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この日記では再三馬鹿者扱いしてたお仕事相手が、意外に柔軟な思考が出来る人物であることを知って、自分の未熟を深く恥じる。すいませんでした。私の頭が固かったです。
だからって一転、好きになれる人物になった、とは到底言えないんだけどさ。
ジョン・リンゴー 著/月岡小穂 訳
カバーイラスト ひろき真冬
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011793-1 \740(税別)
リッチモンドでは一矢報いることに成功したものの、フレデリックスバーグを失い、さらに急造の軍故のトラブルも追い打ちとなって人類側の敗走状態は続く。もはやポスリーンと首都ワシントンの間に立ちはだかるものはほとんど無い。人類側の最後の切り札、コンバット・スーツ運用の第一人者であるマイクはワシントンへ急ぐのだが、敗走によるパニックと渋滞から、なかなか先へ進むことができないでいるまま、着々と最後の時が近づいていた…。
てことで。んまあ前巻がダレ場の始まり的巻であった以上、本書でも割とダウナー傾向なところからお話が始まり、そこから人類側の乾坤一擲の大反攻が開始され、悪いヤツらは一網打尽、って展開を期待する訳なんだけど、で、確かにお話の展開上はそういう流れにはなっているんだけれど、うーん、総じて散漫な印象しかないな。
この手のお話でSFでお手本になりそうなのは、ニーヴン&パーネルとかのヘビー級作品群あたりって事になるんだと思う。突如起こった地球規模の災害(でも、異星人の侵略、でも)に対して、世界の各地に散らばった、様々な立場の登場人物達が、それぞれが自分なりに苦闘をくり広げ、最終的には落ち着くところに落ち着く、って流れ。お話の中でそれらの登場人物達は、直接的にではなくてもお互いに影響を与えて行って、ってなあたりが面白いんだと思うんだけど、そこらあたりの捌き具合が割といい加減なので、A地点にいる人たちはあくまでそこでのすったもんだだけが描写されるに留まってしまうので、全体としては散漫で、盛り上がりに欠けたままラストまで行ってしまっている、ということだろうな。
相変わらずのチート感満載の「ぼくのかんがえたすごいへいき」的描写もなんだかなーだし、敵の間抜けっぷりもお話の興味をかなり削いでしまっているかも。ようやく終盤になって、次作以降へのヒキみたいなものは生まれてきてはおりますが。
本作品、アメリカでは結構な売れ行きだったそうだけど、それは多分、お話の舞台になっているあちこちの場所が、独立戦争以来のアメリカ国内でくり広げられた戦史を、何となく彷彿とさせ、そこから読んでる側の想像力に独特の加速が付けられるって効能があるんだろうと思う。あれですよ、壱岐・対馬に落下した異星人が鵯越要塞を抜き、関ヶ原で自衛隊の主力を潰滅させ、あとは桶狭間の最終防衛ラインを抜かれたら東京は焼け野原、ってお話だったら、多分日本人限定でもうちょっとは燃えるモンがあったかも知れないって話だね(w。
回収されてないヒキなどもあるので、ま、多分続きも読みますけど、ハヤカワさん、あんまり変な出し方はせず、まとまった話は一度にまとめて刊行してくださいよね。
★★☆
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