ばむばんか惰隠洞

«前の日(10-12) 最新 次の日(10-14)» 追記

カテゴリ一覧

Anime | AV | Baseball | Books | CGI | Chinema | Comics | CS | Day | DVD | Event | F1 | Games | Hobby | HTML | Kindle | Misc | mixi | News | Oldbooks | PC | Photo | SpFX | Stage | tDiary | Tour | TV | web | 逸級介護士


2003-10-13 ビデオ三昧 この日を編集

[TV] 伊賀忍法帖

撮ったビデオはちゃんと見ようシリーズ第一弾。CS 日本映画専門チャンネルで「伊賀忍法超」。1982年角川。監督斉藤光正、出演真田広之、渡辺典子、中尾彬、千葉真一、福本さん(きゃあっ、ちゃんと『虚空坊』って役名付きだわ)。薬師丸ひろ子、原田知世に続く角川ヒロイン三人目の渡辺典子のデビュウ作なんだが、前のふたりに比べると扱いがかなりシビアでかわいそう。始まって15分ぐらいでいきなりストロング小林にレイープされちゃうんだもんな(や、その前に中尾彬の愛人と首を交換されちゃってて、実際にレイープされるのは美保純なんだけど)。

映画の方は角川らしく、金をかけるところにはちゃんと金をかけてて(もうちょっと金かけたれや、と思うところもあるにはあるけど)終盤まではそれなりに楽しめるんだけど、ラストが意味不明なあたりで減点。「愛の力でお前に勝つー!」なんてのは山田風太郎はやらんと思うぞ。総じて中途半端な青春映画臭さと千葉真一の高笑いだけが後に残る映画だったといえるかな。中尾彬も平成ゴジラシリーズで見せる、あの憎々しさの境地にはまだ達してなかったし。個人的には果心居士配下の不死身の五人衆の一人、というそれなりに大きな役をもらった福本さんがやたら格好良かったのでそこは楽しめた。福本さんだから最初に死んじゃうんだけど。あと、私の知ってる数少ないポルノ女優であるところの風祭ゆきを久々に見たのでそこも眼福。

[TV] 血を吸う人形

撮ったビデオはちゃんと見ようシリーズ第二弾。CS 日本映画専門チャンネルで「幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形」。1970年東宝。監督山本迪夫、出演松尾嘉代、中尾彬、小林夕岐子、中村敦夫。おお、中尾彬がどんどん若返っている(w 。

久々に恋人の元を訪ねた青年(中村)。だが彼女は半月前に事故で亡くなっていた。信じられぬ思いで彼女の住んでいた古びた洋館に泊まる青年だったが夜半、ただならぬ気配に目を覚ますと、死んだと聞かされた彼女の姿が…。

特撮ファンなら先刻ご存じ、無表情美少女ナンバーワンの小林夕岐子(「怪獣総進撃」、「ウルトラセブン 『アンドロイド0指令』」)の魅力が炸裂するホラー映画の佳品。この「血を吸う」シリーズ、続く第2作、第3作では岸田森の怪演が炸裂しまくってるってのもファンなら先刻ご承知かと。で、そういうパワフルに怪しい役者がいない分、こちらはぐっと正統派。残念ながら随所に貧乏くさい雰囲気が漂ってしまっていてそこは惜しいのだけど、忌み嫌われる異形の者にも異形となってしまった事への哀しみ、怒りがあるのだ、という哀しいラストには胸を打たれますな。タクシーの運転手が沢村いき雄じゃなく堺左千夫な時点で「違うやろそれはー」と突っ込み入れてしまう自分も悲しい。

[TV] 乱

撮ったビデオはちゃんと見ようシリーズ第三弾。CS 日本映画専門チャンネルで「乱」。1985年日仏合作。監督黒澤明、出演仲代達也、寺尾聰、根津甚八、隆大介。シェイクスピアの「リア王」に題を取った戦国絵巻。めったやたらにロングショットを多用した絵作りは、15インチの安物テレビデオでの鑑賞ではディティルの確認も人物の判別もままならぬ。宮崎美子? どこ? てなもんで。

ただもうこの映画の色彩設計は圧倒的にすばらしい。戦国武将一文字秀虎(仲代)の三人の息子、ルビーの指輪の長男はちょっと要警戒な黄色、状況劇場の次男は内に熱狂を秘めた赤、スペースシャトルから笛を捨てた三男は清廉な青、黄色の長男、赤の次男から次々と裏切られた秀虎は自らも疑いを秘めて黄色の衣装を身につける。やがて自らの信頼がことごとく裏切られ、自らが最初に疑いを持った青の三号(あれっ?)こそが信じるに足る存在だった事を知った時、気がふれた仲代は白の衣装で荒野をさまよう。兄弟はやがて骨肉の争いを演じ次々と滅んで行く。そこにつけ込む近隣の豪族は黒一色、と言う案配で。いやー、チャン・イーモウがこれ見てHEROを思いついたんだとしてもおりゃ驚かんね。そういえば衣装デザインはどっちもワダエミだし。

ただ、なんだろなあ、映像はすばらしく美しく、お芝居もきっちりしたものになっているにもかかわらず、どうも間延びした感じがあるんだな。実際長い映画ではあるんだけど、それをいうならモノクロ時代の「天国と地獄」や「悪い奴ほどよく眠る」だって長い映画だったわけで、で、モノクロ時代のそれらの映画には、なにかこうビリビリするような張りつめたものがあって、長さを感じさせなかったんだけど、この映画はそういう感覚までは行かない感じ。なぜだろう。ミフネがいないからか? そうは言っても仲代達也だって黒澤映画じゃあ常連だし、その鬼気迫るお芝居は流石なんだよな。でも全体に、ビリビリした緊張感みたいなものがもひとつ伝わってこない感じがする。テレビ画面だから? いやでもモノクロの方はテレビで見てもビリビリ感じるわけだし………。

[web] ヽ(`Д´)ノ バンザーイ!

半角板から温帯ヲチスレに伝染したらしいネタ。温帯ヲチスレは他言無用なのでURIは表記しません。自分で探して、#481をご参照ください。なぜかみなさん万歳の嵐の模様です。私の好みは衝撃のレイプ画像


2004-10-13 この日を編集

[Day] 読書中

やっと「コフィン・ダンサー」が文庫に落ちてくれたんで読書中。面白すぎて「デビルマン」の感想なんかどうでもいいやって勢いで。しばらく他の事に手を付けられません。あしからず。

[Chinema] デビルマン

劇場版パンフ表紙 スタッフ
監督:那須博之
脚本:那須真知子
製作:泊懋
撮影:佐野哲郎
特撮監督:佛田 洋
音楽:安川午朗
出演
伊崎央登
伊崎右典
酒井彩名/渋谷飛鳥
宇崎竜童/阿木燿子
冨永愛
公式サイト:http://www.devilmanthemovie.jp/

説明不要の永井豪の傑作の実写映画化。コミックス全5巻のエピソードの流れは一応フォロー。

うーん、どんな映画にも一カ所や二カ所、褒めるところがあるもんなんだけど弱ったなあ、褒めるところが見あたらないぞ。敢えて褒めるなら永井の豪ちゃんのお芝居が意外にナチュラルで良かった、ぐらい? どうせだれも観に行かないだろうから、以下ネタバレモード全開で行きますよ。

私、原作は大好きだけど思い入れがあるというほどのものではないので、「やれやれ」と呆れながら見る事が出来たけど、原作を深く愛する人にとっては許し難い、描写及び描写されずに放ったらかされたシーンが大量にあるような気がする。明と了の性格付けはそれで良いのか(ついでに、双子に演じさせる意味があったのか? オレ、家に帰ってパンフ読むまで、明と了を演じたお兄ちゃんたちが双子だと気付かなかったぞ)? デーモンと合体した明がちっとも豹変したように見えないがそれは良いのか? シレーヌとの決着が付いてないけど良いのか? 原作では人間対デーモンの戦いとは黙示録の戦いである事を示唆する重要なシーン(艦載機パイロットが塩になる)があったがその辺放ったらかしで良いのか? その後真の黙示録としてデーモンとデビルマン軍団の闘争があったはずだがそこは無視して良いのか? 了=サタンはデーモンの王であると共に神でもあるはずだが、そこら辺は放ったらかしで良いのか? エトセトラ、エトセトラ…。基本的に、原作ちゃんと読んでますか脚本家の人、といいたくなる映画になっちゃってるな。

ケチつけ始めたらきりがないんだけど、実は毎日新聞の評が、かなりこの映画のスカタンぶりをついてる感じはある、と思った。全文引用したいぐらいだが特に、まずは冒頭から、画面に漂うそこはかとない安っぽさに驚くという部分に深く同意。あまりに貧乏くさい幕開けから、その貧乏くささをついに払拭できないまま、映画はラストまで進んでいく。いろいろ趣向はそれなりにこらしていて、クライマックスでもしかしたら「魔王ダンテ」(実は私、『デビルマン』より『魔王ダンテ』の方が好きなのです)を意識したのかも知れない、と取れるような絵造りを見せたりとか、少々あざとい、アニメ版と同様の明のコスチュームとか、おそらく狙ってるんだろう、明のバイクの無国籍っぽい改造とか、原作の本質に踏み込む事をせず、いくつかの「記号」を嬉しそうに再現して見せてそれで良いでしょ? と言わんばかりの隙だらけの映画作りにがっかりしてしまう。それ以前にやるべき事はたくさんあるでしょうに。お金の使い方間違えてないだろうか。

良い映画の条件とは"1スジ2ヌケ3ドウサ"である、なんてことを申しますが、たいていのスカ映画はスジ(脚本な)で破綻して取り返しがつかなくなってはいるものの、ヌケ(絵のきれいさね)やドウサ(役者さんのお芝居)ではそれなりに見るべきところもある、はずなんだけど、ここまで3つの要素が高いレベル(いや、低いレベルか)でブチ壊れてる映画も珍しいんではないか。スジのぶっ壊れぶりに加えて、今時そのクオリティはないやろなCGI、ひたすらご近所の描写に終始して「世界」の見えてこない映像、そんでもって出てくる役者が揃いも揃って学芸会レベルの演技しかできてない。もう、全体に漂うビンボ臭さが致命的だわ。

「貧乏はしかたがないが、貧乏くさいのはイヤだ」(©神林長平)

(☆)

なんでも主役の男の子は、学芸会に出た経験もないそうですな。山本弘氏の「デビルマン」評あたり乞御参照。
本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]

Before...

TUX [●なんかもう、これは絶対見に行かねば!という気になりますな。DNAとかバトルフィールド・アースを封切館で見た(見てし..]

rover [お二方とも実にうちのお客さんらしい反応で嬉しくなってしまいます(^^;)が、真剣にお奨めしませんよ、私も、これだけは..]

TUX [●行ってきたッ!でも、劇場入口で挫折して「アイ・ロボット」を見てきてしまいマシたっ!あれ〜?(笑)]

rover [弱虫ッ!! (^^;)]

TUX [●だってぇ、劇場に張ってあるポスターとか見てマジで萎えちゃったんですもの…]

rover [い、いや、人間ならそれが当然だ(^^;)… んで「アイ・ロボット」はいかがでしたか?]

TUX [●マトモな人間じゃない自信はあったんですが…(違笑) ●「アイ・ロボット」は、まぁ、何も期待せずに見たら、フツーに..]

bongo [weight loss phentermine http://www.network.axe.cc Phenterm..]


2005-10-13 この日を編集

[Day] やや減速 (24:00)

しつつ今日もお仕事。昨日(つかまあ今朝)は3時半ぐらいでダウンしちゃったんだけど、お仕事MLおっかけてみると皆さん朝の7時ぐらいまでベビースターラーメンぽりぽりやりながら、がんばって仕事してたみたい。さすが、若いなみんな。10若かったら、んで在宅じゃなかったらつきあうこともできたかもしれないんだけど、今じゃちょっと無理だなあ。

[PC] 犯人はソニーなのかっ (24:14)

デジカメ各社のCCD不具合、ソニー製が原因か(IT PLUS)。で、この影響を受けてるデジカメの中にあっしの愛機、リコー Caplio G4 wideも含まれてるらしいのが分かってちょっと焦ったり(リコーからのインフォメーション)。んまあうちのは今のところ別に液晶表示部の表示の不具合なんてのは見かけないので、無事な部類なんだろうと思う(実際そんなに頻発するような現象でもないみたいだね)けど。

とりあえずこの先も壊れないでね、カプリオちゃん(はぁと)。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

nico [ミノルタX−20、ビンゴでした。 onz 電源入れたら縞模様が!明日、電話しよう こんなものだけ!当たるな(−_−#..]

rover [はうあー。私は初代のデジカメ(QV-100)が欠陥対応品でした。三宮のカシオの事務所に持ち込んだらその場で交換しても..]


2006-10-13 この日を編集

[Anime] ゼーガペイン (23:19)

タイトルだけは聞いてたけど見てなかった(だって電波来ないんだもん)「ゼーガペイン」をまとめてお借りできたのでちょっと視聴。7話まで見た。

やあ、質の高いアニメですねこれは。テレビシリーズなら作画レベルは充分だと思うし、お話もしっかり作ってる。今の所"ロボットつき学園マトリックス"みたいな展開で、マトリックスの部分に量子コンピュータの考え方を持ち込んでるのがちょっと新しい。展開的にここでちょっとややこしい要素が加わるのが避けられなくて、そこを表現の方で、いろいろとネタを仕込む形でやっている分週一ペースで見てると、ところどころで「ははーん」と思えない恨みが残っちゃうかも知れないタイプのアニメではあると思った。こっちはまとめて見れるので、結構「ははーん」が自然に感じられて楽しいです。

ロボットがらみの表現がちょっと質が低いのはかなり惜しい。サンライズなのになあ。なんか「G-SAVIOUR」からもそんなに進歩しているように見えないCGIパートってのはどうなのよ、とは思った。ロボット自体のデザインが、動かすための(動かしてカッコいい)デザインがされていないような気はするです。

そんなことよりあれだよ、(多分)ヒロインであるリョーコにおじさんメロメロだよ。声を当ててる花澤香菜の(ありていに言って、かなりヘタな)お芝居には賛否両論あるらしいけど、おじさんは断固支持するよ。心の汚れきったオッサンが、こうであって欲しいと思うこの年頃の女の子の感じ、が完璧に表現されていると思う。「時かけ」で真琴をやった仲里依紗も相当良かったけど、この子はその上を行ってるかも知れん。これだけでも続きを見る値打ちがあるってものだ(なんか自分のどこかが壊れてる気がする)。

B000H307TY

序盤の山場の第6話と、リョーコたんハァハァな第7話が収録されてるぞ。

[TV] 定期視聴番組 (23:49)

「コードギアス 反逆のルルーシュ」、「銀色のオリンシス」。「コードギアス」はもしかしたらこの先面白くなるのかも知れない。ものすごく出来の良い(けど性格は悪い)ガルマと、成り行きでガンダムに乗ることになっちゃった、かなり性格が素直なシャアのお話になるのかしら、これ。

「オリンシス」の方はどうでしょ、2話見た限りでは録画し損なってもそんなに残念には思わない、ような出来かなぁ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

taoy@笹塚  [うぅぅ。しばらくバタバタしていてまるでこちらも覗けていない間に、 面白そうな文庫がいくつもあるではないですかぁ…。 ..]

rover [こっちはこれから「グラン・ヴァカンス」に手を付けようかと思ってます。「移動都市」は某所で大変高評価だったので、つい順..]


2009-10-13 この日を編集

[Day] わーん その2 (24:22)

同じ日に同じタイミングで、インナータイプのヘッドホンが二つとも、左側だけ聞こえなくなっちゃう確率ってどんなもんなんだろう。や、数字はどうあれ、今日それが起きて少々凹んでるわけですが。

残ってるのがSkype用の、つけてるのがイヤになるような安物ヘッドセットだけなのでね。

少し前から左耳にデキモノこさえちゃってて、たぶんそこからじゅるりと出た汁が悪さをしたんだと思うので、回り回って一番悪いのは自分、ってことになってしまうあたりがまたなんともはや(w。

[Chinema] 痛みに耐えるのはむしろこっちだぞ、感動しないぞ (24:35)

晩飯食ってるときにテレビニュースでもちょっと触れてたんだけど、ウルトラジュンイチロー! "シュワッチ"声優デビュー(sponichi.com)。小泉さんがウルトラマンキングを演るそうで。「光の国をぶっ壊す!」とか言ってくれたら面白いんだけど、そういうもんでもないんだろうなー。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

TUX [>「光の国をぶっ壊す!」とか言ってくれたら… ●いっそのこと、ウルトラマン・ベリアルの声をやってくれたらよろしかっ..]

rover [ベリアルは宮迫なにがしさんが声当てるんでしたっけか。「北条時宗」とか「CASSHARN」とか、イカツイ顔の割に根はい..]


2010-10-13 この日を編集

[Books] ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選

ここがウィネトカなら、きみはジュディ : 時間SF傑作選 : SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー(大森望/著) 大森望 編
Jacket Art 瀬戸羽方
Jacket Design 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011776-4 \940(税別)

「SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー」第2弾。時間SFをメインテーマに、ロマンス、奇想、ループをテーマにした3部構成、13編を収録。

時間SFということだとつい最近、中村融さんが編まれた「時の娘」なんてキュートなアンソロジーがあるけれど、本書を編むにあたってはそちらのラインナップも参考に、前述したような3部構成+大トリ、という構成をとった、とのこと。さてその構成は吉と出るか凶と出るか。んでは簡単に感想を。

商人と錬金術師の門(テッド・チャン/大森望 訳)

中世のイスラーム世界を舞台にした、SFと言うよりファンタジー側に入れても良いお話。未来を見、過去と現在を見つめ直す人々の美しいお話。オチの付け方をどう評価するかで、読者の汚れ具合が判定できるかも知れない。私はちょっと汚れたオトナです(もう一押し、ぐっと来るオチが欲しかったんだ)。

限りなき夏(クリストファー・プリースト/古沢嘉通 訳)

時を「凍結」させる謎の勢力が人間たちの社会に紛れ込んだことで起きる「待つ」ロマンス。いろんな事を投げたままお話は進むのだが、普通に流れる時間と凍結された時間が同じ世界に混在している事が産む不思議さと切なさを、時代のディティールを丁寧に描き込むことで盛り上げてくれている。

彼らの生涯の最愛の時(イアン・ワトスン&ロベルト・クアリア/大森望 訳)

生涯で愛する女性は一人だけ、と心に決めた少々ニート気味の少年ジョナサンの前に現れた、上品な家庭教師の老女エレナ。少しずつエレナと打ち解けていくうちに、彼女こそ自分にとって運命の女性なのだと思い定めるようになったジョナサンだったが…。

気合で時間を超える、ってネタのSFはそこそこあるけれど、気合を発揮するための舞台に、マクドを選ぶという発想がまずおかしい(褒めてます)。その上お話は男女それぞれが老け専に走ってダブル腹上死でハッピーエンドって、おかしいだろ(ネタバレごめん、でも激しく褒めてます)。激しくブッ飛んだお話なのに、なぜかこれも純愛の一つの形だと思えてきてしまうのが怖いわ。さすがワトスン(w。

去りにし日々の光(ボブ・ショウ/浅倉久志 訳)

SF史上に残る重要アイテムの一つ、スロー・ガラスものの記念すべき第一作。名作なのは間違いなし。でもこれは連作の形で読みたいよね。古本屋的においしいアイテムが一つ消えるのは淋しいが、これはやはり復刊して欲しいよな。

時の鳥(ジョージ・アレック・エフィンジャー/浅倉久志 訳)

お金を払えば過去の歴史的スポットに一日だけ滞在できる技術が確立された未来。卒業旅行として過去への旅行を両親からプレゼントされたハートスタインは、全盛期のアレクサンドリア図書館へのタイムトリップを選択したのだが…。

ここから「奇想編」。タイムトラベルを仕切る企業のあちこちに飾られている額入りの引用句が、この先に起こることを何となく示唆している。最後はダンテの「神曲」からの有名なフレーズなんだけど、これはさすがに邦訳を載せるわけにはいかなかったよね。上手い感じで仄めかしはできていたと思うのでまあ一安心。ちょっと狂騒的な掌品。

世界の終りを見に行ったとき(ロバート・シルヴァーバーグ/大森望 訳)

時間テーマ以上に、認識するもの、認識されるもの、そして認識させるものの関係性に皮肉な視線を投げかける。おそらく世の中で最も重要な事象であると思われるイベントが、人間側の割と卑近な都合でどんどんどうでも良い話になってしまっていく過程が面白い。

昨日は月曜日だった(シオドア・スタージョン/大森望 訳)

これは20世紀SF 1 1940年代 星ねずみに収録されていたもの。シルヴァーバーグ、スタージョンと練達の士の技が冴える佳品が続く。

旅人の憩い(デイヴィッド・I・マッスン/伊藤典夫 訳)

時間の流れが南北の位置関係でリニアに変化する世界の中で生きる人々を描く、奇想の冴えという点では本書中で一番。時間の流れの違いっぷりを表現する方法がびっくりもの。ストーリー的にも古典的SFのスタイルでワタシ好み。

いまひとたびの(H・ビーム・パイパー/大森望 訳)

こちらもクラシックな海外SFのスタイル。まあ実際に古典SFになるのだけれど。ある意味「古き良き」って言葉がぴったり来るような一作。

12:01 PM(リチャード・A・ルポフ/大森望 訳)

ここから時間ループものの3作品。まずは1時間のスパンでループする男の物語。オチがかなり切ないね。

しばし天の祝福より遠ざかり……(ソムトウ・スチャリトクル/伊藤典夫 訳)

タイ王室王位継承権17位、でしたっけか(w。日常生活に突然割り込んだ何者かのおかげで時間のループが発生してしまって、と言う話。狂躁って部分の面白さはあるが、全体としてはややピンぼけかも。まあそういうのがこの人の持ち味なのかも知れないんだけど。

夕方、はやく(イアン・ワトスン/大森望 訳)

1日の中で800年の人類史がループすることになってしまった世界のお話。読んでいくと800年というタイムスケールが徐々にシフトしていく、というところの怖さも併せ持ってる。そちらの方の不気味さみたいなものの方が実は大きいはずなんだけど、ノリとしては割と投げてる。そのあたりも古典的なSF作品との違いってことになるのかな。自分はワトスン大好きなので、こう言うのも大歓迎なんですが。

ここがウィネトカなら、きみはジュディ(F・M・バズビイ/室住信子 訳)

ノリとしてはロマンス系。個人史をいったんばらばらにされ、ランダムなパッチワーク的人生を送ることになってしまった男の物語。ジュディでもダーリーンでもなく、真に重要な名前は、ってあたりがタイトルに込められた仕掛けというかミスリードというか。技巧派SF、という感じだな。

ロマンティックSF、ってパートには先達もあるのでそこの所のヒキはさすがにちょっと控えめだったか。逆にそれ以外のジャンルでの時間SFの名作を期待して読んだのだけれど、そちら方面でのエッジの切れっぷり、ってところでは少々物足りなさが残ったかも知れない。良質なアンソロジーではあるのだが、編者のポリシー的なところが若干薄い感じがしてしまって。大森さんでアンソロジー組むのなら、ハチャメチャSF方面でやっていただいた方が良かったんじゃないのかな、なんて気がしないでもない、かしら。

★★★☆


2011-10-13 この日を編集

[Day] 割と放り出された

どうも今回のお仕事担当者さんは、週後半になると多忙になるようで、こちらとしては昨日納品した分についてのコメント等々返してもらえたらありがたいんだけど、今日は一日ナシの礫だったわ。他の仕事もあるんでいいんですが、完全沈黙ってのもちょっと薄気味悪いな。昨日2Mbばかり、データ送りましたけど、ちゃんと届いていますかね。

[AV] 割と厄介だな

普通録画機器ってのは、NHK教育あたりの信号を受けとって時計の時間合わせをするんだけど、地デジチューナを介してビデオ信号をもらって表示、って形だと時計の時間合わせができなくなっちゃうのな。で、それでどうなるかというと、ビデオの時計がどんどん狂っていくんだね。

我が家のデッキだとおおむね半月で1分ぐらい時計が進んでしまうみたい。放っとくと番組が始まる前にやたらと長い黒バックの画面が表示され、次回予告のあたりがばっさり切られてしまう状況が発生してしまうんだな。厄介だけどちょいちょい修正してあげるしか手がないのかね、こういうのは。

[Anime] 定期視聴番組

「たまゆら hitotose」。みんなでお泊まりするだけのお話。なんだけどそれなりにいいお話を見たな、って気にさせてもらえたのは、ARIAカンパニーの先輩諸氏のおかげかな。お話のいいところをさぁやが持って行っちゃう、ってのはしかたがない所なんだろうかね。

とはいえ自分が大原さやかという人に持ってるイメージが、素晴らしくいい声と演技に対する姿勢の真摯さには最大限に敬意を払いつつも、どこか抜けきれない「造り物」的な違和感も抜き去りがたい物があったりする関係上、ここはメインの四人の声優さんにもうひとがんばりして欲しい気もあったりするんだが、そっちはどうだろ、ちょっと楽しみにしてますんですが。

本日のツッコミ(全6件) [ツッコミを入れる]

ロドリゲス翁 [お久しぶりです。全然、関係ない話ですが ローバーさんが、お詳しいと思うので質問したいですが、、。 かつてお造りなられ..]

は゜ん [や、時刻のずれ、私もなりました。 ネットにつないで時計合わせの設定を 時報から時計サーバーに切り替えればまだいけま..]

rover [>ロドリゲス翁さん 確かにちょっと下目かも知れないですね。フジミのキットって、映画で使われたプロップ(の大小バージョ..]

rover [>は゜んさん ふっふっふ、ウチのデッキはギャラクティカ級でしてね。ネットワークに繋がってないんですよ。サイロンからの..]

ロドリゲス翁 [どうもです。うちで調べた経緯はうちの日記で。 http://www.terra.dti.ne.jp/~dossoul..]

ロドリゲス翁 [で、展示品はこれなんですが↓ http://www.terra.dti.ne.jp/~dossoull/atorag..]


2012-10-13 この日を編集

[F1] 韓国GP予選

時間間違えてて繋いだときにはQ3終了直前でほぼ大勢は決してた。ウェバーがポール、となりにベッテル、以下ハミルトン、アロンソ、ライコネン、マッサ。その後ろにとっても怖いグロージャン、という並び。バトンのQ2ノックアウトって何かあったんだろか。可夢偉は13番手、前にペレスってことは、ここはザウバーにはあんまり向いてない系?

不運もあってここのところポイントが伸びないアロンソの4ポイント後ろにベッテルが来てる。逆転も有り得る感じになってきたなー。

[Anime] 定期視聴番組

週中盤戦、「K」、「絶園のテンペスト」、「武装神姫」、「BTOOOM」。木曜深夜の厨二度は、一回目ほどはキツくなかったかも。「K」はコメディ方向にシフトしてきた。「絶園…」は、うーん、まあ。「武装神姫」は、心を持ったプラレスラーのお話、なんだろうけど、自分の愛玩する自律アクションフィギュアにバトルさせる、って描写の、そのバトルが結構血も涙もないものに見えるんだけど、それでマスターさんたちはホントに神姫ちゃん達のことを心から愛していると言えるんだろうか…。

あとあれね、AIつきアクションフィギュアの日常ってことだと、JPHの「Sぱら」組の面々には懐かしい「あれ」のことが思い出されたりするんじゃないでしょうか。で、今そのドキュメント読み返してみたんだけど、あのお話、2012年におこるお話って事になってたよ。なんていうか、偶然とは言え…(涙)。

ヒロインさんのいきさつ説明回だった「BTOOOM」、カットバックのやり方が下手なんじゃね? とか思った。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

ずん@たじまや [バトンをはじめとするQ2落ち組は、ラストアタックで黄旗が出ちゃって更新ならずでした。]

rover [あらあ、そういうことでしたか。情報どうもありがとうございます。というかバトンは決勝でもお気の毒でしたね。相当可夢偉に..]


2013-10-13 この日を編集

[News] すぽーつにゅーす

週末いろいろ。

プロ野球は終戦。初戦に藤浪きゅんって、短期決戦舐めとんのかと思ったら案の定。今年の阪神は攻C、走C、守B、頭D、って所であったか。序盤は他チームの出だしの躓きと投手陣のスタート時の仕上がりの良さで抜け出せたけど、シーズンが進むにつれて実はそんなに分厚い選手層でもなかったよ、ってのが露呈してきた感じか。良いときは二桁あった貯金もおおむね吐き出し、終盤は息も絶え絶えという。

どうかすると植民地扱いされてたカープのCS第二ステージ進出、おめでとうございます。これで巨人に勝ってくれたらそれはそれで楽しいんだけど、さすがにそれはちょっと難しいかねえ。

F1、韓国、日本とベッテル連勝。アロンソにもまだかろうじて目は残っているようだけど、残り四戦でベッテルとのポイント差は90。残り全部アロンソが優勝してベッテルがリタイヤしないと、ひっくり返せない数字ですなあ。

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

週末総ざらえ。「のんのんびより」、「黒子のバスケ」、「<物語>シリーズ セカンドシーズン」、「ストライク・ザ・ブラッド」、「獣電戦隊キョウリュウジャー」、「仮面ライダー鎧武」、「ドキドキ! プリキュア」、「マギ」。

田舎あるある、なアニメかと思ったらそういうものとは微妙に違ってた「のんのんびより」、小学生ならともかく、中学生になったらもう、田舎にいてること自体が嫌で嫌でしょうがなくなってしまうと思うんだけど、そこは触れません、という事なのかな。自分はもともと会津→富山と田舎で暮らしてた人間で、そこから出ていきたくてしょうがなかったものだから、ここまで牧歌的に田舎暮らしを描かれると、「そういう物なのかなあ」とついつい思ってしまうんだけど。

土曜深夜、「<物語>」はこれでオチなの? この先に撫子=ラスボスとのド派手なラスタチが待っている、って事なんでしょうか。それともそこは割とさくっと流す方向で? お話自体は、意識が現実に介入するタイプのSFとして、それなりにおもしろかったです。

「ストライク…」はもうちょっと継続視聴で。ありがちではありますが、それなりに面白かったので。

日曜朝はまあ安定傾向、かな。「鎧武」の変身シーンが、エロマンガでときどき見る、女の子のスカートを上にまくり上げて顔を隠した状態で事に至る、ってシチュエーションを思い浮かべちゃってちょっと半笑いになっちゃう、ってのは多分、オレが汚れたオトナだからなんだからなんだよね(^^;。

「マギ」はアリババ君だけがなかなか大人になれないままお話が進んでいるような。これが後々意味を持ってくるのなら良いんですが。とりあえず荒ぶるハナザーさんが見れたんで不満はそんなにありませんけどね、今週に関しては。


2014-10-13 この日を編集

[Day] 台風通過中

午前中はかなり風は強いけど雨は降っていない模様。午後から本降りになるのかな、と思い、午前中に古本発送。休日に古本発送した(つまり売れた)時はご褒美に局の近くの焼き鳥屋でビールと焼き鳥でプチ宴会して良いことにしてるんだけど、さすがに午前中からそれは、さすがのオレもよーやらん。というか帰り道、しっかり一雨食らってしまいましたし(w。

とはいえ神戸の山の方は、意外と台風の影響は控えめで、神戸電鉄も無事走っているし、どこかで土砂崩れが起きた、みたいなニュースも聞かないのでラッキーな方なんだろうな。夜のシフトの倅が昼過ぎにバイトに出て行ったけど、彼が無事に帰ってくるかどうかが、我が家の最重要課題だったりする。ま、三宮近辺なんだから何かあっても一夜明かすぐらいは余裕だろうけどね。

台風は現在(10/14、0時過ぎ)中心は愛知県あたりにあるようで、こちらは雨は控えめ、風は依然強めという状況ですが、関東甲信地方はこれから警戒が必要になりそうですね。お気を付けて。

[Anime] 定期視聴番組

「天界のメソッド」、「グリザイアの果実」、「俺、ツインテールになります」。「天界」、「グリザイア」はまあ、様子見。「天界」の舞台設定はどこら辺なんだろうね。自分的には猪苗代湖を含めた裏磐梯感、みたいなのが顕著なのだけれど、思い込みでしか無いのかな。「ツインテール」は…馬鹿。その馬鹿っぷりには好感を持つけど、馬鹿を突き抜けた面白さがあるかと言われればそう言うものでも無い感じ。ちょっと微妙やね。


2016-10-13 この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

「終末のイゼッタ」、「WWW.WORKING」、「ブレイブウィッチーズ」、「響け!ユーフォニアム2」。新番組「ブレイブウィッチーズ」、「ストライクウィッチーズ」が501でこちらは502、舞台は北欧に移る模様。一応フランスとイタリアは解放完了してるからね。んでウィッチを目指す女の子は、ちゃんと学校で専門の勉強を受けてるんだね。そういうのぜんぶ飛ばしていきなり飛ぶことが出来た芳佳ちゃんは、とてつもない才能の持ち主だったんですな。んでこちらの作品の主人公、雁淵ひかりちゃんは体力だけが頼みの原石で、これからどう成長していくか、ってお話。ひかりちゃんのお姉さんのモデルが鴛淵孝(343空、維新隊の隊長。『太平洋の翼』で夏木陽介が演じてた人だ)ってことでストライカーユニットは紫電改になるのだな。とりあえずまだ出だしも出だしなので、これからどうなるか、ってことで。

「イゼッタ」と「WORKING」はなんつーか、今ひとつ乗り切れない感。「ユーフォニアム」はとにかくクオリティの高さにクラクラする。電車なりバスなりに乗っていて、車内から窓越しに見る風景というのがあるときに、車の進行方向と90度の角度で窓の外を見る、というのはよくあったけど、進行方向から30度ぐらい窓側に向いた状態で、窓の外の風景が奥から手前に流れていく、という。ちょっと見たこと無い絵だったのでかなり感心しました。

[News] ボブ・ディランにノーベル文学賞

もちろん拒否するんだよな?

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

まなたけ [あ、ボブディランってそーゆー人グループなんすか!? てっきりウォッチメンとかで、今のアメコミクノーするキャラクター像..]

ROVER [んまあフォークシンガーですから、基本スタンスは反権力・反権威が基本だろって思い込みもあるかとは思いますが。そもそも自..]


2018-10-13 この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

いろんなものが第2話から始まるというこのカテゴリの復活篇、まずは「宇宙戦艦ヤマト2202」。2202の最後の2が大きくなってて、見方によっては「宇宙戦艦ヤマト2」とも見えるあたりは気が効いとるね。

1話は録れなかったんだけど、劇場版が公開される時に最初の10分がYoutubeで見せてもらえたので、何となく予想は付いてた。「2199」では蛮族扱いだったガトランティスが実は猛烈に強くて、地球・ガミラス連合軍でもかなり苦戦する、ところに沖田艦長とスターシアとの約束だった、波動エネルギー兵器を使わない、というルールを破ったアンドロメダの登場で…、ってのが多分第1話だよね?

んでそれに続くのが今週。アンドロメダ級はすでに5隻が進宙する事に。5番艦「アポロ・ノーム」? ほう、艦底にちゃんと潜水艦を埋め込んでるんだろうな(w?

「2199」がしばしば旧作の答え合わせみたいなところに力を割いてる感があって、そこはちょっとどうかな、と思っていたんだけど、今回はもとが劇場版で、それをテレビシリーズ用に引き延ばしたものだったから、逆に独自アレンジがやりやすいのかも知れないな。ガミラスとはっきり同盟関係にある、って設定はちょっと面白いと思います。


Google search
www.bumbunker.com
Web
2003年
10月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

ここ1週間分の話題

傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

バナーが必要ならこちらを
バナー素材

古本屋やってます
特殊古本屋 軽石庵

2003年9月までのサイト

巡回先
ROVER's HATENA

あすなひろし追悼サイト
あすなひろし追悼サイト

twitter / karuishian
«前の日(10-12) 最新 次の日(10-14)» 追記
©1996-2020 乱土 労馬:l-rover@kobe.email.ne.jp