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今日も今日とて商売ものに手をつける。ジェイムズ・H・コッブ「ストームドラゴン作戦 ステルス艦カニンガムⅡ」(書影はamazon、ユーズドのみ)。
天安門事件によって国内に広まった共産党政権への不満はくすぶり続け、それはついに中国共産党支持の人民解放軍と、反乱勢力であり、かつての国民党の流れを汲む民主連合軍の間での内乱という大火となって中国全土に燃え広がった。装備は貧弱だが兵力に勝る民主連合軍と、ひととおりの近代装備を揃えた人民解放軍との戦いは、やや民主連合軍有利ながら一応の膠着状態に陥っていたのだが、ここにあらたな動きが。寡兵ながら最新の近代装備で固めた台湾軍が中国本土に上陸したのだ。ここに来て戦況は一気に人民解放軍の劣勢へと変化する。
あとが無くなりつつある共産党勢力。窮した彼らが最後の手段として核兵器の使用に踏み切ることを警戒した米国は、第7艦隊を東シナ海に展開する。その中には南氷洋の作戦を終えて帰還した「カニンガム」の姿もあった…。
1997年に描かれた2006年のアジア、と言う時点で、9.11以降の国際情勢と言うところを描くことはできないわけで、それを今読むと「そうなるかな?」とは思ってしまうところもあるんだけど、それは著者の責任ではない。それでもやっぱり、特に欧米の研究者(というかなんというか)から見たら、中国ってそこまで脆弱に見えているものなんだろうか? ってところが気になってしまうのは、逆にこちらが件の大国に近すぎるが故の過大評価があったりするのだろうかね。全体に向こうのこの手の小説を書く人たちの手にかかると、なんか中国って強大ではあるけれどもどこか総身に知恵が回りかねてる国、になってしまっているような。かつての清帝国(の末期)に近いイメージを持っているんでしょうかね。
そこらの「そうかなあ」感は一旦措いといて、お話のほうは大変楽しめるので一安心。前作からのお馴染みのキャラクタたちの個性や関係性の描き込みに抜かりはないし、主人公アマンダと凄腕ヘリ・パイロット、ヴィンスとのラブ・ストーリーの進展を眺めるのも楽しい。あああと、前作ではそこそこ優秀、ぐらいの設定だった情報士官、クリスティーンが今作では完全なウィザード扱いになっていますね(w。
前作同様、憎むべき悪役、みたいな存在が登場しないあたりも、これは著者のポリシーみたいなものにも関係するのかもしれない。敵ではあるけど、敵にも敵なりの都合や信念はあるのだってところを強調したいのかな。そこも作家なりの個性、なのかも知れないな。
ということで本作も楽しめました。晩飯後のお楽しみには充分すぎる一冊かと。
余談。舞台が極東と言うことで自衛隊も登場し、結構良い役をいただいているんだけど、大活躍する海自の潜水艦「はやしお」、艦長の名前が一条さんで副長は柿崎さん。えーと…(^^;。
潜水艦の艦名は、訳者の伏見さんが原著ではあんまりな名前だったのでアレンジしたそうだけど、こちらもその流れなのか、それとも著者のコッブさんが「マクロス」ファンだったりするのか、さてどっちなんでしょうね(w。
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