ばむばんか惰隠洞

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2003-11-21 この日を編集

[web] Opera7に脆弱性

はてなダイアリー /*inu-memo*/さん経由で、[Opera 7] 外部から任意のローカルファイルが作成される脆弱性(Operash)。およよ、7.1xもヤバいのですか。対処対処。

[Books] お買い物

青池保子「エロイカより愛をこめて」(29)、小池田マヤ「バーバーハーバー」(4)。あー、「エロイカ」も間があきすぎて話が見えなくなってきてるなあ。相変わらず地味に面白いんだけど。

[Day] 週に一度はお出かけしよう

気分転換と古本屋巡りと立ち呑みでぷはー、のために、週に一度は街に出るようにしてるわけですが、今日は天気が悪くてちょっと盛り上がりに欠けましたな。一度長田のブックオフを覗き、それから三宮に出て、本屋を覗いたりワークさんでダベったりしながら、新開地まで歩く、というコース。結構いい運動になるのよ。重たい荷物しょってるし。

そうそう、三宮のオタクエリアに出現したメイドカフェ*1の前を初めて通ったですよ(通っただけかい)。メイドさんスタイルの女の子が一人いらっさったんですが、後ろ姿だったのが残念でした。お店のつくり自体はウッディな、割と落ち着いた感じだったし、ぱっと見た感じ、お客さんもそんなに体臭濃そうなのはいなかったみたいなので、次回は勇気を出して入ってみようか知らん*2

ただ、三宮オタクエリアの巡回コースは、センタープラザ西館二階→西館三階、ってルートになると思うので、西館よりとはいえ東館三階のあの場所は意外に地理的条件悪かったりしねーか? とか思ったり。

*1 そういえばこの場所って、昔この界隈が紀伊国屋だった時にも喫茶コーナーがあったあたりだよな。

*2 いやしかし入店時に「おかえりなさいませ」とか言われたらオレはやっぱり引くかもしれんな。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

noki [今日はちっとは歩いてみようモードに突入して仕事帰りに秋葉原から 平井まで総武線の6駅を乗らずに約2時間ちょっと歩きま..]


2004-11-21 この日を編集

[TV] 定期視聴番組 (17:45)

「ジパング」、「ニニンがシノブ伝」、「機巧奇伝ヒヲウ戦記」、「特捜戦隊デカレンジャー」、「仮面ライダーブレイド」、「ふたりはプリキュア」。んーと「ジパング」、707世代なわたくしとしては、やっぱり魚雷は「ファイア!」じゃなく「シュート!」でしょう撃つときは、などと思ってしまう訳なんだが。さて、

「デカレンジャー」は特凶のテツ君の女上司登場編(#40:「ゴールドバッヂ・エデュケーション」)。うむ、ええケツや(殴/蹴)。派手な火のアクション、テツ君同様、無茶なデカレン5人組に「なんか、いい…」と言っちゃうオチのあたりとかは、なかなかよろしいんじゃないですか。女上司さんは「クウガ」のバラのタトゥの女、の人だそうですが、芝居上手くなってねえのがちょっとな。

「ブレイド」(#41:「強くなりたい」)もいろいろ展開があってそれなりに。ただ、判らん事もいろいろ出てきてますな。テレ朝公式みてて思ったんだけど、今週から登場のギラファアンデッドや虎のお姉さんとかって、カテゴリーキングなんだろうけど、封印されるまではどのマークにも属さないって事なんだろか。仮に睦月くんが虎の人を封印したら、タイガーアンデッドはクラブのキングになるの? インドの山奥で修行してた(違)クモアンデッドさんはその時どうなるんだろう…というかそういえば、結局あの人は(嶋さん、でしたっけ)睦月くんを更生させる事はできなかったわけ? んーむ良くわからぬ。

[F1] 澳門三級方程式 決勝 (23:44)

2番グリッドから実に上手いスタートでトップに立ったニコ。はぁ、やっぱり血統書付きは違うのかな、なんて思ったんだけど2周目でブレーキをミスったのかタイヤバリアに一直線。後ろを走ってた、ポールからスタートのハミルトンもよけきれずにストップ(のちに再スタート)。3番手のプレマがトップに立ち、クビカらの追走を押さえて独走。途中二回のセイフティカー、最後は2周残した状態で数台のマシンが多重クラッシュで赤旗中断、でそのままプレマの優勝。なんつーか、消化不良な感じ一杯のレースではありましたな。

さて2世ドライバー続々登場、の方はと言うと、ニコはそういう事で一瞬期待を持たせたんだけどリタイア、ネルシーニョは予選がたたって10位、ナカジマは13位、クリスチャン・ジョーンズは後方から淡々と走って17位、と言うわけでまあ、世の中そんなに話は甘くはないよね。ここまでクラッシュ連発じゃなければ、また違う展開もあったのかも知れないけれど。

あーそういえば、前座のアジア・フォーミュラルノーでは、エイトンの甥っ子君が2位に入ったそうですよ。

[CS] それはそうとして(F3ネタ続き) (23:55)

先日の寸゛さんの日記での話題、エンコデコード再エンコ、今回のマカオGPでは顕著に影響が出てた感じ。テレビ画面ではまだなにも起きてないのに、川井ちゃん「あーーーっとぉ!」って叫んでるもんね。なるほど、こういう事か。

[Comics] お買い物 (23:55)

一条ゆかり「プライド」(3)、ってまだ2巻も読んでない…。

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]

Before...

rover [ええ、アランの息子さんだそうです。昨日の予選前のインタビューでは、「ボクは英国や日本みたいな激しいレースに出た経験は..]

まなたけ [まばら見ですけど、ブレイド、たしかカリスちゃんがダイヤちゃんに「これがおめぇのハートだ!」とか渡して、んでジャックフ..]

rover [だよねえ。ネパールで修行した人も基本的にはレンゲルのラインナップのキングフォーム、である事を自覚してたみたいですもの..]

まなたけ [これがおめぇのクイーンだ!だった^^; ダディヤナさんって言うんですか?^^;ダイヤちゃん]

rover [オンドゥル語的には(^^;)。ほんとはたしか橘さんだったような気が…。]

まなたけ [ぶら下がり過ぎてすいません^^; 虎ねーちゃんは女だから、クィーンで、だもんでクィーンをまだ持ってないからジャックフ..]

noki [ギラファアンデッドがダディヤナさーんのカテゴリキングってことですよね?なんかカテゴリAとキングの関係ってほとんど同種..]

rover [そうかー、ギラファってクワガタだから、ダディヤナさんさん担当なのか。エースとキングは共通ぽいけど、他はあんまり共通点..]


2005-11-21 この日を編集

[Day] そして唐突に終わりはやってくる (16:00)

途中でお仕事ぽしゃり……。昨日の(つか、今朝か)半徹はなんだったんだー。

ぐれてやる。

[TV] 定期視聴番組 (24:22)

仕事しながらだったのでやや気抜け風味で「地獄少女」、「BLACK CAT」、「ソウルテイカー」、「灼眼のシャナ」、「交響詩編エウレカセブン」、「魔法戦隊マジレンジャー」、「仮面ライダー響鬼」、「ふたりはプリキュアMH」。あと、CSカテゴリーになるけど721でF1 Regend the Best、'81年フランスと英国GPも。弱ったなあ、F1を別にすると見て楽しいって思える番組が一つもなくなっちゃったよ。深夜枠はそれでもまあ暇つぶしにはなる。日曜朝が何ともはや。「エウレカ」は壊れちゃった感じだし「マジレンジャー」は役者のどうしようもなさが、どんな話も4割引のお話にしてしまっているし、「響鬼」はもうどうでもいいやって勢いだし。あ、そんななか「プリキュア」だけはそれなりに面白いか。そこにたどり着くまでが一苦労なんだな。

F1の方は英国GP、解説の森脇さん(が選んだレースなのね)によるとこのレース、史上初めてカーボンモノコックシャーシを持ったマシンが優勝したレース、というある意味エポックメーキングなレースであったそうだが、それより何より、激高するチャップマン御大とデ・アンジェリスの画が見れる、ってとこで重要なレースかも知れん、とか思ったりして。勝ったのはジョン・ワトソン。渋いドライバーですね。

シルバーストーンの滑走路っぽさがあちこちから見て取れるのがなかなか興味深かった。安全対策もテレビ写りも重要だけど、F1の伝統、みたいなのも、開催されるサーキットはそれなりにかもして欲しい(なんか『もやしもん』くさい表現ですが)よな。鼻持ちならんけど、それでもF1にはフランスや英国GPは必要でしょー、とは思う。

なんちゃって実はそんなに真剣に見てたわけじゃないんだけどさ。だって仕事が…(つoT)。


2006-11-21 この日を編集

[Anime] 新海さんの新作 (20:49)

「秒速5センチメートル」(公式/Yahoo)。主題歌を歌うのは山崎まさよし氏だそうで。期間限定でトレイラーがダウンロード可能。相変わらず超絶的な美術に息を呑む…のだが妙に既視感のある風景もあるような気も同時にしてしまったり。「ほしのこえ」と同じ街を舞台にしてたりするんだろうか。

あとはなんですね、短いトレイラーだけ見て判断できるような話じゃないんだけど、やっぱりこの作品も、僕と彼女のセカイ(と敢えてカタカナで書くような)にまつわるお話になるのだろうかなあ、と。

[web] ゲーム検定受けてみた。(21:27)

あちらこちらで話題のゲーム検定。私は寸゛さんとこで知りました。30分の制限時間があるので、あまり考え込む時間がなく、最後に「難しかった」方のラジオボタンにポチッとチェック入れて判定。マークアップは適宜処理。グラフ部分とか多少ずれてるかも知れないが、気にしない気にしない。

ジャンル得点0_________50__________100%
ハードウェア14/16 ■■■■■■■■■■■■■■■■■
ゲームシステム&テクニック17/28 ■■■■■■■■■■■■
キャラクター10/15 ■■■■■■■■■■■■■
ビジネス19/26 ■■■■■■■■■■■■■■
雑学9/15 ■■■■■■■■■■■■

あなたの総合得点は69点  全国平均 56点

全国順位(11月21日 17時現在)1869位(16023人中)

−−講評−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

あなたは「ゲーム将軍」 ゲームに関して水準よりかなり多くの知識を有してはいるが、まだまだ上には上がいる!このままの地位に甘んじていてはいけない。日々精進あるのみだ!

貴方がもっとも詳しいゲームのジャンル:ハードウェア

貴方がもっとも詳しいゲームの年代:90年代後半から現在にかけての熟成期

うーむ、90年代後半から現在にかけてのゲームとか、全然知らんのだけどなあ…。ま、思ってたよりはマシな点数でたので、元ゲーム屋としてはホッとしましたです。

本日のツッコミ(全7件) [ツッコミを入れる]

加賀須野 旭 [私は67点でした…3DOの頃は全く分からんです。 全国順位(11月21日 22時現在)3069位(21901人中) ..]

rover [なんか私も、こんな高い点数取っちゃいかんだろー的な感想を持ってしまいました。当てずっぽうが意外にヒット率高かったのか..]

空の人 [秒速5センチメートルの主題歌を山崎まさよしがやるというので聞いてみれば、またこの曲ですか…。いや、別に文句いっている..]

もんちぃ [これはこれで新海誠である意味はあるんだろうけど、 なんか違うって気もして。始めから強く好きではないオレですが。 あ、..]

rover [>空の人さん おや、二次利用なのですか(w。はじめに歌ありきだったのでしょうかね。 >もんちぃ師匠 新海アニメは美術..]

空の人 [多分、新海氏の様な人はあの曲は好きだと思うんですよ。切ない歌詞と、異様に盛り上がる編曲。新海氏の「話自体は他愛ないけ..]

rover [イチスジニヌケ、サンドウサ。ヌケを他の何よりも重視しているのが新海アニメ、というのは確かに説得力がありますね。それだ..]


2007-11-21 この日を編集

[Books] 真相 スペンサー・シリーズ(30)

4150756937 ロバート・B・パーカー 著/菊池光 訳
カバーフォーマット 辰巳四郎
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫HM
ISBN978-4-15-075693-2 \840

サスペンスとしては2時間ドラマ級なんだけどね

舞台演出家として独り立ちしたポールがスペンサーに紹介した女性、ダリル。ポールの同僚で女優として活躍する彼女は28年前、銀行に乱入した活動家たちによって母を銃殺されていたという過去を持っていた。迷宮入りになってしまったその事件の真相を知りたい、という彼女の依頼を引き受けたスペンサーだったが、調査を進めるうちにこの事件が単なる革命を標榜する無軌道な活動家たちが引き起こした事件、というだけで片付けることの出来ない裏の事情が浮かび上がってきて…

スペンサー・シリーズ30作目。かつて起こった殺人事件の影に、なぜか政府関係の筋や暗黒街の大立者の関与の匂いが立ちのぼり、それはやがてスペンサーの捜査にさまざまな形で障害となって立ちはだかって、みたいなお話。他の作家が書けば国際謀略小説級の陰謀話のひとつも出来上がってきそうなものだがそこはスペンサー、せいぜいが「非情のライセンス」あたりの、真相にもう一歩の所まで迫っているのに何かがそれをうやむやにしてしまって、程度の効果を上げるぐらいの役にしか立っていない(いや、それはそれで悪いとは思わないし『非情のライセンス』も好きですけどさ)あたりはいつも通り。ただまあ、いつもの事件よりは多少、スペンサーとスーザンの前に立ちはだかる案件がヘビーなので、そこらで最近のスペンサーもののグダグダ感は多少緩和され、それなりにサスペンスフルと言えなくもない展開にはなっている。

そんなわけで何かとグダグダ感ばかりが目立つ本シリーズ中にあっては、それなりに楽しく読める一冊になっているかも。逝ってしまった名犬パールの後継者(犬)ネタ、クワーク・ベルソンの警察コンビ(好きです、この二人)やヴィニィなどのセミレギュラー、パーカーのもうひとつのシリーズ、署長マクミラン…じゃなかった、警察署長ジェッシィ・ストーンの主人公、ジェッシィのゲスト出演もあったりして、シリーズ30作目を飾る、それなりにサービス満点の一作となっているのじゃないのかな。

なんちゃって、実は個人的に大ウケだったのは、過去の作品での大いなる謎にちょっとした回答が得られたこと。なるほど、こんなこともあろうかとビルマで特訓してたのかホークは(w。

4150756791

ホークがビルマに行ってて本編欠席のエピソードがこちら。最近のスペンサーものの中では良質なんじゃないでしょうか。クワークとベルソンのファンな私としては、こいつは結構好きですよ。

★★☆


2008-11-21 この日を編集

[Books] 時間封鎖 (24:58)

時間封鎖 上(Wilson,RobertCharles/著 茂木健/翻訳 ウィルスンロバート・チャールズ/著)時間封鎖 下(Wilson,RobertCharles/著 茂木健/翻訳 ウィルスンロバート・チャールズ/著) ロバート・チャールズ・ウィルスン 著/茂木健 訳
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
Cover Photo Complex L.O.S.164
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-488-70603-6
ISBN978-4-488-70604-3

いつもと変わらない夜だった。大人たちはパーティーに興じ、子供たちはそんな大人たちの目を盗んで屋敷を抜け出して芝生に繰り出し、他愛のない話で時間をつぶす…。だが世界は一転する。満天の星が一瞬にしてかき消えてしまったのだ。いや、正確には星が消えたわけではなかった。突如地球を覆った暗黒の界面が、地球と宇宙の間に条件付きのフィルターとなってしまったのだ。さらにその界面で覆われた地球と宇宙の間には、驚くべき格差が生じていた。それは1億倍の時間差。今や地球での一年は、界面を隔てた宇宙では一億年になってしまったのだ。はるか先と思われた太陽の熱死は、この状態の地球にとってはわずか五十年先に待っている…。

比較的ハードSFを苦手としている自分なのだが、その理由の一番手に来るのは科学的な考証("ハード"の部分ですね)が先に立つあまり、物語としての深みがしばしば後回しにされてしまう、というところだと思う。SFとは意識に訴えるものであって、情緒を刺激するのは後回しにしてもいい文学ジャンルであるというのはある程度理解しているのだが、それでもたまには情緒面で読み手の感覚を刺激するようなハードSF、があっても良いんじゃないかと思ってたってところはあったんだけれど、実は本書、その情緒の方にかなり踏み込んだSF作品としてかなりちゃんと成立はしていると思う。

地球で何か外に向けたアクションを起こした時に、宇宙史的なタイムスケールが一億分の一に圧縮されて結果が返ってくる、というのはSF的に非常に魅力的な設定なわけで、やろうと思えばそこにいくらでも面白いネタをつぎ込んで来れそうなものだが、著者のウィルスンさんはあえてそっちに力を入れず、そこそこ未来にカタストロフが約束されている地球で生活する人々の、心の動きのような物を丹念に解きほぐす方に力を入れている。「地球最後の日」を期待して読み始めたら正体は「渚にて」だった、的な、「それはそれで良いんだけどね」と思いつつもどこかでなにかこう、肩すかしを食らったような気もまた同時にするような本だと言える。

もともとの原書のニュアンスがそういうものだったのか、イーガンをグレッグ・イーガンというオーストラリアのSF作家(強調は乱土)という認識しかできていない訳者による翻訳が、SFのニュアンスをことさらに削ぐような結果になってしまったのかについては何とも言えないのだけれど、ハードSFかどうか、というジャンル内ジャンルの認識に行く前の、そもそもSFとしてどうなんだって部分で、少なくとも日本語版を読んでいる時点での「SFを読んでいる」感が、なかなか伝わって来ないもどかしさはあるのだな。物語として相当良くできてはいるとは思うし、情緒的にあちこちでかなり思うところはある読み物なんだが、その反面今度は意識の方に、ちくりとも刺激が来ないSFってのもどうなんだろう、と。

だって一億倍の時間差だぜ。地球で恐竜のタネを作って宇宙に送り込んだら、一ヶ月ぐらいでジュラ紀の恐竜さんのサンプルがゲット出来る(計算してませんので突っ込まないでください)ような世界である。そこの所にSF的なワクワク感をいくらでも持ち込めたはずであるにもかかわらず、著者はあえてそこに力を使わず、あくまで物語の通奏低音的な位置づけから前に持ってくることはやってくれないわけだ。そこが原書の持ち味だったのか、訳者のセンスがそこに加わったものであったのかは想像するしかないんだけど、わたくし個人はそこに少々不満を持つ。物語が足りないといっては不平を言い、物語が過剰だと言っても不平を言う、ではワガママにも程があると思うがそれが正直な感想なんだからしょうがない。

著者ウィルスンの作品としては、創元SFで「時に架ける橋」ってのがあって、こちらの方はわたくし読んでいて、感想を読み返してみてもやはり物語としての出来の良さをそれなりに評価していたようではあるんだけれど、時間SFってのが情緒にシフトしていてもその読み味にあまりマイナス評価を与えないジャンルであるのに対して、仮にも「本格」とか冠がついたSFで、なかなか意識を拡げてくれない作品ってのは少々辛いな、という感想を持ってしまう。

物語としては平均的に良くできた作品であって、読み応えはそれなりにしっかりした物はあるのだが、でたらめに面白いSFを読んだ、って気には残念ながらさせてもらえなかったかも知れない。山岸真さんとか酒井昭伸さんが訳されたらどういうお話になったのか、ってあたりにはちょっと興味を惹く部分が残ってはおりますが。

★★★☆


2009-11-21 この日を編集

[Books] 海賊の子

9784150117290 カリン・ロワチー 著/嶋田洋一 訳
カバーイラスト 佐伯経多 + 新間大悟
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011729-0 \1000(税別)

戦闘輸送艦<マケドニア>の艦長、アザーコンの息子、ライアンの暗殺に失敗し、今は警戒厳重な刑務所に収監されている海賊ファルコンの後継者、ユーリ。そんな彼の許を訪れたのは地球政府側の情報畑の工作員。彼はユーリに、海賊たちのもとにふたたび舞い戻り、内通者として活動し、海賊たちを潰滅させることと引き替えに、身柄の自由を持ちかけられる。疑念も残るがこの申し出を請けたユーリだったが、計画された脱出行のとっかかりから、予想外のアクシデントが連続し……

戦いの子」、「艦長の子」に続く、お子様シリーズ完結編。「艦長の子」のラストでわたしゃ、不幸な子供の話、難儀な子供の話ときて、さて3作目はどんな子供の話を読ませてもらえるんでしょうなんてなことを書いたわけだが、その伝で行くとううむ、今回はそうだな、目の開いてない子供の話、って事になるのかな。

平穏に暮らしていた少年が戦争の巻き添えを食らって難民キャンプ暮らしを余儀なくされ、そこで荒んでいたところにうまい話が転がり込み、これだと飛びついたら世の中そんなにウマい話があるわけもなく、飛びついた先は海賊船。そこで海賊の首魁の後継者の可能性を見いだされ、そのための教育を受けていくわけだが、そこでユーリは、なかなか物事の深いところを目にすることを阻止されたまま成長し、それがために、とてもピュアな部分と怜悧な部分を併せ持った青年に育っていき、自分がその二つの要素にうまく折り合いをつけられないために、いろいろ苦労していく姿が描かれる。前のお話のラストを引き継ぐ形で進んでいくパートと、海賊船に拾われ、海賊として、さらに本書でかなり重要な意味合いを持つ"ゲイシャ"(現在の芸者さんとはかなり意味合いが違うものですが)としての教育を受けていく過程がカットバックで描かれていく。

一人の少年の成長物語を、同じ時代であってもその環境や背景が変わるとどうなるか、って切り口で描いてきたのがこの三部作だと思うんだが、先に書いたとおりこの三人目は、いろんなところに縛りをかけられ、がんじがらめな気分のまま青年になってしまった若者の物語。そのがんじがらめっぷりと、海賊ファルコンの後継者として施されるさまざまな教育の影響から、ユーリは非常に不安定な人間になっていくのだが、前二作に比べて非常に大きな比重を持ってくるのがセックスの部分ってことになるだろうか。ロワチーさん的"ゲイシャ"は、あらゆる手管を使って対象となる相手を籠絡する特殊な技能職と言う設定に合っている関係もあり、今回はそっち方面の描写がかなり多めで、かつやや「腐」な方向にシフトしているような感じはある。ユーリの個性(プラス本書カバーのイメージもあり)などから、何とはなしに腐女子が描く、フィーチャリング早乙女アルトの二次創作物を読まされてるような気になってしまうのだな、これが。

こういうノリも決して嫌いではないんだが、今回はヤオイ風味ばかりが前に立ち、肝心かなめの主人公の成長と、彼に取っての重荷になっていた何物かからの救済という、とても大事なパートについての描写がかなり手薄で、お話としてこれで良かったのかなあと言う気分はかなり後を引く。序盤からの念入りな流れが、終盤になって急に駆け足になって、いろんなものへの説明をいい加減なまま、ラストシーンを作ってしまったような印象がある。いろいろ釈然としないんだが、著者は当面続編を書くつもりはないようなので、これはこれで一段落、と納得するしかないんだろうけど、この終わり方はちょっとすっきりしないものがあるな。

しばらく冷却期間をおいて、いくらか歳くった三人の若者たちの話、なんてのを書いてもらえたら嬉しいかも。もうちょっと三人の若造が密接に関係しあって進むような話だとさらに結構なんですが。

★★★


2010-11-21 この日を編集

[Comics] お買い物

アオイホノオ(島本和彦/著)島本和彦「アオイホノオ」(5) →amazon

わあ、教習車が3代目マークⅡ(wikipedia)だ。そういう時代かあ。ってことで炎君の教習所通いがメインで、後半に例の、伝説のダイコンⅢオープニングアニメのプロジェクトがスタートする、みたいな。そういう意味では最大の盛り上がりを前にしたちょっとしたダレ場的位置づけの巻、って事になるのかな。

Sorry, sm232453 was deleted.

せっかくだから貼っとくか。今ちょっとサーバ重いんで通信の絡むスクリプトを埋め込むのは控えるべきなんだとは思うけど。つか自分が久しぶりに見て、ちょっとうるっと来ちゃったものだから。

[TV] 定期視聴番組

「とある魔術の禁書目録Ⅱ」、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」、「探偵オペラ ミルキィホームズ」、「天装戦隊ゴセイジャー」、「仮面ライダーOOO」、「ハートキャッチプリキュア!」、「STAR DRIVER 輝きのタクト」。

わりと急ぎ足で黒子メインの回は畳まれちゃったかな、な「禁書目録」。とりあえずこのアニメのスタッフさん的には、エピソードの決着を付けるときに、必ず若い娘の顔をグーで全力パンチ決めないと満足できない、みたいなルールが出来てたりするのかな。悪人が報いを受けるのは当然ではあるのだけれど、女の子の顔をぶっ叩くってのは、やっぱり見ていていい気持ちはしないよな。

「俺妹」は毎度ながらお兄さんいい人、ってお話。妹君はなのはファンで、黒猫さんはギアスファンなんだね。多分元ネタ探し始めたらぼろぼろと材料が出てくるのだろうな、これ。

日曜日。「ゴセイジャー」は一番興味があった、時間を戻す敵のスキルをどうやってはね返すのか、ってところの説明が無かったのがちょっと残念だったかな。ゴセイナイトはとうとう天知家にまでお邪魔しちゃって、このツンデレさん、って感じだな。

「OOO」もまあまあ快調。ヒナちゃんの「怪力」ってフィーチャーをみんなが忘れちゃってる気がしないでもないんだけど、そこも思い出してくださいね。

あ、「イカ娘」をまだ見てないぞ。


2011-11-21 この日を編集

[Day] つくづく…

人を不快にさせる名人ってのが世の中にはいるもんだなあ。


2013-11-21 この日を編集

[Day] 薬が変わった

新型お薬久しぶりに診察受けて、いろいろ問診された流れで、フルタイド(ステロイド剤)とメプチン(気管支拡張剤)の組み合わせ、特にメプチンの常用をやめられないでいる、って話になったときに(あ、喘息の話です)、そりゃ薬を変えてみた方が良かろうと言うことになり、何やら巻き貝型宇宙船みたいなお薬を出してもらった。ちょっと割高です(^^;。

担当医さん曰く、「ステロイドと気管支拡張剤のいいとこ取りみたいなお薬です」だそうで、まあ試してみましょうか。

ま、タバコやめればいろんな事がすっきり解決するんだろうけどね(w。

[Day] 続きが来た

先日のフレッツ乗り換え話、担当者が別な人になってまた電話が。話はさらに錯綜気味。基本的にこっちが思い切れば(ASAHI-NETを捨てれば)少々安くはなるってところに落ち着きそうではあるんだけどどうしたもんだか。乗り換えても良いかな、とは思いつつあるんだけどね。


2014-11-21 この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

木曜深夜。ここはいろいろ悩ましい。「Gのレコンギスタ」、「結城友奈は勇者である」、「白銀の意思 アルジェヴォルン」。悩ましいのは「Gレコ」で、裏でどっかぶる「PSYCHO PASS2」が、今のところガンダムよりかなりおもしろいんだよな(^^;。毎週ここで首捻ってます。ビデオ二台体制敷くほどのことはなくて、あっさり「PSYCHOPASS」に乗り換えちゃってもいいのかしら、なんて気もしてる。で、その「Gレコ」、悠揚迫らぬ展開と言えば言えるのか、今時このまったり感はないでしょう、と言う話になるのかさてどっちだ。自分は今「ターンA」のノリをそのまま持ち込まれてもなあ、と言う気はしないこともないでいる。世の中には普遍的に魅力を放つものと、時代に応じてその重要度に変動が起きてしまうものがあると思うんだけど、今のところ「Gレコ」は後者に属しているように感じるよ。

「ゆゆゆ」は一休みのキャッキャうふふ、で最後に「まだ終わってまへんで」がやってくる、的な。国体護持的、やや調子っ外れな保守的スローガンってのはこの作品全体で押してるんじゃなく、あくまで東郷さんのキャラクタの一環としての表現、と言うことなのね、なるほど。

「アルジェヴォルン」はなんか、「ガンダムXに続く」的な展開になってきたような。敵方も同じシステムで対抗してくる、って展開になるんだろうかね。なかなかおもしろいですよ。

[News] こっちも自爆系?

たかじんさん長女「殉愛」差し止め求め提訴 百田氏著作(asahi.com)。今年はやらずもがなのことをやらかして自分の首を絞める人が続々登場しておりますな。


2018-11-21 この日を編集

[AV] 早くも死んだ?

買ったの先月だっていうのに、BDレコーダーの電源入れたらテレビ画面が映らない。番組タイトルやdボタン押したら出てくる情報画面とかはちゃんと表示されるし、録画した分はちゃんと再生されてるので、テレビの信号だけがどういう訳だか解らんけど出てきてない、ってことなんだろう。

どゆこと?

ソニーのサイトのユーザーBBSみたいなところもちらっと見てみたけど、おんなじ症状は見かけなかったんだけど、この手のキカイで、急に部分的におかしくなった時は、電源リセット、もしくはハードウェアリセットが有効なことが多い、ってのは判った。のでフロントの蓋開けて、隅っこにあるリセットスイッチを爪楊枝でポチッとな。

復活しました(w。

ふんむー、最新のAV機器ってのは少し前のパソコンと同じ状態状態になってきてるってことなのかしら。

[Anime] 定期視聴番組

日曜深夜分。「ワルキューレ」、ジャンヌたんは死にっぱなし。モンさんは援軍の手配に奔走中。「ツルネ」、んまあ今時の高校生、「ベストキッド」は見てないだろうなあ。「ガイコツ書店員…」、まさかこんなところで「24年組」なんて単語が聞けるとは(^^;。


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ここ1週間分の話題

傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

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