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カミさんは東京に芝居見物、倅は学校なので今日はフリーだ。いえふー、ということで午前中からお出かけ。シネ・リーブル神戸で「華氏911」鑑賞。後は古本屋冷やかしながら夕刻までふらふら。シネ・リーブルの次回上映予定作品のポスターの中に「雲のむこう、約束の場所」のポスターが貼ってありましたよ。そろそろ完成かな?
今日の高架下はちょっと収穫なしでさみしい限り。おいしい本は一通り売れたので、ここからいろいろと、それなりなものを用意していかないといけないわけだが、なかなか難しいもんだな。てことで軽石庵、買取りなんて事もじわじわと始めてますんでよろしかったらよろしゅうに(ヘンな日本語)
昼飯食わずに突っ込むのはやめようと思ってたんだけど、つい食いそびれたまま立ち呑みに入ったので、家に帰ってからしばらく気絶してしまった。んーむ。
スタッフ
監督・製作・脚本:マイケル・ムーア
製作:ジム・チャルネッキ/キャスリーン・グリン
総作総指揮:ハーベイ・ワインスタイン/ボブ・ワインスタイン/アグネス・メントル
音楽:ジェフ・ギブス
公式サイト:http://www.kashi911.com/
大統領に就任してから「あの日」までの8ヶ月間、ジョージ・W・ブッシュはその日々の42%を休暇として過ごしていた………。アポなし突撃インタビューで知られるマイケル・ムーアが、ブッシュファミリーによって腐敗していくアメリカに警鐘を鳴らす………
話題ばかりが先走り、その内容故に賛否両論を巻き起こした問題作。正式な封切りから数えてもそろそろ1ヶ月になろうとしているのに、で、私の鑑賞したシネ・リーブル神戸は小さな小屋だど言うこともあるのだけど、それでも七分方席が埋まってるってのはやはりそれだけの話題性の強さがあったということなのだろうな。
映画はまず、ゴア絶対有利と言われていた大統領選挙で、何が起こったのかわからぬままになぜかブッシュの逆転勝利のオチが付き、それに対するいくつかの疑惑を取りざたした後、そうやって世界最強の人物の座に就いた男の、ややもすれば情けない日々を軽めに記録し、そして運命の日、9/11へとなだれ込んでいく。マイケル・ムーアは、このテロからさほど日にちの立っていない時期、まだ全米に飛行禁止令が敷かれている状況下で、なぜか20数人のサウジアラビア人に対してだけ、飛行許可が出ていた、という事実にまず着目する。ここで飛行許可を得、母国に帰ったサウジアラビア人たちとは誰あろうビンラディン一族であったのだ。なぜ? ここから彼の取材はスタートする。
私、この監督さんの前作、「ボウリング・フォー・コロンバイン」を見ていないので何とも言えんのだけど、この作品のスタイルというのが彼のオーソドックスなそれなのだとしたら、巷間言われているあれこれとは裏腹に、ずいぶんとストレートな作風であるなあとまず思った。確かにそれなりのおふざけはあるし作家のキャラクターがやや前に出がちな傾向はあるけれど、充分許容範囲。まずはごく普通なドキュメンタリー映画、という感じだ。
イラク戦争がブッシュによる石油利権の追求のために起された戦争である、というのはいろんなマスコミ、webのあちこちで言われてきたことではあるけれど、普通に、あるいはやや飛ばし気味にニュースを追いjかけているだけでは、単にブッシュ(=アメリカ)が世界第二位の埋蔵量を持つといわれるイラクの原油に目を付け、それを狙ったのだ、という印象しか持たないけど、現実はもうちょっと複雑で、まずブッシュ自身が有能とはとても言えない石油会社の経営者としてビジネスマンのキャリアをスタートさせていること、その後この(あまり出来の良くない)大統領の息子は、何度か、いくつかの会社を経営危機に陥らせてしまうのだが、そのたびになぜか巨額の資金を援助するスポンサーに恵まれていること、そして彼らが、サウジの王室の人々であり、サウジでは屈指の富豪一族であるビンラディン一族である、ということ、また、彼のANG(州空軍)時代、訓練を忌避したとしてケリー陣営から批判されている一件についても、このとき訓練を忌避した人物はブッシュともう一人おり、この人物こそがブッシュの影の金庫番的存在であること、などを事細かく明らかにしていくことで、ブッシュにとって"9/11"とは叩くべき相手としてのビンラディン、これを機に(イラク介入への口実が出来ると言うことで)さらに接近したい相手のビンラディン、という厄介な二重構造を抱えることになり、このややこしさをごまかすための様々な手管が、イラク侵攻に先立つアフガン空爆(それはあまりに遅く、わずかなものだった)だったりするのだった、とあかすムーアのカメラは、情報の整理、という点でかなり有用なものに思えた。
ただ、これは報道の常ではあるのだけれど、この映画と同じ素材を使って、テロに蹂躙され、悲しみに暮れるアメリカ市民とそれに負けず世界の自由のために雄々しく戦うアメリカ、というドキュメンタリーを作ることだって不可能ではないわけで、つまるところは見る側の、見方にかかっているだろうともいえるわけでそこは難しい。さらに言うならマイケル・ムーア本人の立ち位置はどうなのよ、ってところもあわせて考慮するとさらに微妙。
基本的にマイケル・ムーアは愛国者なんだよね。これは一種の、愛国者による告発映画になっている。ムーアが問題にしているのは、アメリカがブッシュ一族とオイルダラーによって牛耳られている、アメリカの若者が特定のファミリーの権益追求のために無駄に殺されている、海外での華々しい話題とは裏腹に、アメリカの地方都市は日々荒廃し、若者たちはもはや軍隊にでも行かなければ生活費すら捻出できない、そんな状況になっているってことで、ムーアの視線はそのことへの深い悲しみと怒りに満ちているわけで。確かに劇中、正当な理由もなく悲惨な目に逢わされているアフガンやイラクの人々の映像もインサートされてはいる。でもそれは、あくまで軽い気持ちで任地に出かけていったアメリカの青年たちが直面する、想像以上の現実、という表現における効果でしかない。あくまでムーアはアメリカしか見ていないのだな。
劇場版パンフレットでテリー伊藤が、麻原たちが裏でゴソゴソやっているとき、世間やマスコミは「宗教にはさわらない方がいい」と腰が引けていたが、あのときマイケル・ムーアが日本にいたら、「あいつらは、なんかおかしいぞ」とだれよりも先に体当たりで取材に行ったはずだ。
なんて書いてるけどバカ言えー、と思う。マイケル・ムーアが興味を持つのはあくまでアメリカなのだ。日本で何が起こってようと気にしたりするもんかい。この映画でもどうしようもなく荒廃してしまった彼の故郷、ミシガン州フリントの情景がかなり映し出されるけれど、彼にとって問題なのは、つまるところ空き家が建ち並ぶ故郷の街と、在職中の半分近くを休暇にあてて優雅に暮らす一族がある、ということのギャップへの疑問なのだと思う。その貧しい街から異国にかり出される若者たちに彼は充分共感できているし、それはジャーナリストとして文句を付けるような態度ではないけれど、その若者たちによって殺される、またその若者たちを殺しに来る異国の人々に対して、ムーアはあまりしっかりと視線を据えてはいないな、と見えてそこは少々残念。そこをどう捌くか、というのは実に難しい問題なのだろうな、とも思うけれどそれでも残念。それでもなお、アメリカの若者たちはまだ恵まれているのだよ。CD聴きながら戦車で行進できるのだから。その戦車に突然蹂躙される人々への視線はどうよ、と。そこがあまりに通り一遍なものではないのかね、とは思ったことでした。
まあいろいろ考えさせてもらったので、お金払う価値はあったといえるんですが。ただやっぱりムーアもアメリカのジャーナリスト。アメリカへの愛国心みたいなものが、あちこちに色濃く顔を出して来るもんだなあと思った。国民性なんですかね。ちなみに私は、愛国心から行動できる人物っていうのは、いまいち信用できないでいます。
(★★★☆)
堺三保さんのFIAWOL-blog経由でジャイアン度チェック。結果は…
あなたはジャイアン気質とは程遠い、のび太気質です。
思想が自分中心にまわりやすいところは【ジャイアニズム】を感じさせますが、自力でどうにも出来ないところが、あなたの弱点。
いつも誰かに頼って助けを求めますが、天性の運のよさで、いつも助けてくれる人物が現れそうです。
そんなあなたは甘え上手なロマンティストタイプといえるでしょう。
あとはひそかに、あやとりを極めれば、立派なのび太になれそうです。
あなたにぴったりのお友達タイプ:しずかちゃん
ジャイアン度 27%
のび太度 100%
ドラえもん度 22%
しずかちゃん度 61%
むう、意外にいい線行ってるかも。でもあやとりを極めようとは思わないなあ。
アーサー・C・クラーク&グレゴリィ・ベンフォード 著/山高昭 訳
カバーイラスト L.O.S.164+WONDER WORKZ。
カバーデザイン 岩郷重力
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011530-3 \840(税別)
amazon
かつて銀河系を支配しながら謎の異星人との交戦に敗れ、地球へ戻ることを余儀なくされた人類。今人類は、荒廃した地球にただひとつ残った超科学都市ダイアスパーに引きこもり、不死と引き替えに気概を失い、安寧な平穏のぬるま湯の中にあった。だが、人類の全てが気力と好奇心を失ったわけではなった。都市にただ一人の少年アルヴィンが、ダイアスパーの「外」に押さえ着れに好奇心を抱いたのだ…
クラークの小説第一作「銀河帝国の崩壊」を第一部、これを受ける形でベンフォードが第二部を新たに書き足した合作小説。
「銀河帝国の崩壊」! 懐かしいなあ。私が生まれて初めて自分のお小遣いで買った文庫本だ。ってまあそのとき持ってたお金で買えたSFの文庫がこれだけだった(たしか当時150円まで行かない値段だったはず)。それまで読んでた、ジュヴナイルに軽くされてたSF作品とは違うその雰囲気に、実はSFってやたらと小難しい物なんじゃないだろうか、と思ったことを思い出しますわ(小学生ですから)。それでもダイアスパー、リス、シャルミレン(本書ではシャルミレイン、になってた。違和感ばりばり)、ヴァナモンド、といった単語は強烈に脳裏に焼き付いちゃったよなあ。
さて、おそらく小学校高学年か中学に入り立てだった頃の青二才にとっては少々小難しい、と感じた本書の第一部は、オッサンになったわたくしには実に心地よく、意識が広がる快感を味あわせてくれる作品になっていたのはなかなかの収穫であった。小説は熟成されないが読み手はそれなりに熟成する。ヘタすると発酵するけど。ほっとけ。
ガキにはちょっと分からんワビサビを、かすかなりとも感じ取れるようになると、この作品に漂う不思議な、乾いた寂寞とそれを乗り越えようとする未来への希望、みたいな物が伝わってきて、なんだかうれしくなるのだな。古いSF作品が持ってる、どこか楽天的な未来への展望、みたいな物がほの見えて、そこがとてもうれしいのだね。久しぶりに読んだもので「あれ、こんなにボリュームあったっけ?」って思うくらい(だって創元の文庫はホントにぺらぺらだったんだもの)の物だったんだけど、うん、第一部は文句なし。こういうの、好きだ。
なんだけどベンフォードが担当した第二部がなあ…
これ、ベンフォードがすでに一度やった、「夜の大海の中で」から始まる「銀河の中心」シリーズの(特に後半の)焼き直しにしか見えないんだけどなあ。遙かな未来において抗争状態にある人類と人類以上のポテンシャルを持った生命体、とか、それらを取り巻く環境に対する徹底的な考察とか。二度目の引用になるけど、SFの中核となっているのは、科学という経験の蓄積である
といってはばからないベンフォードである以上、この展開はある程度やむを得ないのかもしれないけど、んー、あなた様が蓄積する科学の経験は、SFの中核をどんどん夢のない物にしてしまっているんではないかいな、と思うのはハードSF属性希薄な私だけですかね。
科学考証込みで、そこに壮大な世界がある「らしい」のは何となく分かる。でもどうだろう、ベンフォードが描いているのは、どこかで理屈っぽさが"夢"をスポイルしてしまうようなSFなのだよなあ。クラーク的にはこの続編は歓迎できる物なのだろうか。だとしたらオレなんかよりも、そろそろ90になろうかというクラーク大先生の方がよほど柔らかく、許容範囲の脳みその持ち主って事になるのだろうけど、ううむ、わたしゃ「ぶちこわしだよグレッグ」って気分で読み終えることになっちゃったんだけれどもなあ。
あーそれはそうとamazonさん、「悠々の銀河帝国」じゃないですよー。直してくださいよー。
(★★★)
「ウルトラマンマックス」、「種デス」、「ツバサ・クロニクル」。ううむ、ウメコ…じゃなかったモコナの菊池美香、すばらしく良いじゃないですか。次回もモコナにどっきどきぃ♪。さて「マックス」(#12:「超音速の追撃」超音速怪獣ヘイレン登場)。
なるほどなあ、怪獣ヘイレンがヴァン、と爆発するわけだ、ロックのリズムで。ゲーム屋じゃないんだから勤務先で音楽流してんじゃねーよ、とか言うツッコミはナシ、の方向なんだろうな。マックスの所作などに見られるコミカルな味付けとかも含めて、この番組は直接的に小さいお友達を喜ばせたい、という方針で作られているのだと思う。それはそれで悪い事じゃないと思うので、わたしゃこの方向性を頭から否定することはしないです。
んでも来週。ゼットン登場(早いな)なんだけど、どうなのよあの出番ないもんだから油断しちゃって少々太って短足になった、ように見えるゼットンは。
デス様は、樽生綾波が、あれはたぶんクルーゼ隊長のクローンだったんだな、てのが分かった、って程度ですか。
土曜日の分、「ウルトラマンメビウス」、「BLOOD+」、「ツバサ・クロニクル」。長谷川圭一脚本、ヤプール編のスタートだったのが「メビウス」(#24:復活のヤプール)。
いやあ、こりゃまた'70年代テイストたっぷりなお話だこと。チープで昏い怪奇趣味がある意味新鮮でございますね。ややこぢんまりな印象もあるけど、まあこれはこれで結構。ホークやらVTOLの晴れ姿(もちっと大きく見せてくれよ)とか割れる空とか、見せ場もそれなりにあって楽しかったすね。で、ゾフィとタロウが密談してる間、サコミズ隊長は出張中ってのは、やっぱりああでこうなのかな。
BLOOD+は次回最終回、なのにこの盛り上がりのなさはなんとしたことか。
牧野修 著
カバーイラスト ヒロモト森一
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫JA
ISBN4-15-030859-4 \600(税別)
世界の各地で突発的に発生する<レーテ>と呼ばれる怪現象。<レーテ>はその一帯"愚空間"と呼ばれるフィールドに変え、その中にいるものの記憶を3時間ごとにリセットする。そして<レーテ>から救い出されたものにも重大な記憶障害を引き起こす。<レーテ>に巻き込まれ、記憶の多くを失った刑事、漆は今、レーテ性認知障害専門の病院に入院し、ゆっくりとした治癒の過程にあった。そんな彼をかつての警察の上司が訪れる。伝説的な暗殺者、町田月光夜が、愚空間に入り込み、そこを通じて他県に脱出しようとしているというのだ。一度<レーテ>を経験し、そこから生還したものでなければ、愚空間での活動は不可能。かつての腕利き刑事だった漆に、月光夜追跡チームへの参加を半ば強制するための訪問だったのだが…
日本のようでそうとも言い切れない世界、念入りに設定されたネーミング、言葉遣い。微妙にここと異なる世界にさらに忽然と発生する<レーテ>とそれが生み出す"愚空間"。そこで語られる繰り返しと繰り返しでない記憶と時間。リセットされる記憶を取り戻す手段、フーダニットもののサスペンス、コンバットアクションの迫力、グロテスクな復讐譚と全編に漂う悪趣味…。いやあ、初めて牧野修の小説を面白いと思った。
なんというか、どこかに「ああそれはあるね」という接点を見つけてしまうと私、その小説を心から楽しめることができなくなっちゃう傾向があって、これが北野勇作や牧野修のSFを読んでるとしょっちゅう引っかかってしまって、お話を読む楽しみをスポイルされちゃう原因になってたわけなんだけど、今回のお話にはそういう接点が一つもない。私がついぞ思いもよらなかった世界が作られ、思いもよらない展開が待ち受け、それでも最終的に落としどころはそうだよな、と納得できる結末を迎える。すばらしい。
傑作、とは言えないかも知れないが、きっちりタイトにまとまった佳品。何より「牧野修だしなあ、どっかで引っかかりそうだな」などとちょっとあきらめ気味に読み始めたものが、良い意味で裏切られた快感は得がたいものがある。私にとってはちょっとした掘り出し物でしたわ、これ。
(★★★☆)
「ああっ女神さまっ それぞれの翼」、「RAY the Animation」、「xxxHOLIC」、「アストロ球団」、「轟轟戦隊ボウケンジャー」、「仮面ライダーカブト」、「ふたりはプリキュアSS」。「女神さまっ」見てたらジンマシン出そうになりました。コナミコマンドにシュールストレミングっすか。「アストロ球団」は肝心の野球が始まると、あちこち絵が恥ずかしくなっちゃいますなあ。笑えるけど。てところで「ボウケンジャー」(Task.29 黄金の剣)。
おおっ、ずいぶん前に引いた伏線が今になって効いとる(w。邪龍一族のおおもとは人間だったのね。トレジャーハンターを自らの欲だけで動く連中と毛嫌いする五十嵐教授もまた、いつか知識という欲に囚われた人間になってしまってた、なんてのはちょいとぴりっとした味付け。冒険のことしか頭にないチーフの方が、ある意味よっぽどピュアだぞ、と。簡単に剣が抜けないのも結構。で、リュウオーンさんはあれでお隠れになってしまわれたので?
そして引っこ抜かれた黄金の剣、妙に刃渡りが短いところからして、こりゃおもちゃになるんだな、というのは予想が付いたんだけど(大人ってヤだねえ)、ヒト型に変形しますか。しかも妙にデザインへんてこりんで黄金の。
脳内を「ごーるどぷらちなむ」って単語が行ったり来たりしたのは、みんなには内緒だ。んで「カブト」(#33)。
ふむ、初めて弱さをさらけ出す天道、相変わらず天然まっしぐらの加賀美と神代、めっきり情けないキャラになっちゃった影山と来て、ここでやさぐれまくった矢車さん再登場。バトルキックホッパーってのはキャストオフしないライダーなんでしょか?
なんにせよ自分のことはあっさり振ったクセに、ああも情けなくなった影山にはずっと寄り添ってるザビーゼクター見たら、そりゃ矢車さんでなくてもグレたくもなるよなあ、とは思った。
お話はまあ、いろいろヒキがあるんで今回だけでどうこうってものでもなく。それなりに面白かった。しばらくはグレた矢車さんで楽しませてもらえそうだ(w。
ルノー、八百長レースを認める:ブリアトーレとシモンズが辞任(F1通信)。この時のドライバーとピットの間の交信記録も読めますな。どのセリフがネルソンに対する「ぶつけろ」ワードだったのかに思いをいたしたりしてみると、これはこれで興味深い。
ブリアトーレとシモンズというルノーチームにとどまらず、F1の世界におけるビッグ・ネームが二人揃って辞めちゃうってことは、ルノーはほんとにやらかしちゃったんでしょうな。いやはやと思いつつ、ここまで勝利に執着する気持ちがないと、あの世界でトップレベルまでのし上がることは難しいのだろうな。いくら金つぎ込んでも、それだけじゃダメだ、って事なんだろうね。
今年の個人的ヒットであるところのワード、チンピラコーディングの産みの親氏。半年以上連絡がなくて、注文の多いコーダーは嫌われちゃったかな、なんて思ってたらとても久しぶりにメールをもらって、読んでみたらば、そのチンピラな仕事をやってた会社は3ヶ月ほど前に辞めて、今は自分でweb屋さんを起業したんだそうで。すぐって話ではないんだけど、なんかあったら手伝ってくれる? って内容で、そこはまあ任しとけ、って返事はしといたんですが、やっぱり若い(んだろうと思うよ、たぶん)人ってのはフットワークが軽いんだなあと思ったことでした。そこはちょっとうらやましいな。
ぼんやり商売物に手をつけてみたら、これがめったやたらに面白くて。佐藤大輔「信長新記」(1)〜(3)。本能寺の変を辛くも生き延びた信長を中心に、その後の日本の中世から近世への歴史的転換を描く作品、になっていくのだろう。なにせこの方はお話を完結させないままにしてしまうことが多く、この作品も未完なのですね。
なので途中までのお話なんだけど、シミュレーション・ウォーゲームのデザイナーとしても名高く、小説の方でも「レッドサン・ブラッククロス」など、凡百の「ぼくのかんがえたすごいひみつへいき」が手前勝手に大活躍するような、腑抜けた仮想戦記とは一線を画した、細部と整合性に徹底的に気を配った、舞台を戦国に移した精密な仮想戦記になるのかな、って思って読んでいったんだけど、で、そういう味も確かにあるのだけれど、それ以上にこれ、非常に精緻に考察された歴史改変SFの味があって、そこがとても楽しい。
基本的に本書は、我々のいる日本とは違う時間線にある日本で21世紀初頭に記された本、と言う体で記述されていて、そちらの時空での日本は大平洋(と言うかこちらの時空では『大東洋』。パチンコ屋かい、と思ったあなたは大阪人)の大部分を支配する強国で、しかも日本自体も日本と大和という二つの勢力に分離している。「大和」は満州国的イメージなのかな。日本は皇国として(日本だよ、扶桑じゃないよ)いまだに世界的強国としての影響力を保持してはいるけれど、20世紀の後半にはその勢力にも翳りが見えている、と言う設定で、そんな現在ただいまのあちらの日本の礎を築いたのが信長だった、と言うのがこのお話の裏のテーマになっていて、そこの捌き方がとても気持ち良いんだった。
基本ラインは、信長が本能寺の変を生き延びたらその後どんなことをするのか、ってところの思考実験なんだけど、そこにちょいちょい現在(とはいえウチらの現在とは違う)からの視点が加わることで、現在の我々が知ってる日本とは違う日本、と言うモノに対する想像力が刺激されるわけで、それってSFを読んでいる楽しさに他ならないよな、と。
山本五十六がもう一度過去に転生しただけで、それまでの日本のジリ貧ぶりが劇的に解消されるなんてとても思えないけれど、戦国時代に偶然発生した戦術的な転回点が、その後の民族的な思考の方向性に一定の方向転換を与えたのかも知れない、という描写であれば、読んでるこちらは「ああ、ここでそういうことがあったから」的に納得して、ここにはない年表に、それなりの修正を加えて想像力に勝手に動いてもらう楽しみが存分に味わえる物になっているんだった。そこの所の楽しさは格別な物がある。
戦国時代の戦闘や兵站の描写の緻密さが楽しめる上に、そこから数百年先の時間線まで勝手に妄想して楽しめるというなかなか得難い本。続きを強く希望したいです。
まったく、世の中は読み切れない面白い本で溢れてるぜ。
週の半。「いつか天魔の黒ウサギ」、「BLOOD C」、「輪るピングドラム」、「THE iDOLM@STER」、「神様ドォルズ」。いまだにマジとノリの境界が良くわからない「黒ウサギ」。ライトノベル原作のお話には良くあることなのかも知れないけど、ストーリーの基本的なスジを意図的にうやむやにしてお話を進めるもので、モチベーションと勝利条件がよく見えないお話が多いような気がするんだけど、そんな欠点があからさまに出ちゃってる作品のような気がする。
曰くありげなイケメン君まで喰われちゃったあとに「なんちゃって」的な展開を持ち込んできた「BLOOD」、んー、そのお話の持って来方も無しとはしないけど、あまりに唐突すぎるような気はするな。もうちょっと撒き餌に念を入れて欲しかったような気はしないでもない。
「ピングドラム」は謎はないけどハテナだらけやで、みたいな。リンゴ編に一区切りついてお話は次の展開に、ってことなのかな。良くわからんけどおかしなヒキは健在っすね。
オールスター夏の大運動会だった「アイマス」。ポロリはないよ(当たり前)。ある意味シンプルにまとまったお話、なのかな。オジサンにわか響さんファンなので、彼女の出番がもうちょっとあったらもっと嬉しかったです(^^;。
「神様ドォルズ」は、いちいち詩緒がかわいいなあ。これだけでお腹いっぱいっす。
別な本を探してたんですが、出てきたんでついつい読んじゃった。第二次世界大戦ブックス(23)「マッカーサー 東京への長いながい道」 シドニー・メイヤー著/芳地昌三 訳 1971年 →amazon(ユーズドのみ)。このシリーズで個人がテーマになってる本はそんなに多くないんだけど、そんな中からチョイスされたってことは、まあ多分に日本の読者向けのセレクトってことなんだろう。さまざまなエピソードを持つ人物なんだけど、本書では主にその軍人としての側面に多く筆を割いた本。
まあこのシリーズは基本的に一つのテーマを大づかみに説明する本で、あまり深いところまで突っ込んで書かれていないのと、日本人的にはむしろそっちの方が興味深いであろう、日本占領時代のエピソードがない(まあのちに『日本占領』って本も出るんだけど)あたりがちょっと物足りないか。
とはいえ軍人としての優秀さと、政治的な見通しの乏しさが共存し、フィリピンに深い思い入れがありながら、東洋人に対する軽い蔑視も併せ持つ複雑な人物であったらしい、ってことは見えてくる。
ま、それ以上に「へえ」と思ったのは、1943年の段階で、アメリカは太平洋戦線に全兵力の30%しか振り向けていなかったと言うこと。7割引の戦力相手にあれほど苦労させられていたとはね。ホンマ、アメリカとだけは戦争したらいかんなと思わされたことですよ。
キャメロンさんにはちょっと休んでいただいて、こちらも買い取らせていただいた本から晩飯あとのお楽しみ、皆川ゆか 著「評伝シャア・アズナブル」(講談社文庫 書影はamazon)。
あのクソ重たい大著、「GUNDAM OFFICIALS」著者、皆川ゆか氏による、シャアという人は居たんだ、という前提の評論。「OFFICIALS」でもちょいと語られていた、「人物としては一流、ニュータイプとしては二流」であるシャアという人物の極めて巧妙にして恣意的な分析。喩えとして適切かどうかわからんけど、戦隊シリーズに「すごい科学で守ります」があるように、ガンダム世界には本書がある、という位置づけは乱暴すぎますかね。
基本的にアニメーションで発せられた台詞を元に組み上げられていくシャア(キャスバルではなくシャア、ってところがミソなんだとは思う)、というキャラクターへの愛ゆえの深読みを楽しむ、という面白さは確かにある。自分はキャスバルでもエドワウでもシャアでもない、クワトロさん時代の彼が、なぜにああもああだったのか、ってところの記述になんというか、著者の愛、のようなものを感じてしまった(^^;。
そこらのある意味企画的な何かを別にしても一点、「ああそれはそうかも知れんな」って記述があったんですが、それ書くのはネタバレ気味になりそうなので自粛します。ただ、シャアって確かにそういう人かもね、というパートがあったことだけは言っとこう。うん、シャアが愛するのはそういう人かもわからんね。そこはかなり納得できました。クワトロさん関連の掘り具合と込みで、かなり結構な一冊ではなかったか、と。
昨日の朝からだったんだけど、右肩が妙に痛くって。昨日はそれでもそのうち直るだろ、と思って出かけて映画なんぞ見て帰ってきたんだけど、夜になって傷みが大きくなってきて。ちょっと布団に横になっては痛くて寝てられなくて部屋に戻って椅子の上でうんうん唸り、また布団に戻ってはやっぱりしんどくて部屋に戻って、の繰り返し。結局2時間ぐらいしか寝れなくてやたら身体がしんどい3連休の中日。
まあ台風も来てるし、おとなしくしてようって事で、風雨が強くなる前に薬屋に行って湿布を買い、隣のローソンでサンドイッチを買って(右手使えないんで、左手でも食えるものを、ってことで)帰宅。昼はサンドイッチをビールで流し込み、晩はカミさんが握ってくれたおにぎりをみそ汁で流し込む一日でございました。なかなか痛みが引かねえっす。
かなり大きな勢力の台風18号、四国に上陸、近畿から北日本に抜けるコースを取ってるって事で。ウチの近辺では夕刻からかなり風雨が強くなった感じ。とはいえウチの周りはさほど大変なことにはなってなくて、一番の被害者は三宮にバイトに出てた倅が、神鉄が夜半に運転を見あわせたあおりを食らってタクシーで帰る羽目になっちゃった、ぐらいかな(^^;。とはいえ台風はこれから北日本、北海道の方に向かって進んでいくようなので、そちらの方面の方は気をつけて。
土日の分。「ボールルーム…」、天平杯の決着編。ああ、タタラ君とマコちゃんのカップルはこれでおしまいなのか。新しいパートナーが必要になると思うけど、入試の発表シーンでちらっと出てた女の子がそうなのかしら。「賭ケグルイ」杉田君のメガネが砕けて白髪になっちゃう話(違)。次が最終バトル? 「シンフォギア」、ビッキーがラスボスになっちゃう話。Gガンだと「お前が欲しい!」で我に返ってくれる系な展開なんですが、こっちはどうなるかな?
日曜朝、まあ予想どおりラッキーがオライオンさんの子孫だったのがわかる回。シシレッドのパワーアップでドン・アルマゲを倒したはずなのに現代に帰ってみると…。時間改編SF的にどういう説明がされるのか、ちょっとだけ楽しみにしてます。「ビルド」ライフラインが遮断されてるのに3国の首脳はなぜテレビ会談できるのか、というツッコミはさておき。今のところかなり良い感じだと思う。やっぱライダーはデザイン大事よね。W以来の良デザインなんじゃないかしら。
「直虎」、なにげに近藤殿が好感度アップしていく展開。高瀬ちゃんの今後が心配ですな。一応史実では相当長生きしたらしいですが…。
NHKスペシャルは夏なのか、ここのところ水物の比率が結構多かったような気がしますが今週のテーマは「黒潮」。とてもおもしろかったけどあのカツオ漁の漁師さんたち、特に命綱とかも付けずに一本釣りやりまくってたけど、落っこちたりしないのかしら、というすごくどうでも良い所がとても気になった(^^;。
ハーラン・エリスン 編/伊藤典夫 他訳
カバーデザイン 川名潤
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012234-8 \1200(税別)
ISBN978-4-15-012239-3 \1200(税別)
ISBN978-4-15-012243-0 \1240(税別)
1967年に刊行され、大きな話題を呼びニュー・ウェーヴの先駆けともなった伝説的アンソロジーの完全版、全3冊。
伊藤典夫さんがなかなか続きをやってくれなくて刊行が止まっていた、ってのは本当なんだろうか。とにもかくにも「1」だけが邦訳されてからほぼ半世紀。ようやく完全版の登場で、割と当惑してる(w。とにもかくにも感想ですが、他の本を読みながらぽつぽつと読んでいたので割と記憶も飛びがち。なので今回は簡略版で失礼します。
一番の問題作はたぶん、ファーマーの「紫綬褒金…」なんだろうと思う、んだけどこれ、訳者の山形浩生さんが少しばかりがんばりすぎ、かつ原作が短編というよりは中編のヴォリュームなモノだから、しっちゃかめっちゃか感も飛び抜けてる。で、それは自分には逆効果だったかもしれない。言い方悪いかな、訳者のドヤ顔ばかりが目に付いてちょっと邪魔、というか(^^;。
その他、シルヴァーバーグの「蠅」は空気が読めない超越者によってえらい迷惑を被る人の話。「ジュリエットのおもちゃ」は時空を超えて男漁りを繰り返す娘が連れてきた人物とは…、んで続く「世界の縁に…」はエリスンからブロックへのアンサーラップ的作品。ここらはなかなか楽しかった、というか今の自分にとって、このあたりの作品はむしろ「穏当なヴィジョン」になっているということかもしれない。
「月へ二度行った男」はまあSFといっても良いけどそれ以上に、ちょっと現代文学というのか、なんかそんな味わい。ビッグ・マオ・ウォッチング・ユーな味わいの「父祖の信仰」、「ジグソー・マン」はたぶん今でも色あせない系のお話なんだけど、ニーヴンぽくはない、かも。「骨の…」はSF版わらしべ長者、とでもいえるのか。わらしべほどには甘くないけどね。「わが子…」はSF的神論、ってことかなあ。
「理想郷」は、割と「父祖の信仰」と背中合わせの作品なのかも。この本が出た当時はまだ、冷戦下の危機感、みたいなものがまだまだ強かったんだな、なんてことを考えたりする。2編収録されているバンチの作品。浅学故にモデランのシリーズという物を全く知らなかったものですから、なかなか興味深かった。お話としてはどういうんだ? 義体的な物の先取り? 解説で若島正さんも書いておられるけど、全3巻のなかでもこの巻が一番楽しめたかも。
粒はそろってる、と言える巻とは思う。その分突き抜けた、と感じる物は少なかった…かな。個人的には後半戦の方が好みかも。バラードの「認識」は彼の有名な「健忘症と浜辺の錆びた自転車」を地で行ってる感じ(w。何でそうなの? の違和感のゆったりした畳みかけが良い感じ。「ユダ」はいわゆる神殺しのお話なんだけど、どっかで神様を捨てきれないあたりが英米SFだよなあと思ってしまう。「破壊試験」超弩級宇宙戦艦の正体でワロタ。お話的には第2巻の「父祖の信仰」と通ずる物があるかも。「カーシノーマ…」はこれも2巻にも似たようなのがあったな、な藁しべSF(というジャンルがあるのかは知りませんが)。もちろんこっちもオチは甘くない。「異端車」、ええと、ゼラズニイには「エーリアン・スピードウェイ」という未来のカーレース物SFがありましてですね、クルマをネタにするのが好きな方なのかしら。なんてあたりでしょうか。
というところで。何せ半世紀前のショック、が正直あったのかどうかも自分には解らない(いくらジジイといっても10代前半に海外で起きてたことなんかフォローできないよ)物を今、読んで何か得られる物があるのか、といわれたらそこはもちろん、あるとは思う。当時の社会情勢やなんかを斟酌する必要もあれば、リアルタイムで読んでいないと解らない、モラルであったり常識であったりに突きつけられた何か、の切れ味はさすがに今となっては味わえない。ただ、その「古さ」も含めてこれはレガシーとして押さえておいて損はない、って事なんじゃないかな。ある程度年季を積んだSF者のための本、かもしれないね(^^;。
★★★
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