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疲れた。普段の3倍ぐらい。
河内長野と堺の作業は昼過ぎに終わったんで、岸和田に着いてから昼飯喰うべ、なんて思って移動したのがそもそも大甘だった。今日からだんじり始まってたんですね。駅を出たとたん、そこら中に張り巡らされてる立ち入り禁止のテープ、鈴なりの人。いったい何が起きたのか、一瞬分からなかった。しかたがないのでこそっとテープくぐっても大丈夫そうな、あんまり人の集まってないあたりまで移動して道を越え、目的地に向かうんだが、普段なら10分もかからない距離に3倍ぐらいの時間を費やしたような気がする。だって普通に通れてた道路が、あるところを境にだんじり用コースになっちゃったりしてて、ぴぴっとテープで仕切られちゃったりしてるんだもんな。
作業自体は思ったより手間がかからなかったんだけど、駅と現地を行き来するのにやたらな時間がかかり、昼飯は食えず(行こうと思ってたお店、だんじりコース内なんだもの)、どんどん不機嫌になってしまった。あらかじめ分かってたら、それなりに心の準備もしてたんだけど、いきなりのこの仕打ちで、私の岸和田に対する印象はまた悪くなってしまったです。言いがかりで申し訳ない、岸和田の皆様方。
ま、空きっ腹の限りを尽くして神戸で呑むビールはでたらめな旨さだったんで、許しちゃるけど。
そーいうわけで心に余裕が無く、写真なども撮っちゃおりませんのですが、町中がお祭りになってる、その雰囲気自体は、きっとみんな楽しくってしょうがないんだろうなあ、とは思えて悪いもんじゃあない。白いバッチ(はっぴの下に着てるのをそう言うんだそうで)姿のおねいさんたちは粋でキュートだし、ょぅι゛ょはぐへへだし(こらっ)。
そうそう、道の空いたところでトイメンに渡ろうと思ったら、目の前に真っ白な引き綱が置いてあって、こっちが近づくと近くにいる若い衆がささっと集まって綱を持ち上げ、綱の下をくぐらせてくれるんですね。そりゃそうだ、神様の一部だもん。あのままうっかりまたいでおったら、今ごろ私、岸和田の若い衆にボコボコにされとったんだろうか…。
井上雅彦 監修
cover art 江本創
カバーデザイン 泉沢光雄
光文社文庫
ISBN4-334-74116-9 \819(税別)
タイトル通り進化論をテーマにした「異形コレクション」第36弾。執筆者は登場順に藤崎慎吾、上田早夕里、西崎憲、平谷美樹、八杉将司、井上雅彦、多岐亡羊、小中千昭、飛鳥部勝則、牧野修、朝松健、蒼柳晋、谷口裕貴、竹本健治、平山夢明、野尻抱介、堀晃、梶尾真治。各話の扉のクリーチャー作成は江本創氏。
なぜか8冊ばかり間が開いてしまった「異形」。買わなくなった理由は、良く分からない。作家のラインナップが妙にこちらの好みとずれを生じてきているかな、というのはまあ、少し感じ始めてはいたんだけど、嫌いになったわけではなかったんだがな。なぜ買わなくなっちゃったんだろう。
とはいえオビで、"梶尾真治「エマノン」新作!"、なんてやられてしまっては、さすがにレジに持って行かないわけにはいかないよなぁ。ズルいぞ光文社(w。ま、テーマが進化論、とくればホラー属性やや低めの私でも楽しめそうだし、久しぶりに読んでみるか、ってのもあったわけですが。
なんだけど、全体として、SFのワンダーにやや乏しく、ホラーの昏い恐怖に薄い作品が揃ってしまったんじゃないかなあというのが第一印象。「進化」とは実に魅力的でかつ、大ネタの部類に入るテーマなのではないかと思うのだけれど、SF作家チームはネタの大きさ故に仕掛けが空振りし、ホラー軍団の作品からは今ひとつ「進化」のテーマ性が薄味に感じられる様な作品が並んだような印象。そんな中、一般公募からの最優秀作品となった蒼柳晋氏の「書樓飯店」が妙に人を食っていながら薄気味悪さにあふれた怖さも兼ね備えててなかなか。
あとは飛鳥部勝則「読むべからず」のえげつなさ、お話としてはきっちりとまとまっている朝松健「この島にて」(ただしちょっとネタがバレるの早すぎ)、怖さは控えめだけどSF掌品としてなかなか良い感じの野尻抱介「楽園の杭」、堀晃「逆行進化」(もちろん共に、タイトルの元ネタはアレとアレですよね)あたりが私好みではあっただろうか。「エマノン」はまあ、「エマノン」だわな、ってところだな。
それはともかく、堀晃「逆行進化」を読んでる最中に私の中に浮かんでたビジュアルが、大友克洋の「工事中止命令」だった、ちゅーのはなんつーか、あたしの脳味噌、どっかで何かが混線してるんじゃないだろうかとちょっぴり自分で自分が心配になったです。
(★★★)
褒めてるけど、飛鳥部氏に関しては、例の三原順盗作騒動について、どういう決着が付いたのかを私は良く分からんので、そこはちょっと割り引いて読んでるところもありまする。一応余計かも知れんけど、そこは申し添えておきます。
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