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ちょっと前からぽちぽち読んでたもの。「半藤一利と宮崎駿の 腰ぬけ愛国談義」と「「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気」。前者はまあ、自分の知らない世界線にいた人が語る良き、または良くあるべき世界観。全然違うものだけど、なんか湯木貞一さんが「暮しの手帖」で連載していた「吉兆つれづれ話」(だったかな)のテイストを感じてしまった。心地よさの裏には膨大な努力があるべき、的な? 総じて軽い読み物ではあるんですが、矜持を持ったじいさま達ってのは侮れねえなあ、ってのも同時に感じるあたりは、さすがなのかもね(w。
もう一冊は何年か前に話題になっていたもので、買いそびれてたらいつの間にか文庫になって、さらに電子書籍化に当たって加筆もされていた(上に安くもなってた)もの。なんというのか、西崎義展という人を「突破者」として評価することも可能なのだろうけれど、そういう自分が作ったポジティブな面を、自分で全て台無しにしてしまう生き方ってのは、いったいどういう力が働いたからなんだろう、なんてことを考えてしまった。
世の中には憎めない悪党、ってタイプの人も居るにはいる、でも西崎はそういうタイプじゃない。にもかかわらず、彼の許には彼とともに博打を打とうと思う人材が集結する。その求心力って何なんだろう、ってこと。いや、それは求心力とかではないのかもしれない。もっと強力な、ブラックホール的な何か、だったのかも。
自分はそういうところは怖くて近寄れない。でも、だから自分には一攫千金は絶対無理だなあ、なんてことを改めて納得してしまったよ。こうはなりたくない、でもここまでやらないとトロフィーは掴めない(掴み続けられるとは限らないんだけど)。そこに飛び込めるかどうか、ってのが人の一生に大きな選択肢として立ちはだかるのだろう。大抵の人はそこの選択肢ゲートは迂回して先に進むんだけど、希にそのゲートにまともにぶつかる人がいる。その時その人物に待っているものとは、と考えるとちょっとだけ西崎義展に親近感を持つ…のかなあ(^◇^;)。
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