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たぶん、店内改装工事の時に、一時的にフロアの電源を落とすようなことがあったんだろうな。で、電源復旧しても立ち上がらないから「故障じゃね?」と。
ええ、ええ。岸和田まで行ってPCの電源スイッチをばポチッと押して帰ってきましたわ。
チャールズ・ストロス 著/金子浩 訳
カバーイラスト Fred Gambino
カバーデザイン 岩郷重力+WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011593-1 \1000(税別)
人為的に作られた超新星級の爆発が発生させたニュートリノ・パルスは、数分後に惑星モスコウの2億の住民をすべて焼き殺し、そのまま光の速さで宇宙に広がっていく。"鉄の夜明け"と呼ばれたその爆発は、3.6光年先の植民ステーション、オールド・ニューフィーの3万の住民にとって、3年以内に故郷を離れなければならないことを意味する。あわただしい疎開のための行動が取られる中、ちょっとした"冒険"に出かけた一人の少女が、信じられない物を目にしていた…
「シンギュラリティ・スカイ」と同じ世界で繰り広げられる冒険SF。今回はいきなり電話が降ってきたりはしないが、それでも冒頭でいきなり2億人がレンジでチンされてしまったり、性格の悪いフレンダーが出てきたり、新しい国連本部ビルの前にはビスマルクとティム・バーナーズ・リーの銅像が建ってたりと、のっけからサービス満点。前作にも登場したキャラクタも交え、さくさくと読み進めていける、良くできたエンタティンメント作品になっている。2作目にしてストロスさんは、キャラの立て方、みたいな物を何となく掴んだ感じがあって、そのおかげで分厚い割にお話は掴みやすく、ほいほいと先に進んでいっても「あれ? なんだったっけ」みたいな気分に陥ることもほとんど無い。そのくせ、キャラごとに張られた伏線が効果的に効いてたりするところもあって油断できないわけで、お話として良い仕上がりになっているのだな。
その上で(前作の大盤振る舞いからしたら少々物足りない感じもあるけど)SF的ガジェットのつるべ打ちは相変わらずだし、今回は少々、"SF的に今を見なおしてみる"、みたいな姿勢もほの見えるのがちょっと興味深いところ。たとえばカルトだったり、さまざまな理由で起きるPTSDだったり、社会への不適合だったり、そんな、今の世の中で無視できないことどもが、形を変えて未来世界にも投影されていると感じられるわけ。恐ろしいことに、日本におけるツンデレブームまでもしっかり反映されているぞ(いやそれはちょっと違)。
本書中で一番魅力的なのは、リマスタード、と呼ばれる一種のカルトで、この連中はエシャトンに敵対する立場を取っている、まあ悪役な訳だけど、かなり抜け目なく、周到かつ遠大な悪巧みをやっている割には、その意識が末端までは浸透してないように見え、結果悪役の怖さに少々ちぐはぐ感が出ちゃったように思えたあたりが少し残念だけど、まあなんだな、古今東西、悪の秘密組織の末端がマヌケなのはお約束だと思えばこの展開もありか。うん、面白かった。
前作でエシャトンがやらかしたシンギュラリティが、地球にひしめいていた人類を強制的に時空を超えて移民させた結果、宇宙には実にさまざまな発達段階の文明が混在することになった、という最初の舞台設定が効いていて、いろんな「世界」を楽しむ事が出来るこのシリーズ(続くよね? 完全には解決してないものね? )、続きが楽しみではありますな。
(★★★☆)
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