カテゴリ一覧
Anime | AV | Baseball | Books | CGI | Chinema | Comics | CS | Day | DVD | Event | F1 | Games | Hobby | HTML | Kindle | Misc | mixi | News | Oldbooks | PC | Photo | SpFX | Stage | tDiary | Tour | TV | web | 逸級介護士
「中二病でも恋がしたい 戀」、「未確認で進行形」、「ウィッチクラフトワークス」、「凪のあすから」、「蛍火の冷徹」、「キルラキル」。「中二病…」、いい感じに普通のラブコメになってんなー、好きだけど。「未確認…」、「ニャル子」のメガホンねーちゃんみたいなキャラがちょっとウザおもしろい。違う制服着てる女の子も人外なのね。「ウィッチ…」はあまり大きい話にする気はもとから無い、ってことなのかしら、「凪…」は海、陸双方のイケメン担当がなかなか良いね。「冷徹」はまあ、うん、ちょっとクスッとはできる。「キルラキル」はこのテンション高いシリーズの中にあっては、これでもダレ場って扱いになるんでしょうね。ガマ先輩とマコ、良いカップルっすね(w。
ハンス・ヘルムート・キルスト 著/安岡万里 三村七海 訳
カバー・口絵イラスト 安彦良和
カバーデザイン 立山一大(角川書店装丁室)
角川文庫
ISBN978-4-04-298209-8 \895(税別)
1942年、ドイツ占領下のワルシャワで一人の娼婦がナイフでめった刺しにされたむごたらしい惨殺死体で発見された。ドイツ軍のワルシャワ地区防諜責任者、グラウ少佐はポーランド側の警察官、リソフスキーとともに事件の捜査に当る。やがて捜査線上に一人の目撃者が。彼の証言は驚くべきものだった。事件現場付近にドイツ軍の軍人の姿を見たというのだ。しかも彼のズボンには赤のラインが入っていたという。赤いラインの入ったズボンを履くのはドイツ軍でも将官以上。容疑者はドイツの将軍だというのか? 当時ワルシャワには7人の将軍が駐在していたが、はっきりしたアリバイのあるのは4人。アリバイ不明の3人の将軍とは、ワルシャワ駐留軍の軍団長、ガープラー大将、特別師団『ニーベルンゲン』師団長のタンツ中将、軍団司令部主任カーレンベルゲ少将の3人。だがグラウたちの追求はそこまでで一旦頓挫してしまう。
それから2年後の1944年、ドイツの敗色が色濃くなりつつあるパリに、かつてワルシャワにあった人物達が再び集まろうとしていた…。
ピーター・オトゥール主演の映画が大変有名な原作の新訳版。商売ものに手を付けるシリーズです。ナチスもの、若干猟奇的な匂いもするということで、「地獄に堕ちた勇者ども」とか「愛の嵐」的な、なんかちょっとムフフなカホリもあるようなお話なのかと勝手に思っていた(映画の方は見てないんですわ)んだけどそう言うものでは全くなく、どちらかと言えばミステリ仕立ての社会派サスペンス。ここで問題にされているのは「誰かが唱えた理想に対する至誠」と「普遍的に存在しているはずの正義」のせめぎ合い。
一人の将軍の命令で何百、何千という人間が命を落してしまう戦争という極限状態において、一人の命を奪う行為に如何ほどの軽重が付けられるのか、その行動を国是と等価で語って良い物なのか、というところに斬り込んでくるお話。ある意味時代を問わず考えるべきテーマが通底していると言えるわけで、それはそのまま、現在ただいまの我が国のポピュリズムとリベラリズムの、割に温たい対立構造を反映しているのかも知れない、と言う気はする。「至誠」のために細かいところには目をつぶるか、「正義」を追求する上では「大義」や「至誠」に傷が付いてもやむを得ない、とするのか、さあどっちか、というお話と言えるかな。
登場する三人の将軍たちがそれぞれ、「大義」、「至誠」、「正義」を代表するようなキャラクタに描きわけられている。誰がどれなのかは読んでみてのお楽しみ。ここに「将軍」という絶対的な権力者に向き合うさまざまな人物達が配置され、ヒトラー暗殺事件のエピソードなども交えながらお話はクライマックスに向かっていく。ミステリ部分の面白さとか深さみたいなものはそれ程あるわけではなく、それよりは立場の違う人物達の対決、という部分の内面的なスリルで盛り上げていく感じ。
最終的に「正義」は勝利するのだが、その勝利も完全なものではなくどこか苦い味を残したまま、「正義」が遂行された後もなお、「大義」にしがみつき、そこに盲目的な「至誠」を捧げることにしか生きる意義を見いだせない人びともいる、という割り切れなさを残しつつお話は結末へ。本書が発表されたのは1962年。東西冷戦下にあってドイツも東西に分割されていた時代という背景を考えるといろいろ示唆に富む。が、同時にそれは、先にも書いたけど現在の我々の問題に投影しながら読むこともできる、ってあたりがとても優れている、と思ったことでした。映画はちょっと結末など変えているそうで、そちらも見てみたいな、と思わされたです。
★★★★
前 | 2014年 2月 |
次 | ||||
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |