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アーサー・C・クラーク&グレゴリィ・ベンフォード 著/山高昭 訳
カバーイラスト L.O.S.164+WONDER WORKZ。
カバーデザイン 岩郷重力
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011530-3 \840(税別)
amazon
かつて銀河系を支配しながら謎の異星人との交戦に敗れ、地球へ戻ることを余儀なくされた人類。今人類は、荒廃した地球にただひとつ残った超科学都市ダイアスパーに引きこもり、不死と引き替えに気概を失い、安寧な平穏のぬるま湯の中にあった。だが、人類の全てが気力と好奇心を失ったわけではなった。都市にただ一人の少年アルヴィンが、ダイアスパーの「外」に押さえ着れに好奇心を抱いたのだ…
クラークの小説第一作「銀河帝国の崩壊」を第一部、これを受ける形でベンフォードが第二部を新たに書き足した合作小説。
「銀河帝国の崩壊」! 懐かしいなあ。私が生まれて初めて自分のお小遣いで買った文庫本だ。ってまあそのとき持ってたお金で買えたSFの文庫がこれだけだった(たしか当時150円まで行かない値段だったはず)。それまで読んでた、ジュヴナイルに軽くされてたSF作品とは違うその雰囲気に、実はSFってやたらと小難しい物なんじゃないだろうか、と思ったことを思い出しますわ(小学生ですから)。それでもダイアスパー、リス、シャルミレン(本書ではシャルミレイン、になってた。違和感ばりばり)、ヴァナモンド、といった単語は強烈に脳裏に焼き付いちゃったよなあ。
さて、おそらく小学校高学年か中学に入り立てだった頃の青二才にとっては少々小難しい、と感じた本書の第一部は、オッサンになったわたくしには実に心地よく、意識が広がる快感を味あわせてくれる作品になっていたのはなかなかの収穫であった。小説は熟成されないが読み手はそれなりに熟成する。ヘタすると発酵するけど。ほっとけ。
ガキにはちょっと分からんワビサビを、かすかなりとも感じ取れるようになると、この作品に漂う不思議な、乾いた寂寞とそれを乗り越えようとする未来への希望、みたいな物が伝わってきて、なんだかうれしくなるのだな。古いSF作品が持ってる、どこか楽天的な未来への展望、みたいな物がほの見えて、そこがとてもうれしいのだね。久しぶりに読んだもので「あれ、こんなにボリュームあったっけ?」って思うくらい(だって創元の文庫はホントにぺらぺらだったんだもの)の物だったんだけど、うん、第一部は文句なし。こういうの、好きだ。
なんだけどベンフォードが担当した第二部がなあ…
これ、ベンフォードがすでに一度やった、「夜の大海の中で」から始まる「銀河の中心」シリーズの(特に後半の)焼き直しにしか見えないんだけどなあ。遙かな未来において抗争状態にある人類と人類以上のポテンシャルを持った生命体、とか、それらを取り巻く環境に対する徹底的な考察とか。二度目の引用になるけど、SFの中核となっているのは、科学という経験の蓄積である
といってはばからないベンフォードである以上、この展開はある程度やむを得ないのかもしれないけど、んー、あなた様が蓄積する科学の経験は、SFの中核をどんどん夢のない物にしてしまっているんではないかいな、と思うのはハードSF属性希薄な私だけですかね。
科学考証込みで、そこに壮大な世界がある「らしい」のは何となく分かる。でもどうだろう、ベンフォードが描いているのは、どこかで理屈っぽさが"夢"をスポイルしてしまうようなSFなのだよなあ。クラーク的にはこの続編は歓迎できる物なのだろうか。だとしたらオレなんかよりも、そろそろ90になろうかというクラーク大先生の方がよほど柔らかく、許容範囲の脳みその持ち主って事になるのだろうけど、ううむ、わたしゃ「ぶちこわしだよグレッグ」って気分で読み終えることになっちゃったんだけれどもなあ。
あーそれはそうとamazonさん、「悠々の銀河帝国」じゃないですよー。直してくださいよー。
(★★★)
「ウルトラマンマックス」、「種デス」、「ツバサ・クロニクル」。ううむ、ウメコ…じゃなかったモコナの菊池美香、すばらしく良いじゃないですか。次回もモコナにどっきどきぃ♪。さて「マックス」(#12:「超音速の追撃」超音速怪獣ヘイレン登場)。
なるほどなあ、怪獣ヘイレンがヴァン、と爆発するわけだ、ロックのリズムで。ゲーム屋じゃないんだから勤務先で音楽流してんじゃねーよ、とか言うツッコミはナシ、の方向なんだろうな。マックスの所作などに見られるコミカルな味付けとかも含めて、この番組は直接的に小さいお友達を喜ばせたい、という方針で作られているのだと思う。それはそれで悪い事じゃないと思うので、わたしゃこの方向性を頭から否定することはしないです。
んでも来週。ゼットン登場(早いな)なんだけど、どうなのよあの出番ないもんだから油断しちゃって少々太って短足になった、ように見えるゼットンは。
デス様は、樽生綾波が、あれはたぶんクルーゼ隊長のクローンだったんだな、てのが分かった、って程度ですか。
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