、お話が終わってしまいそうな気がするんだけど。
3月に洗面所のパッキン交換やってはぁやれやれと思ってたら、今度は給湯器付近から水漏れが。業者さんに見てもらったら、これは給水管じゃなく給湯器の方じゃなかろうか、って事でガスの業者さんに来てもらってチェックしてもらったら、給湯器が寿命ですよ、と。
このマンションが建った時についてた給湯器、ってことで業者さんも「ここのマンションでも最後の一機ですねえこれ、よく働きましたねえ」なんていう良くわからんお褒めの言葉を戴きましたが、給湯器が死にかけな事に変わりはないわけで、まずは工事費の見積もりを…
うっ。
結構な出費になるのですね。ま、放置するわけにはいかないのでお願いすることにはなるんですが、厳しいなあ(つoT)。
風間賢二さんのTweet経由で、Top 10 of Alternate History Novels(YouTube)。風間さんほどの方が「半分以上読んでいなかった」とおっしゃっているものを俺がそんなにバキバキと読んでいるはずもなく、自分が自信を持って「読んだ」と言えるのは4作品でございました。あと、あやふやなのが一作かな。
日本軍も参戦したらランクインする作品はあるんだろうかね。仮想戦記大会になっちゃう?
「進撃の巨人」、「<物語>シリーズ セカンドシーズン」、「とある科学の超電磁砲S」(×2)、「獣電戦隊キョウリュウジャー」、「仮面ライダーウィザード」、「ドキドキ! プリキュア」、「宇宙戦艦ヤマト2199」。
女型の巨人の正体がわかった「進撃…」、んとつまり、エレンを拘束、って所からすでに女型をいぶり出すための作戦だったということ? 誰が感づいた(アルミンなのかね)か知らんけど、そこを推理した、って流れは今までにあったっけか? 「<物語>」は2回目の総集編。今回は「あー知ってる」で済んじゃいました。
「超電磁砲」は二本立て。悪党の正体と動機が明らかになってきたけど、どうだろね、暗部がどうたら言うてた割に、悪い人たちの動機ってのが「構ってもらえないから」、ってのは少々セコすぎるんじゃないかと。やってることはそれなりにスケール感のある悪さではあるんだけど、きっかけになるものと、その目的ってあたりがどうにもちっちぇえ気が。
日曜日。劇場版も交えて踊るってところにもそれなりの理由があるんだよ、ってところの説明をしてもらった「キョウリュウジャー」。元気があって良かったけど、今週はそれ以上に、坂本監督の弥生たんのフトモモへのこだわりが強烈でございました。ええもん見せていただきました(w。
実質的最終回だった「ウィザード」、どうだろうなあ、終わってみたら結局、ハルト君は何と戦って、何を乗り越えるべきだったのか、ってところがかなり稀薄なまま、最後まで来てしまったような気がする。なのでみんなのラストも、なんだか薄っぺらい感じがした。総じて残念賞だったかな。
次のライダーは虚淵脚本だそうだけど、そこ以前にフルーツをモチーフにしたライダー、ってのがフルーツを通り越してなんだかキチン質のライダーに見えちゃって、そういうのあんまり好きじゃない自分的には、このデザインで良いのかなーって心配が先に立っちゃうんですけど大丈夫でしょうかね。ま、「W」みたいに放映前は「大丈夫かー」と思ってたのが、良い方向に予想を裏切られた前例もあるので、まずはお手並み拝見、ってところではあるけれど。
「プリキュア」もちょっと敵がらみの味付けが薄味な傾向はあるかも。妙に暑苦しいキャラのキュアエースは結構面白いと思うんですけどね。
ようやくイスカンダルにたどり着いた「ヤマト」、「やっぱり船は水の上だな」をイスカンダルで言われてもなー、とかちょっとだけ思った。あとはなんだろ、ガミラス人にとってはユリーシャに見え、スターシア様からはサーシャに見える森雪さんて、実はどういう人なんだろう、とかスターシアさんのお腹以前に、ベッドの上で胡座かいた状態の守兄さんをビデオレターに撮る神経ってどうなんだ、とか、割にどうでも良いところばかり気になった回だったかも。正直全体に薄かったです。
やっぱりどうかするとぷつんとブラックアウトする現象が続く(機嫌が良いときは一日普通に点いているんだけど)し、今日はマンションの貯水槽の交換工事で朝から夕刻まで断水になるってことで、気楽におしっこもできないんじゃ、家にいても落ち着かないなーって事で、昼飯食ってからハーバーランドのソフマップへ。実は前に出かけたときも、単に酔っ払って帰ってきた訳じゃなく、それなりにアタリは付けてたんですが、自分とこのフレキシブルア-ムが使えるかどうかがはっきりしなかったので、そこらのデータを持って行きたかったのね。
で、今日はちゃんとEIZOのサイトの対応機種を表示したページをプリントアウトして行った訳です。
いくつか候補はあったんだけど、たまたまコマが結構あったのがEIZO EV2333W-H。お店に三つぐらいありまして、お値段はどれも一緒。もう一つ小ぶりのディスプレイもあったんだけど、こちらはアームに対応してないっぽかったので残念ながら対象外。
通りかかった店員さんに、「これらのモニタの使用時間をチェックすることはできるだろうか?」って聞いたら、「あ、やってみましょうか」って。EIZOのディスプレイは設定メニューから情報チェックで使用時間を割に簡単にチェックできるんだけど、それでも展示してる中古ディスプレイにいちいち電源とディスプレイケーブル挿してチェック、なんて結構面倒くさいだろうに、ニコニコしながらつきあってもらっちゃって、逆にこっちが恐縮しちゃったですよ。
EV2333、お店には中古が三基あったんだけど、それぞれ使用時間は2300時間、1800時間、7700時間。2009年モデルで最高でも使用時間が7700時間ってのは妥当なところなのかね。オレのディスプレイは10年で52000時間使われたんだぜ(^^;。
というわけでわずか1800時間しか使われてない、ってところに食いつかざるを得ない訳で、即決、購入させていただきました。税込み価格15,984円。
ディスプレイ部分はともかくスタンド部分には結構重量があるので、結構腕抜けそうな気分でハンドキャリーして持ち帰り、アームにセット(なんの問題もなかった)、電源入れてみたら…
うは、広い(w。
液晶ディスプレイは毎回(つーても2度目ですが)、「明るいなあ」ってのが第一印象なんだけど、今回はそれにプラス「広いなあ」ってのもプラス。1920ピクセルだもんね。
状態表記にちゃんと「画面中央に色ムラ」ってのがあって、それは確かにちょっと気になる(ムラというか黒ずみだね)けど、まあ馴れられないことはないレベル。割と良い買い物をしたんじゃないかとは思ってます。
あとは先代なみに長く付き合ってもらえたら、ってところかな。先代は10年付き合ってくれて、まだがんばれないこともない状態なんだもんね。
超絶的に忙しいというわけでもないんだけど、絶妙なタイミングでちょっとした邪魔が入る日々。気がついたら週も後半だ。ってことでいろいろまとめて。
1巻読んだ時点では割と上から目線の感想だったんだけど、倅に「面白かったよ」って返したら「続きあるけど?」って。そういう、親を試すようなことはよせ>倅(^^;
ありがたく続きを読ませてもらったら、なんと言うことでしょう。これ、すごく良いじゃないか(w。
キャラの立ち具合、お話の持って行き方、ダンスというエロくしようと思えばいくらでもそっちに持って行ける題材で、エロさと健全さを絶妙なバランスでキープしてたり、いかにもネット育ちの作者らしい、ネットスラングの上手な使い方だったり、いちいち小技が効いている。
主人公カップルが美男美女でも美女と野獣でもなく、どっちもちんちくりん、ってのも良いね。ちんちくりんなんだけど読んでいくとどうしようもなく魅力的に見えてくる、という(w。その他、ワキもいい味のキャラが続々登場。主人公つっちーのちょっとしたトラウマの元であり、かつそのトラウマを克服してくれた存在でもある、名前もない方言女子もとてもいいキャラ。多分(まどマギの)杏子なんだろなー、なんて思えてしまう。
大変気に入りました。続きもよろしくな(w。
日曜朝の分も拾う。「ジュウオウジャー」、スーパー戦隊2000回アニバーサリー。アクションでちょっとカッコいい動きがあった。格闘の最中、さっと手を出し、敵の直前で止めることで一瞬相手の虚を突くアクション。ネコだましのバリエーションみたいなものかな。なかなか新鮮でした。それにしてもゴーカイジャーは改めて見ても格好良いね。「ゴースト」、いよいよ終盤。単純にみんな改心するんじゃなく、苦渋の選択ではあるけれどもその結果、タケルは父の仇を取ることにもなる、という構成は評価します。
「アクティヴレイド」、ドラマの構造上そうしたいのは解る、がその結婚式は必要だったのか? 「マクロスΔ」、いまさら気がついたんですがOPで三雲さんにオーバーラップする青い髪の女性ってミンメイ? どうにかしてミンメイの遺伝子を引っ張ってきて作られたのが三雲さん、とか言うアクロバティックなネタがラストに向けて待っている、なんて事が……あるかなあ(^^;。
相変わらず深刻なモンスターボール不足で困ってる。とにかくイーブイだのポッポだの、正直ザコ扱いしてるポケモンがかなりの確率で捕獲したボールを破ってくるところでストレス溜まりまくり。スローの技量が良くてもそれが捕獲の時に必ずしもプラスに働かない、という仕様にもイライラ。ここで課金の出番、ってことなんだろうかねえ。今のところはまだ、そっちになだれ込む気はないけど。
最新のアップデートで「相棒」を連れて歩けるようになったようですが、相棒ポケモンは今のところ積極的にモンスター集めに関わるようなものではないんですね。今のところウチでいちばん大きいポケモンさんはこの方かしら。それとは別にポケモンと言えばやっぱこれだろ、ってのはピカチュウくんなので、しばらくは彼を連れてうろついてみようとは思っていますが。
藤浪きゅんは復調できず、メッセも勝てない。そろそろ戦犯捜しが始まる季節かな。今年はどうなるんでしょうね。選手の人心掌握って所に限れば、答えは明白ってことになるのかもわからんけど…。
TSUTAYAに入ってたのでさくっと購入。ウチにはBlu-ray環境はないのでDVDの一番スタンダードなヤツ。TSUTAYAオリジナルブックカバーとやらをもらったけど、使い途は特になさそうね。文庫にゃデカいし、単行本だと寸足らずだし(w。
酒舐めながら鑑賞したけど、冒頭、「あれ、こんなだっけ?」と思った。劇場で見た時はたしか、まずはOPがあって、それからお話が始まってたような記憶があるんだけど、DVD版ではまず、すずさんが広島に海苔を持って行き、その後OPに繋がる構成になってた。こうだったっけ? OP曲もちょっと味付けが濃くなったような気が。劇場版は、ほぼコトリンコのヴォーカルのみのシンプルな構成だったような気がすんだけど、記憶違いかなあ。
映画自体は言うまでもなく傑作でいまさら何かを付け足すようなこともないけれど、本作、実は音造りが大変凝っていて、随所で音にびっくりさせられるので、絵以上に音のいい環境で鑑賞するのが吉ですね。
ここのところ少々お腹に余分なお肉が付きすぎなんじゃないか。パンツもズボンもきつく感じるぞ。これはもう間違いなく、毎日毎日おやつ時に、ロング缶を一本空けてるからに違いない。まあ今年の夏は暑かったしねえ。
でもそろそろ食欲の秋だし、逆に控えられるところは控えた方が良いよな。うん、今日からおやつのビール無しにしよう! って決めたんですけど、いざ買い物に出かけたら、「や、今日で最後、ってことで…」なんて日和って、つい一番搾りのロング缶も買い物カゴに。
んでお家に帰ってビールを空けて、「そういやKindleに読んでない本があったな」と思ってごそごそ、ちょっと暗いな、と思ってスタンドを調整した弾みに、スタンドの横に立ててたZippoのオイル缶が落下、缶ビ直撃、床まで落下、半分くらいのビールが床に吸われる羽目に……。
バチあたりましたね。明日こそはおやつビール、無しにします。
今はスポーツ方面の話題はむしろ大坂なおみ選手、ってことなんだろう(GTRもらえる(AERA dot)んだってね、って、そこかい)けど一応結果だけは追いかけていますが、まあ今シーズンは交流戦を明けたあたりから急速に興味が失せてしまってはいたんですが、本日の試合T4-6S。単独最下位ですか。ここで明日は藤浪きゅんですか、ううむ……(つoT)。
六勝寺と呼ばれる六山筆頭、法勝寺はいま460日にわたる祈祷をその柝念炉に取り込み、第1宇宙速度が可能な状態にあった。目的地は39光年先の持双星。最新の佛理学によって本来46000日の祈祷が必要だったものを460日に圧縮し、39光年の旅程は49日間で可能となった。今、照海ら7人の宇宙僧が法勝寺飛塔の中枢、方丈に乗り込もうとしている…。
第9回創元SF短編賞受賞作品。ネットでちょっと話題になったときにKindle版を購入していたんだけど、何となく読みそびれていたもの。どうも自分はKindleを積極的に利用することが下手みたい。
さてそういう事で2か月ぐらい遅れて読んでいったわけですが、なんだな、自分が予想してたのとは違ってた(w。自分は仏教用語がつるべ打ちされる、田中啓文的ダジャレ・スペースオペラみたいなものを何となく予想してんだけどそうではなく、大変精緻に考えられた物語を駆動するための背景に「佛理学」がある、と。だから「佛理学」とその用語たちを「バーゲンホルム機関」とその用語に置き換えたら、法勝寺飛塔は自動的にドーントレス号にすり替わる…かも知れない、ような気はする(^^;
と、言ったものの実際にはそうもならないんだろうな。なぜなら基幹になる物語が、実は極めてオーソドックスな日本SFのスタイルを踏まえたものになっているから。初期の山田正紀とか半村良とかの、一種の和風神殺し系伝奇SFの系譜の最新型としても充分読めると思う。ラストなんかちょっと、古き良き日本SFの香りがして、なかなか良いな、と思ったことでしたよ。その上でこのお話をなんだか独特なものになっているのは、「佛理学」をはじめとする用語のつるべ打ち。
もちろんテクニカルタームを連発するSFはいくらもあるけど、このお話が独特なのは、その用語たちがすべて仏教用語から来る漢字の大軍であること。これで何が変わってくるかというと、それはリズム。仏教関係だから用語は全部漢字になり、それは文字数はともかく見た瞬間に目で感じるコンパクトさ、みたいなものは結構大きいんじゃないかと思うんだ。ぽんぽんとくり出される用語の、目への入り方とそれを理解するまでのタイムラグみたいなものが、カタカナ用語のそれに比べると、ものすごく気持ち良いの。その上で突然「摩尼車」に「フライホイール」なんてルビが振られると、思わず「ふふっ♥」となってしまおうってものでね(w。
というわけで、極めてオーソドックスなお話に、とても口当たりの良いパワーワードをちりばめた、という技巧が光るお話と言えるでしょうか。楽しみました。
★★★☆
発注したのは先週なんだけど、できるのは一週間後って事で本日が受け取り日。前回はほろ酔いで発注しちゃってお店の人に悪いな、って思ったので本日は先に眼鏡屋さんに行って、それから呑み(呑むんかい)。前の眼鏡よりもちょっぴり大きくなっているのは、左眼がやや悪い→レンズが厚くなる→あまり小さなフレームだとレンズのはみ出しが気になるかもしれない、ってことでお店の方から奨めてもらったの。
店頭でチェックしてみた限りは特に問題はない感じ。今回は初めて単一タイプのレンズじゃなく、中近両用というタイプで、上の方はディスプレイ見る用、下の方は文字を見る用、って事になっている。
お店ではあまりよく解らんかったけど、実際家に戻って使ってみると、ディスプレイを見る方はまあまあくっきり、下を見る側はどうだろ、若干見辛い感はあるかもしれないな。読めないことはないんだけど、これだったら本屋さんや100均で売ってる読書用ルーペとか老眼鏡でも代用できるような気がしないでもない。
まあこの辺は慣れていったらまた違ってくるのかもしれない、ので使ってみます。あと、前のメガネも捨てるんじゃなく、お料理用として使っていこうかなって考えてる。仕事用、読書用、書き物用、料理用、なんか知らんがメガネがどんどん増えていくな(^^;)
1週間分。んーと、ちゃんと楽しんでるもの、「デカダンス」「A.I.C.O」「富豪刑事」「天晴爛漫」「とあるT」「SAO」「ノイエ銀英伝」あたりかな。再放送で楽しいのは「青春ブタ野郎」「ハイキューTTT」、その他は割と脱落傾向。「炎々」とか「ノー・ガンズ・ライフ」とかはちゃんとしてると思うんだけど、割と積極的に観ようって気になれなくて。
「プリテンダー」の方は落ちちゃったけど「富豪刑事」はかなり面白い。筒井康隆らしさは微塵もないけど筒井さん原作の映像作品って、割と筒井テイストをカットしたときに良い感じのものができたりするんじゃないかしら。
「天晴」も好き。こないだwebのどこかで見たけど、この作品、企画段階ではアメリカ横断ゴルフツアー、ってアイデアもあったんだとか。そっちに行かなくて良かったね(w。まあベタと言えばベタですが、そのベタさが心地よい。「SAO」はラス前。そこまでアンダーワールドに思い入れちゃいますかキリトさん。
ニチアサは今のところ割と一定距離を保って観てる感じ。「ノイエ」は最終回。第二期はちょっと駆け足感がありましたな。んで三期も決定しているようで。地上波まで回してくれるんでしょうかね。
アマプラで「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」がただで観れるようになってたのでこちらも鑑賞。うん、面白かった。「細けえことは良いんだよ!」系の映画なんだけど、凸凹バディものとしてなかなか秀逸。基本的にはいがみあってるホブズとショウが、ぶつかり合うんだけどそれが結果的に良い方向に話が流れていく、ってあたりの案配がかなり巧くて、あちこちでニヤニヤしてしまう。その上でド迫力のアクションシーンがつるべ打ちで来るわけで、そりゃコスパは最高ですよ(タダだもんw)。
従姉妹殿。ちょっと大きめの歯の治療があると言うことでしばらくご無沙汰だったんだけど、いくつか補充したい物もあるって事で。ひと月ぶりぐらいだったのでここまでの状況を説明したり、気になるところを話し合ったり。
個人的にはどこかで一日、ワガママ言うけどほぼ一日、カミさんの面倒みてくれないだろうかって思ってたんだけど、向こうの事情もいろいろあって、上手くスケジュール合わせられそうにないな、って事は判った。残念ですけど今週末からのシネマ神戸のラインナップ、「1917」と「彼らは生きていた」の二本立て、観れそうにないですなあ(ToT)。
先週ぐらいから棘方面で湧いてた話題。ひとつはつるの剛士氏のパクチー騒動、もう一つはどこぞの社会学者様の「銀英伝」のポリコレ…つかジェンダーコレクトネス問題。んと、どちらも言ってしまえば「あの人達、そこまで考えていないよ」案件なんだろうと思うけど、そこまでは考えてなくてもどこまで考えてはいるかと言えば、それは「これ、割とバズるんじゃね?」って思惑なんじゃなかろうか、と。
つるのさんの件、こちらは最初のツィートにそれほど問題はないと思えるんだけど、それでも日本語通じない
という説明を入れることで、レフトスタンドからはジェット風船が発射され、ライトスタンドからはメガホンが投げ込まれる状況の引き金の機能を果たす結果になったような気はする。狙ってやったのならかなりのくせ者だけど、多分本人は「そこまで考えてない」んだろうな。その一歩前までは無感覚のうちに踏まえてたかも判らんけど。
「銀英伝」の方も同様で、言い方をちょっと考えればここまでの騒ぎにはならなかったと思うんだけど、こう言っちゃった、って所に無意識の意識が働いたんだろうな、って気はしますな。で、こちらもレフト、ライトの両スタンドが大騒ぎになるあたりが共通しているかと。
自分はこんなのスルーしようぜ、って思うんだけど、そうはいかんのがご時世なんですかねえ…。
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□ asano [「Teenage Caveman」ですが、某有名監督の某新作映画はこれのパクリじゃないか、と某所で話題になってました..]
□ rover [それより何より、まったく同名の「Teenage Caveman」って映画が2001年に作られてるんですね。プロデュー..]