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アーネスト・クライン 著/池田真紀子 訳
カバーイラスト lack
カバーデザイン 早川書房デザイン室
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012174-7 \780(税別)
ISBN978-4-15-012175-4 \780(税別)
アメリカの田舎の高校生、ザック。幼い時に父を亡くし、母と二人暮らしの彼の今のところの生きがいはビデオゲーム。オンライン対戦型のSFフライトシミュレーション「アルマダ」のパイロットとして宇宙をかけている時だけが、自分自身を感じられる時だった。そんなある日、教室の窓からぼんやり外を眺めていたザックは、そこにあり得ないものを見てしまう。「アルマダ」の敵エイリアン、ソブルカイの小型戦闘機、グレーヴ・ファイター。ゲームにのめり込みすぎてとうとう白昼夢を見るまでになってしまったのか、しばらくゲームは封印した方が良いのかも…。そんなこともちらりと考えたザックだったが……。
長編デビュー作「レディ・プレイヤー1」が劇場映画化された著者の長編第2作。
自分がプレイしていたゲームが実は世界の命運を握る「リアル」に直結したものであった、と言うシチュエーション自体はそれほど珍しいものじゃない。映画でも小説でもたくさんあるし、それこそちょっと前、「スタートボタンを押して下さい」なんてのもあったわけだしね。本書はそれら数多の先輩たちとは二つの点で異なる特徴を持った作品だと思う。
ひとつは「レディ・プレイヤー1」(すいませんまだ見てません。今週中に行こうと思ってるんですが)にも共通する(んであろう)、オタク的な引用のつるべ打ち。ゲーム、映画、アニメと言った、多岐にわたるオタク・コンテンツから際限ない引用が行われ、それらのコンテンツこそ実はリアル世界における一つの目的のために慎重に計画され、作成されたものだった、という無理ありまくりにもほどがあるがそれでも豪快な力技で、「あ り な ん で す !」と言い切ってしまう序盤の展開には、感心を通り越してちょっと呆れる(^^;。
そんな、呆れてしまいかねない展開にちょっとしたスパイスを効かせてくるのが特徴の第二点目。さまざまなオタク・コンテンツに世界がリアリティを持ったものとして引き受けたのはともかく、そのいびつなリアルになぜ敵も付き合ってくれるのか、と言うところにも説明がなされているところ。その説明が唸るほどのものなのかと言われたら、はっきり言ってそこまでのものじゃないし、最終的にありがちな展開に落ち着いちゃったな、とも思うけど、それでもないよりは遥かにマシなんでね。そこに踏み込んできたのは偉いと思います。
ゲームという、スイッチを切ればリアルに戻れる世界に耽溺することができる、言ってみたら甘やかされた世界になにがしかのリアルな切迫感を持ち込もうとした、その試み自体は評価するけど、それでもゲームとリアルの境界の線引きはあまり上手くないと思うし、読み終わってみたら意外と普通だったなあ、ってのが正直な感想って事になるけど、まあオレもオタクなんでね、次々と繰り出されるオタクネタはやっぱり面白かったですよ。あと、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の影響があったのかどうなのかわからんけど、ポップ・ミュージックへの入れ込みっぷりは自分が良くわからん世界なのでちょっと興味深かった、です。
最後にネタバレになるかもわからんけど、著者のクラインさんは民主党支持者なのかねえ…(^^;
★★★
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